>  > SUPER★DRAGON、表現の多様性

アルバム『3rd Identity』インタビュー

SUPER★DRAGONが語る、表現の多様性が生むグループの進化「いかにそれぞれの個性を見せるか」

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 様々な音楽性を飲み込んだミクスチャースタイルの楽曲と、9人編成を生かしたフォーメーションダンスで人気を集め、今年2月に2ndアルバム『2nd Emotion』を発表したことも記憶に新しい9人組ダンス&ボーカルユニット、SUPER★DRAGON。彼らが前作からわずか半年で、最新アルバム『3rd Identity』を完成させた。今回のアルバムは、各メンバーがアイデア段階から楽曲制作にかかわった9曲の個人プロデュース曲と、全員リード曲「Don’t Let Me Down」を収録した全10曲。ダンス&ボーカルグループとしての華やかな魅力を持ちながら、同時にクリエイター気質でもある彼らならではの作品になっている。その制作風景や、今のグループの「アイデンティティ」について、9人に聞いた。(杉山仁)

メンバーごとの個性をより作品に反映できる(ジャン) 

ーー今回の『3rd Identity』は、今年2月にリリースされた『2nd Emotion』に続いて、半年で完成したアルバムになっていますね。まずは、とても速いペースで最新アルバムが完成したことに驚きました。

毅:僕ら自身も、最初はとてもビックリしました。でもSUPER★DRAGONはこれまでにもグループとして色々な挑戦をしてきたと思うので、同時に「また面白いことができるな」と楽しみな気持ちを感じていたんです。「2ndアルバムが出てから半年で、すべて新曲のアルバムをつくる」というのは初めての体験でしたし、もちろん、「どうなるのかな」という気持ちもありましたけど、いい作品になってすごくよかったな、と思っています。

ーーしかも今回は、各メンバーがそれぞれに楽曲/MVのアイデア段階からかかわった9曲の個人プロデュース曲と、全員リード曲「Don’t Let Me Down」を収録した全10曲になっていて、曲のテーマの段階からみなさんのアイデアが反映されていったそうですね。

ジャン:こういう形でアルバム制作をさせてもらえると、メンバーごとの個性をより作品に反映できると思いましたし、何より、ボーカル&ラップ組も、パフォーマー組も含めて、メンバー全員がアルバム制作に参加できるということが新鮮でした。それもあって、メンバーそれぞれ、心配に思う気持ちよりも「楽しみ」という感覚が強かったんだと思います。

和哉:これからもっと大きな場所を目指していくことを考えたときに、もっと個人個人が作品や活動について考えていかなければいけないタイミングがいつか来るとは思っていたんですけど、こんなに早い段階でその機会をいただけたことが、まずはすごく嬉しかったです。

ーーみなさんの場合、ダンスを筆頭にしたビジュアル面での表現を追求する必要もあると考えると、それぞれが楽曲やMVのアイデア段階からかかわっていくというのは、とても大変なことだと思います。でも、みなさんとしては、それを「楽しめて」いたんですね。

彪馬:それはやっぱり、これまでの積み重ねがあったからこそだと思うんです。たとえば、1年前の自分は、「個人としてこういうものを伝えたい」というよりも、「グループとしてこういうものを伝えたい」ということに必死で、まだ今回のようなことは考えることはできなかったと思います。でも、そこから色々な経験をさせてもらってきた中で、今回アルバムを制作していても、「自分を見つけにいく」という手段の幅が広がったように感じました。

ーー今回の『3rd Identity』というタイトルも、そうした「自分たちのアイデンティティ」にまつわる気持ちが込められたものなのでしょうか?

毅:そうですね。2017年1月のアルバム『1st Impact』で僕たち自身が誕生して、今年2月の『2nd Emotion』では感情が生まれて、それを表現していってーー。そう考えると、今回のアルバムはその次の段階として、「個々のメンバーが自我を持ちはじめる」ということを表現したアルバムになっています。なので、今回はより9つの色を見せていけるような作品になっているんじゃないかな、と思うんです。もちろん、これは「SUPER★DRAGON」というグループとしてのアイデンティティを大切にしたうえでの話ですけど、それに加えて、よりそれぞれの個性も見せていけるような作品になっているというか。それを音楽的にも、視覚的にも……耳でも目でも楽しんでもらえるような作品にしたいと思っていました。

ーー3枚目のアルバムとして、「自分は何者なのか」ということを模索するような、グループの思春期に当たるような作品になっているのかもしれませんね。それぞれの楽曲は、どんな風に考えていったのか、いくつか例を挙げて詳しく教えてもらうことはできますか?

彪馬:たとえば、僕がアイデア段階からかかわった1曲目の「PANDORA」は、神話にまつわる何かを使いたいという気持ちで生まれた曲でした。もともと、この曲には「恋愛ソングにしたい」というアイデアがあったんですけど、これまでもスパドラには恋愛をテーマにした楽曲がいくつかあったので、新しい恋の表現として、神話をモチーフにしようと思ったんです。そこで出てきたのが「パンドラの箱」でした。僕らはこれまでの2作品で感情を覚えて、好奇心にまかせてそれを表現してきたと思うので、その好奇心で、「今度はパンドラの箱を開けてしまう」というイメージでした。

ーー曲自体はトラップやベースミュージックの要素が詰まったものになっていますね。

彪馬:レコーディング自体はすごく難しかったんですけど、完成してから1曲目という曲順を意識して聴いたときに、最初から衝撃を味わってもらえるような曲になったのかな、と思いました。

ジャン:「PANDORA」は、歌もラップも、すごくスキルが試される曲だと思います。ラップ組の音の取り方も、トラップらしい三連符のフロウだけではなくて、それぞれに色々なものをベストを尽くして録ったので、そういう部分も聴いてもらえるとすごく嬉しいです。

玲於:ダンス面では、「パンドラの箱」を表現するような振りも入っているんですよ。

颯:この曲でのダンスは、一瞬一瞬の動きの音ハメを揃えるところを意識していきました。

ーーMVでは、彪馬さんが「パンドラの箱」を連想させる密室を舞台に、自由演出でパフォーマンスをしていったそうですね。

彪馬:自分自身が「パンドラの箱」の中にいるようなイメージで撮りたいです、とアイデアをお伝えしました。カメラが大量に置いてある密室の中で、あえてやることを事前にきっちりと用意はせずに、自分だけで自由に表現してみる、ということを意識していきました。4回ぐらいに分けて、通して撮ったものを編集してもらっているんですけど、その動き自体も、曲の流れに任せて考えていきました。

颯:出来上がったものを観ていて、彪馬がいつもライブで見せる色気や表現力が、ソロMVになったことでより伝わるようなものになっているような感じがしました。

[MV] SUPER★DRAGON / PANDORA(Promotion Edit)

ーー彪馬さんの表現力がより伝わるような雰囲気のMVになっている、と。

洸希:僕の個人プロデュース曲の「Jacket」の場合は、ハッピーエンドではないような、少し切ないラブソングになっています。これはもともと、自分の性格を反映させた内容になっていて、その性格を恋愛ソングにたとえてみよう、というアイデアだったんです。僕は引っ込み思案なところがあって、なかなか自分からは積極的に何かを言えないような性格ですけど、曲の中に出てくるジャケットを着ることで、そんな自分から成長できたらな、という気持ちを表現しました。「切ない表現」にチャレンジすることは、最初はすごく難しかったです。でも、今回は自己プロデュースということで、自分が思ったことをそのまま声に出してレコーディングをしました。MVも切ない雰囲気が感じられるものになっています。

ーー「Jacket」というモチーフには、「スパドラとして活動する」という意味も重ねられているんですか?

洸希:確かに、恋愛に限った話ではなくて、「自分にとって何か勇気づけられるもの」というイメージです。それを、今回は「ジャケット」にたとえてみました。

毅:この曲はドロップ部分が音サビで、そこにエディットが入っていて機械的な雰囲気があるので、そこに行くまでのパートで、曲の主人公の人間味をどう出していくか、ということを考えながら歌っていきました。ドロップに歌がない分、そこまでの部分で、エモーショナルな雰囲気を盛り上げることで、ドロップ部分との対比も際立つと思ったんです。

玲於:パフォーマンス部分で言うと、これは「Jacket」以外の曲もそうなんですけど、今回の楽曲は音の余韻がある曲が多いので、いかにその余韻を楽しむか、ということを大切に考えています。たとえば、それぞれが同じ振りを表現するとしても、メンバーそれぞれにその表現の仕方は違っていたりもするので、「グループ全体としての表現」は崩さずに、その中で「いかにそれぞれの個性を見せるか」ということを意識していきました。

[MV] SUPER★DRAGON / Jacket(Promotion Edit)

ーーこの2曲だけでも音楽性はそれぞれ全然違いますし、今回の楽曲は、他にもムーンバートンを取り入れた毅さん作詞の「My Playlist」や、ラテン系の要素を加えた「La Vida Loca」、ジャンさん作詞のオートチューンを使った「New Game」、そしてこれまでのスパドラらしい雰囲気の楽曲など、前作以上にバラエティ豊かな楽曲が揃っていますね。

楽:そうですね。僕の個人プロデュース曲の「Remedy For Love」では、普段とは違うもうひとりの自分を表現したいな、と思っていました。僕は絵を描いたりするのが好きなので、そういうときの自分を表現したいと思っていて。それで、廃墟の中でひとりで佇むようなMVを撮影するというアイディアが出てきました。コンテンポラリーダンスを踊ってくれた女性ダンサーさんもとても雰囲気があって、いいMVにしてくださったと思います。

[MV] SUPER★DRAGON / Remedy For Love(Promotion Edit)

ーーそして全員リード曲となる「Don’t Let Me Down」では、9人全員でのアイデンティティ=今のSUPER★DRAGONとしてのアイデンティティが表現されているのですね。

毅:この曲は、従来のJ-POP的なポップさとは少し違う、シティポップス的な、都会的なポップさがある曲だと思っているんです。「かっこいいポップミュージック」としての魅力がイメージできる曲だと思うので、この曲をリード曲にできるのは、すごく攻めたことだと思いましたし、「SUPER★DRAGONはジャンルレスで面白いグループだよ」ということを、音楽リスナーの人たちにももっと知ってもらえるきっかけになればいいな、と思っています。分かりやすくないからこそ、伝わることや、見つけてもらえることもあると思うので。

和哉:この曲は、歌詞が決して後ろ向きではないけれど、ただ前向きなだけでもないという雰囲気だと思うので、その部分を意識して、芯の強さを感じてもらえるようなものにしたいと思っていました。グルーブ感としても、少し後ろでリズムを取ることを意識しています。

[MV] SUPER★DRAGON / Don’t Let Me Down

ーーフューチャーベースの要素が取り入れられていて、音楽的にもとても尖った楽曲になっていると思いますし、みなさんのダンスも、不規則なビートに合わせて踊るのは大変だったんじゃないかと想像していました。

毅:SUPER★DRAGONの野望としても、僕らのことを「面白いことをしているグループだな」と思ってもらえたり、色々な要素を表現していくことで、ダンス&ボーカルグループ自体の面白さを色々な人に伝えられたりできたら嬉しく思っているんです。今回のアルバムには、「La Vida Loca」のようなラテンの要素のある曲も入っていて、視野が広がっていると思いますし、こういう曲は海外の人たちもにも楽しんで聴いてもらえるかもしれませんし。でも、同時に、J-POPならではのポップさも感じてもらえると嬉しく思っていて、「自分たちがそれをどう乗りこなすか」という、個人個人の意識をこれからもっと高めていけば、もっと面白いことができるようになるんじゃないかと思っています。そういう期待値を背負いながら、これからも色々なことを表現していけたらいいな、と思っています。

ジャン:ラップ組としても、自分たちの感情をもっと「ラッパー」として表現できるようになりたいし、SUPER★DRAGONの楽曲に自分たち自身のアイデアや、自分たちの気持ちを反映させてもらえたら、より感情を表現できるようになるのかな、とも思っていて。たとえば、ラッパーだとトラヴィス・スコットもそうだと思うんですけど、あの人の作品はすごくメッセージ性が強いものになっていると思うんです。

ーートラヴィス・スコットの『Astroworld』は、幼い頃に遊びに行っていたヒューストンのテーマパークをテーマにした作品でした。

ジャン:そうですね。そんなふうに、自分の感情や体験が曲になっていると、より僕らも感情を乗せることができるのかな、と思ったので、今回のように曲の段階からアイデアを出させてもらえることは、とてもいい経験になりました。

Arrow
Arrow
玲於
ArrowArrow
Slider

      

「SUPER★DRAGONが語る、表現の多様性が生むグループの進化「いかにそれぞれの個性を見せるか」」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版