『ViVi Night』にも出演 KAHOHが目指す“10代のカリスマ”像とは?

 2018年にTWIN PLANETとSTARBASEによる新人アーティスト発掘オーディション『STAR ARTIST 2018』で審査員特別賞を受賞したKAHOHが、5月29日に3rdシングル『ONLY SEVENTEEN』を配信にて<LINE RECORDS>よりリリースした。

 これまで2月に『HERE WE ARE』、3月に『君がいるから』とそれぞれ配信リリースをしてきた彼女だが、今回の『ONLY SEVENTEEN』では初めて作詞に挑戦。リアルサウンドでは、彼女に初めてインタビューを行い、同作や彼女の歌が持つオリジナリティ、同世代との共鳴などについて話を聞いた。(編集部)

「声だけ聴いてわかってくれる人に評価されたかった」

KAHOH

ーーKAHOHさんの楽曲を聴いてまず最初に思ったんですが、独特のリズム感を持っていますよね。これまでリリースした2曲と、今回の新曲「ONLY SEVENTEEN」は、それぞれジャンルや音のテイストは違えど、共通しているのはそこなのかなと。

KAHOH:初めて言われたかも! 嬉しいー!

ーーだから、その歌のリズム感がどうやって養われたのか気になったんです。やはり、4歳からダンススクールに通っていたことが大きいんですか?

KAHOH:そうかもしれないですね。ロックダンスを中1まで、ヒップホップダンスを中2までやっていたんですけど、自分のなかで歌に直接繋がってるとは思ってなかったです。でも、自分の歌を聴いてくれた周りの人が「グルーヴが良い」って言ってくれることが多いので、もしかしたらダンスが大きいのかもしれないですね。

ーーあとは、どういう音楽を聴いてきたか、というのも大きいと思うんですよ。ダンススクールでやるような曲って、ほとんど洋楽だったりするじゃないですか?

KAHOH:たしかに! でも、自分でちゃんと音楽を聴くようになったのは中1からかな。小学生のときはアリアナ・グランデ、クリス・ブラウン、ニーヨ、マイリー・サイラス、LMFAO、TLC、Destiny's Childとかしか聴いてこなかったんですけど、車の中では安室奈美恵さん、青山テルマさん、JUJUさんの曲はよく流れてました。でも、Twitterで今の事務所の先輩でもあるMACOさんがテイラー・スウィフトの「We Are Never Ever Getting Back Together」をカバーしている動画を見て、他の曲も聴いて「日本語の曲もいいな」って思うようになって、MISIAさん、宇多田ヒカルさん、小柳ゆきさん、UAさん、加藤ミリヤさんの曲も聴くようになりました。

ーーその面白いラインナップがうまくミックスされたものこそ、KAHOHさんの歌声なんだと思うと納得しました。

KAHOH:やった! 確かに今聴くのも日本語だけではないし、そうなんだと思います。

ーーでも、中学生までやっていたダンスをやめてまで、歌に集中しようと思ったきっかけは何なんですか?

KAHOH:自分から音楽を聴き始めて、歌に興味を持った瞬間から「プロになろう、いや、なれる」って思ってました。歌を始めて1カ月で、当時のダンススクールの社長さんから「オーディションを受けてみないか」と言われて、大会にも出たりしていました。そこから自分でも受けようと思って、いろんなオーディションに応募するようになったんです。

ーーそのなかで心が折れそうな時期もあった。

KAHOH:ありました。この(STARBASE)オーディションを受ける前が、人生で一番病んでた時期だと思うんです。歌うことが楽しくなくなって、本気で歌を辞めたいと思うようになって。自分の歌がどんどん「自分が、自分が」という歌になっていたのがわかったから、すごく嫌で。それからスクールにも一時期通っていたのですが、組織の内側で評価されるのがあまり好きじゃなくて。その人のために歌いたいわけじゃないし。そういう歌ならいらないなと思ってスクールをやめました。声だけ聴いてわかってくれる人に評価されたかったんだと思います。

ーー受けた段階では今の状況は想像できてました?

KAHOH:できてなかったですけど、1次審査は受かると思ってました(笑)。

ーーでもこうしてデビューして、配信リリースも3作目になって、プロのシンガーとしての自覚のようなものも次第に強くなってるんじゃないですか。

KAHOH:そんなに変わってないですよ。声や歌を聴いた人が耳にして「いいな」と思ってもらえるように頑張るだけなので!

ーー先日は『ViVi Night in Tokyo 2019 Spring Party』にも出演しましたが、そういう華やかな舞台に立ったことは、自身のなかでどういう経験になりましたか。

KAHOH:あんな人がいっぱいいる空間で歌うのは初めてで、めちゃくちゃ楽しかったです。緊張もしてたと思うんですけど、あんまり自覚はなくて。でも、映像を見返したら、出て行くときはロボットみたいにガチガチになっていて面白かったです(笑)。1曲目を歌ったときに、会場の人たちがみんな聴いてくれたのがわかったので、そこからはリラックスして歌えました。

ーーそんな緊張するタイプに見えないので驚きました。

KAHOH:繊細なところもあるんですよ!(笑)。

ーー(笑)。あと、さっきのラインナップには入ってなかったんですが、歌のフロウっぽい感じはHIPHOPの影響ですよね?

KAHOH:そうですね。中学生のときに初めて観たラッパーのライブはKOHHなんですけど、あまりその時はラップ自体にハマるというよりは、KOHHばかりを聴いている感じでした。病んだらKOHHを聴くクセがあって(笑)。でも、高校に入ってからは友達の影響でAwichが好きになって、ライブに行ったら、世界で一番カッコいい人なんじゃないか、と思うくらい唾奇にハマって。そこからいろんなHIPHOP、日本語ラップを聴くようになったんです。ほかにも、Yo-Seaとか変態紳士クラブ、C.O.S.A.、KID FRESINO、KEIJU、VaVa、SALU、SUSHIBOYS、Taeyoungboyとか……すっかりヘッズになりました。

ーーHIPHOPは若いプレイヤーも多いですが、同年代で仲間と呼べるアーティストは見つかりましたか?

KAHOH:さなりくんともレコーディングしたり、ちゃんみなさんや、YENTOWN、XLARGEのDJ JAMさん、そして憧れていたMACOさんにも事務所に入ってからお会いしました。打ち合わせだって言われてご飯屋さんに行ったら、MACOさんがいきなり現れて、腰を抜かしたのを覚えてます(笑)。

ーーそういった同世代、憧れの人と会ったことが、自分の創作活動に影響してきている感覚はありますか?

KAHOH:そうですね。その時その時で結構聴く曲が変わるんですけど、その影響をストレートに受けている気はします。スタジオに入ってメロディが出てくる時は、メロディがある音楽を聴いてるときだし、ラップしか聴いてないときはフロウばっかり出てくる(笑)。

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