大瀧詠一、ラストライブが初の音源化 幻の楽曲に音楽評論家 湯浅学も「まさか実際に聴けるとは」

大瀧詠一、ラストライブを初の音源化

 3月21日、『大瀧詠一 NIAGARA CONCERT’83 発売記念公開収録イベント』がニッポン放送・イマジンスタジオにて行なわれ、上柳昌彦アナウンサー、音楽ライターの島村文彦氏、音楽評論家の能地祐子氏、湯浅学氏が登場。集まった120名を前に、ライブ開催当時の思い出や収録作品について熱く語った。

左から上柳昌彦、能地祐子、湯浅学、島村文彦

 3月21日に発売された『大瀧詠一 NIAGARA CONCERT’83』は大瀧詠一にとって初めてのライブアルバム。1983年7月24日に西武球場で行われた、大瀧詠一名義で出演した最後のライブ『ALL NIGHT NIPPON SUPER FES 83/ASAHI BEER LIVE JAM』の模様を全16曲、初音原化したもの。野球場である西武球場に新日本フィルハーモニー交響楽団のストリングスセクションを呼ぶなど、湯浅曰く「まるでスタジアムにスタジオを持ってきた」といえるライブ音源は、今聴いても驚くほどのクオリティだ。

 ライブ冒頭はまさかのストリングス5曲が続いており、実際にその場にいた湯浅氏と島村氏は「このまま(大瀧詠一)が出てこないんじゃないか?」「最後1曲だけ出てきて歌うんじゃ……」とそわそわしてしまったと語る。しかし、その後は「♡じかけのオレンジ」や薬師丸ひろ子に提供した「探偵物語」「すこしだけやさしく」、さらに森進一の「冬のリヴィエラ」の英語詞バージョンである「夏のリビエラ」をセルフカバー。特に『探偵物語』は当時大ヒットしている最中で、湯浅氏は「なんでこの人がこの曲を歌っているわけ!? と、なりかねない」と思ったほどだとか。

 さらに、初回限定盤についている『EACH Sings Oldies From NIAGARA CONCERT』の中には、大滝が高校生時代に故郷・岩手の予餞会で歌っている「Yesterday」が収録されており、これには3名とも驚きの声をあげた。湯浅氏も「まさか実際に聴けるとは」というほどのレアな音源であり、高校生らしい荒削りな楽器演奏に乗せて、すでに“歌手・大瀧詠一”として完成された歌を聴くことができるのだ。また、『THE FIRST NIAGARA TOUR』の映像に話が移ると、「FUSSA STRUT」を歌いながら福生駅の切符をばら撒いたり、「COBRA TWIST」でレオタード姿のダンサーと一緒に踊る楽しそうな大瀧の姿に「DISC1との違いに愕然とする……」と笑いが漏れる。

 大滝のファンにとって、3月21日は“大瀧詠一の日”だという。能地氏は「正しい言い方かわからないですが、3月21日は法事みたいな気分。みんなで色々ワイワイしゃべりながら過ごす……ちょっと笑いながらも切なくなる」と表現する。「そんな日に発売されたライブアルバムを、ぜひみなさんと楽しめれば……」と締めくくった。このイベントの模様は、3月25日18時より、ニッポン放送『1983年夏 大滝詠一 最後のステージ』にて放送される。

(取材・文=たつき あつこ)

■ニッポン放送 『1983年夏 大滝詠一 最後のステージ』
放送日時 2019年3月25日(月) 18:00~19:30
パーソナリティ 上柳昌彦
ゲスト 島村文彦(音楽ライター)、能地祐子(音楽評論家)、湯浅学(音楽評論家)

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