三代目JSB、Sexy Zone、sumika……知ってるつもりになってはいけない、進化したメジャー作品

 今回のテーマは、“知ってるつもりになってはいけない、 メジャーアーティストの進化した新作”。三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、Sexy Zone、sumikaなどの新作を通し、すでにブレイクを果たしたアーティストの新たな挑戦、自らのイメージを刷新、または増幅し続けるプロセスをぜひ実感してほしいと思う。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE『Yes we are』(CD)

 高揚感に溢れまくるエレクトロトラック、勇壮なイメージが溢れ出すメロディ、そして、“希望の光を灯し、ここからさらなる夢に向かって進んでいくんだ”という熱い意志を込めたボーカル。4月からスタートする全国ドームツアーに先がけてドロップされる2019年第1弾シングル表題曲「Yes we are」は、三代目 J SOUL BROTHERSの結束の強さを改めて示すと同時に、新たなフェーズに突入しているグループの現状をダイレクトに示すアッパーチューンに仕上がっている。現在のリアルな感情を最新鋭のダンストラックに乗せ、ライブの雰囲気を生々しく想起させるこの曲は、彼らの新たなアンセムとして一気に浸透することになりそうだ。止まることのない上昇志向こそが三代目 J SOUL BROTHERSのパワーの源なのだと、改めて実感させられる。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE / Yes we are

 シングル曲「イノセントデイズ」「カラクリだらけのテンダネス」を含むSexy Zoneの6thアルバム『PAGES』は、“人生の1ページ”をテーマに、生きていくなかで生まれる様々な感情や景色を切り取ったコンセプチュアルな作品。ラテンとファンクが交差するサウンドのなかでセクシーな女性に対する官能的な思いを描いた「La Sexy Woman」、泣きたいような切なさと葛藤を歌い上げる「CRY」、“周囲の空気や視線を気にせず、自分の意志に従って進め”とメッセージするロックチューン「ゼンゼンカンケイナイ」など、喜怒哀楽をビビッドに映し出す楽曲からは、Sexy Zoneの音楽的な広がり、メンバー個々の表現力の深まりを感じ取ることができる。20代半ばを迎えつつある彼らの新境地とも言える1枚だ。

sumika『Chime』

 ロック、ジャズ、ソウルミュージックなどを融合させた音楽性、リスナーの感情に寄り添う歌によって、幅広い層のリスナーに支持され続けているsumikaの2作目のフルアルバム『Chime』(チャイム)は、タイトル通り、聴く人の心の呼び鈴を鳴らすような作品だ。爽やかなストリングスとしなやかなバンドサウンド、〈はじまり はじまり/いざスタートライン〉という歌詞がひとつになった「10時の方角」、ネオソウルのテイストを取り入れたダンサブルな「Monday」、シンガーソングライターの吉澤嘉代子をゲストボーカルに招いた切ないラブソング「あの手、この手」など、ジャンルに捉われず、自由なアイデアが織り込まれた楽曲が並ぶ。本作によって彼らは、新世代ポップバンドの旗手としてさらに大きくなっていくはずだ。

sumika / 10時の方角【Music Video】

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