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両A面ニューシングル『ファンファーレ / 春夏秋冬』インタビュー

sumikaが語る、『君の膵臓をたべたい』と築いた幸福な関係「僕らの進み方は間違っていなかった」

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 4月にリリースした『Fiction e.p』がヒットを記録し、日本武道館2Daysを含む初のホールツアー『sumika Live Tour 2018 “Starting Caravan”』は各地でソールドアウト続出――と着実に支持層を広げつつあるsumika。人生を彩る喜怒哀楽のように、色彩豊かな彼らのサウンドはリスナーのみならず、クリエイターや企業をも虜にしている。例えば、アニメ『ヲタクに恋は難しい』のオープニングテーマとして「フィクション」を書き下ろし、企業とコラボレーションして「Answer」「Summer Vacation」「アネモネ」などのMVを制作したことも、その例として挙げられる。

劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」本予告

 そして今回は、住野よる著の小説を原作とした劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』(9月1日公開)にて、オープニングテーマ・劇中歌・主題歌を担当。“タイアップ=商業的”というネガティブなイメージを抱いている人もいるかもしれないが、3曲を聴いた印象はむしろその逆。映画に寄り添った内容でありながらも、これまで彼らが大切にしてきた信念も共存しており、バンドの血が細部まで通っているような感じがあるのだ。

 sumikaと劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』が幸福な関係性を築くことができたのは、どうしてだろうか。片岡健太(Vo/Gt)、荒井智之(Dr/Cho)、黒田隼之介(Gt/・Cho)、小川貴之(Key/Cho)に話を聞いた。(蜂須賀ちなみ)

ベーシスト不在の“空白”=sumikaの“可能性”

【2018/8/29発売】sumika / 「ファンファーレ / 春夏秋冬」teaser

――7月にホールツアーが終わったばかりですね。私は武道館公演を観ましたが、みなさんの演奏はもちろん、舞台セットもとても素敵だったな、と。

小川:今回のライブを制作するにあたって、いろいろなセクションのプロたちが力を貸してくれたんですよ。周りのスタッフがとても心強いから、回を重ねていくごとに信頼関係も増していって。より音楽のことだけに集中できる環境になっていったので、このホールツアーは自分の音楽に対する向き合い方や姿勢を確立していく時間にもなりました。

片岡:元々ライブを制作するチームや関係者の方々から「sumikaはホールが向いていると思う」と言っていただく機会が多かったんです。でも、これまでホールツアーをやったことがなかったから実際何ができるのかは、正直やってみるまで見えてなかったんですね。だけど「スピーカーはこういうふうに置こう」「照明をここに置いたらこういう効果が得られるなあ」と決めていくなかで、ホールだと舞台上のセットも含めてsumikaの見せたかったもの、聴かせたかった音をちゃんとゼロから組めるんだなと思いました。中にはホールでしかできないこともあったし、逆にライブハウスでしかできないことも見つかった。両方知ったうえで両方大事だなと思えたというか。一番悔しいのはどちらか一方でしかできないということで、それってアーティストとしての表現の幅に自分たちで制限をかけることになるじゃないですか。だから今は言い訳せずに全部のことにチャレンジしていって、そのあとに何が良かったのかを選択していけばいいと思っています。

――今のお話とも関係してくると思いますが、最近のsumikaは、バンドの外側にいる人たちと一緒に制作を行う動きが、より盛んになったような印象があります。

片岡:それは――まず、sumikaは毎回ゲストメンバーを迎えてライブを行っているから、メンバーだけだとどう頑張っても(100点満点中の)75点しか出せないもどかしさがあって。結成当初はそこが弱みだと思っていたし、例えばベーシストがいないからライブをお断りしなきゃいけない時は「残りの25を埋められないから今日はライブに出られないんだな」みたいにネガティブなことを考えてた時期もありましたが、その空白って実はすごい可能性なんじゃないかなって思うようになっていったんですよ。(ゲストの)ミュージシャンの方が入ることによって100になるだろうと思っていたら、その方が50持ってきてくれて125になったりとか。それに対して「俺たち1人が25でいいのか」「いや、それじゃあダメだからもっと頑張ろう」みたいに考えるようになって、こういうふうに化学反応って起こっていくんだなとだんだん病みつきになっていったんです。その延長線上なのかもしれません。

――相手がゲストミュージシャンなのか、あるいはどこかの企業や商品/作品なのかが違うだけで、“他者と化学反応を起こす”という行為自体は一緒、ということですね。

片岡:何をやっているのかと言われたら、人同士の掛け算です。これまでも刺激を得られる部分が多かったし、ありがたい話をいただけているので、こういう試みに対してプラスな気持ちで臨めているんだと思います。

――そもそも、空白を埋めることに楽しさを見出すようになったきっかけは何だったんですか?

片岡:うーん……分かりやすいきっかけは、2015年に小川くんが加入したことですね。小川くんは僕の声が出なくなる直前に入ってきたんですけど、喉が治って戻ってきたら、スタッフも含め、sumikaっていうチームがすごく強くなってたんですよ。人の力ってすごいなって。

黒田:(当時は)これからもずっと片岡さんと一緒に音楽がやりたい、最悪音楽じゃなくても何かを一緒にやりたいとは思っていたので、「この場所を残しておかないといけない」とすごく考えたし、「そのためにできることがあるなら何でもやりますよ!」という気持ちは持っていました。

小川:その時からsumikaはメンバーだけでなく、ゲストミュージシャンの方やスタッフチームも含めて一丸となっていて。僕は入ったばかりでしたけど、そこでsumikaのあり方みたいなものがだんだんと見えてきた感じがありましたし、片岡さんが帰ってきてからもその形は崩れることなく、より強くなったような気がします。だから空白を埋めるという作業の素晴らしさ、感慨深さみたいなものは、この先のsumikaにとっても欠かせないものですね。

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