ランキング圏外から1位へ 韓国音楽市場を賑わす“チャート逆走”の要因と好例
昨年には女性ソロシンガーのBenが上記番組から注目を集めて、デビュー8年目にしてようやく初のフルアルバム『RECIPE』をリリース。そのタイトル曲「열에중(恋愛中)」がじわじわと人気となり、発売から3カ月を経て音源チャートの1位にまでなり、“チャート逆走”の好例として話題となった。
K-POPアイドルが“チャート逆走”を引き起こすこともある。昨年、韓国で大ヒットしたPENTAGONの「Shine」はリリース直後より、その後にじわじわと人気を獲得していった典型的な“チャート逆走”ソング。直近では今年3月、“チャート逆走”によって音楽番組『THE SHOW』で1位を獲ったN.Flyingは、デビュー4年目にしてようやく栄光を掴んだ。
様々なアーティストが群雄割拠するこの時代には、いい曲を出すことだけでなく、存在を知ってもらうことが重要になってくる。そのためにも音楽番組だけでなくいろんな番組に積極的に出演して、大衆に知られる機会を増やすことも必要。そして曲がよければ、名前を知られていない歌手でも大衆に受け入れられるというのは、とても健全なのではないだろうか。
“チャート逆走”といえば、上記以外にこんなケースもある。ポール・キムが2016年に発表した「雨」という曲は、雨が降るとランキング入りするというタイトルそのままの現象が起きて、より一層知られることに。また、Busker Busker(バスカー・バスカー.)の「桜エンディング」は、春が来るたびにチャート上位に入ることでも有名で、むしろこの曲が流行り始めると春が来たなと感じるほど。今年もそろそろ「桜エンディング」がチャートに登場する頃かもしれない。
■尹秀姫
東京都出身。フリーランスの編集・ライター。K-POPを中心に様々な媒体でインタビュー・コラムを執筆。『韓国語ジャーナルhana』のミュージックページ担当。WANNA ONEの解散であれだけ号泣したのに、今はIZ*ONEが気になっている懲りない性分。