『魔法少女特殊戦あすか』で注目のnonoc アニソンシーンの新星が半生と今後の展望を語る

nonoc、自身の半生と今後の展望を語る

 アニソンシーンに、またひとり新星が登場した。シャープさとみずみずしさとをボーカルに併せ持つそのシンガーの名は、nonoc。昨年OVA『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』のイメージソング「Relive」とエンディングテーマ「White White Snow」で歌唱デビューを果たした彼女は、2月27日に待望の1stシングル『KODO』をリリース。オープニングテーマに起用されたTVアニメ『魔法少女特殊戦あすか』の世界観と結びつく、ダークかつシリアスなデジタルロックチューンに仕上がっている。今回はリアルサウンド初登場となるnonocに、これまでの自身を振り返ってもらいつつ、初シングルに込めたアツい想いを存分に語ってもらった。(須永兼次)

やっぱり音楽に救われている

――まずは、1stシングルのリリースを控えた今の心境をお教えください。

nonoc:たくさん緊張してたくさん考えて、めちゃくちゃ練習して作り上げたものなので、やっぱりうれしいです。私を知らない人の手に届く、ジャケットから中身まで私一色のはじめてのものになると思うんですけど、そのシングルに収録した2曲を作品としても大切にしていきたいですし、それをなるべくたくさんの人に聴いていただければと思います。

――そのシングルのお話の前に、nonocさんご自身についても教えてください。まずは、シンガーになるきっかけからお聞きしたいのですが。

nonoc:元々、歌うことは好きだったんですよ。地元が北海道の歌志内市っていう田舎だったのもあって、家で歌をうたうぐらいしか好きなことがなくて。小学生~中学生のときからはニコニコ動画で「歌ってみた」動画を聴いていたり、自分でも作ってみたりしていたんですけど、中学卒業のタイミングで「どうせやるなら、楽しいことがしたいな」と思って、早いうちから音楽に触れていこうと専門の高校を目指したんです。

――それまで音楽関係の習い事などは特にしていなかった。

nonoc:はい。ニコニコ以外にも歌をネットに上げるツールがたくさんあったので、そのコミュニティで仲良くなった子たちと一緒に作品を上げるのが好きで。だから、小中学生の頃は休みのときはずーっと宅録して、自分でミックスして作品を上げる……みたいなことを毎日やってましたね。

――nonocさんはデビューから2作連続でアニメの主題歌を担当されていますが、アニソンを歌いたいという気持ちは元々あったんでしょうか?

nonoc:ありました。小学校高学年の頃には『ソードアート・オンライン』第1期などの深夜アニメがすごく流行ってて。それからいろんな作品を観てきましたけど、やっぱりアニメは大好きだしアニソンを歌いたいっていう気持ちもありましたね。でもたぶん私、高校に入るまでは歌い手さんになりたかったんです。

――そうなんですか?

nonoc:はい。歌手になりたいっていう気持ちもあったんですけど、歌い手として動画を上げて人気になりたい……とやんわり考えてたんです。今では歌い手さんも名前を変えてシンガーとしてデビューされている方もいれば、アニソンを歌ってる方もいる。ボカロも好きなんですけど、当時のボカロPでアニソンの作曲家として活躍されてる方もすごく多いし、アニソンを歌ってるバンドもたくさんいるじゃないですか。アニソンって、そういう垣根を超えられるところがすごくいいなと思って。だから「やりたい!」って思ったんですよね。

――ちなみに、nonocさんの大好きなアニソンを挙げるなら?

nonoc:わー、難しい(笑)。いろいろあるからなぁ……最近だと、ドハマリしてたのが『あそびあそばせ』のOP「スリピス」ですね。もう、ほんっとうに大好きで! LINEスタンプも買ったし、放送時期は着信音も全部あの曲だったんです(笑)。あれこそアニソンらしいアニソンだと思うんですよ。なおかついい曲だし、かわいいし……。

――映像も相まって、原作の“表紙詐欺”ぶりをうまく表していましたよね。

nonoc:あはは(笑)。たしかに。映像にソフトフォーカスがかかってますし、ほわほわ日常系みたいだけど、蓋を開けたら……みたいなところが(笑)。そこがいいんですよね。

――さて、ここからは1stシングルのお話をお伺いしたいのですが、まず「KODO」がOPになっている『魔法少女特殊戦あすか』という作品についてはどんな印象をお持ちですか?

nonoc:主題歌のお話をいただいてから読んだんですけど、かわいい女の子たちがズタズタになったり、心のキャパシティを超えちゃって苦しんでる部分や葛藤もあったりと、割と辛いシーンが続く作品なんですよ。ただ、私自身暗い話が好きなので、好きな部類の作品でした。それに、日常のシーンでは同世代であるあすかたちに共感できる部分もありましたし、もし自分が魔法少女みたいな責任を請け負う立場だったらどうだろう? というのは、ちょっと考えさせられましたね。

――楽曲自体から受けた最初の印象は、どのようなものでしたか?

nonoc:前回「Relive」でもご一緒させていただいた中沢伴行さんに作曲していただいたんですが、すごくアツい想いが込められているのを感じましたね。歌詞に関しても、まず川田まみさんという大先輩に書いていただけたことがすごく光栄でしたし、歌詞自体も作品を読んだあとだと、なおさら主人公である大鳥居あすかの気持ちに沿ってるように感じて。それでいて心に刺さるアツいストレートな歌詞なんですけど、そこには葛藤も込められているように感じました。

――作中のあすかたちだけではなく、歌詞の中にもnonocさんご自身として共感した部分はありましたか?

nonoc:2番のAメロの〈他愛無い日々に しがみつくほどにしらされる 堕ちる喧騒の渦から 何度も心を拾われて、今〉という部分は、すごく共感しました。まわりには明るく振る舞ったり、普段友達とわーって喋ったりしてるけど、実際問題すごく不安な部分もたくさんあるし。アーティストとしてはまだまだ初めてのことばかりだから、向上心は持っていきたいけど難しい気持ちを抱いている部分もあって。でもやっぱり音楽に救われている毎日があるので、そういうところが結びつくように思います。

――音楽に救われている、という実感がある。

nonoc:そうですね。前までは、歌うことを単純に「楽しいから、やりたい」って思ってたんですけど、これからはプロとしての責任がついてくるので、なかなかうまく歌えなかったりして葛藤する部分もたくさん出てくると思うんです。でもそういう気持ちも隠さずに伝えられるような表現力を持てるようにいま練習してるんだなと思うと、歌うことって楽しくて。だからこそ、仕事にしたくて頑張ってきたんだなって感じますね。

――そんなこの曲、レコーディングで歌われていかがでしたか?

nonoc:レコーディングには中沢さんもいらしてくれたんですが、中沢さんのディレクションって「Relive」のときもそうだったんですけど、一作品一作品への想いがきちんと込められているなということが感じられるんです。しかも、こだわりはあるのに全然嫌味な感じじゃなくて。「もうちょっとできるよね? 頑張れる?」みたいに私のやる気も引き出してくれるし、かつ「一緒にいい作品作りたい」って思わせるようなアツいディレクションをしてくれるんです。


――そのなかで、特に印象に残っていることはありますか?

nonoc:サビの部分が曲の中でも一番盛り上がるところだと思うので、ディレクションでも「力強く歌おう」というアドバイスはありました。サビ頭の〈beat… beat… beat!!〉の部分では、ライブで一緒に盛り上がれたらなと思ってます。

――その部分、1サビは〈beat… beat… beat!!〉で2サビは〈beat! beat! beat!〉と表記が違うものになっています。

nonoc:そこは『あすか』になぞらえて解釈したんですけど、1サビではまだ迷いながらだけど「体に染み付いてる戦いのリズムが聞こえるから、私は戦わなきゃいけないんだ」みたいな気持ちで。〈…〉には、「戦いたくないんだけど、戦わなきゃ救えないじゃん」みたいな葛藤があると思ったんですよ。でも2サビでは、確固たる覚悟を持っているんですよね。しかもそれが〈そしてここに my friends〉からの続きなので、サビ後半の歌詞のように〈平和とは何かも まだわからないまま〉だけど、友達がいるから救わなきゃ……みたいな正義感があふれてる部分だと思ってます。

――そこでの歌声の違いは、自然に出ましたか?

nonoc:短い部分なので、そこだけだとなかなか表現的には難しいんですけど、1サビ・2サビ全体での差がつくようには歌いました。2サビのほうが正義感があって、はっきりとした意志が伝わるようにしましたね。

――そしてこの曲ではMVも撮影されました。こちらは、サウンド感にマッチするダークなものになっていますね。

nonoc「KODO」Music Clip short

nonoc:初めてのMV撮影はすごく楽しかったです。写真を撮られるのは好きなんですけど、映像となると全然表現が違ってくるんだなぁと思いました。それに監督の篠田利隆さんは私が好きで観ていたMVを撮られている方だったんですよ。画像のコラージュの感じとか動かし方とか、全体的なアートワークやデザインの感じも素敵で。撮影日までずーっとワクワクドキドキしてました。

――実際撮影されて、難しい部分などはありましたか?

nonoc:CGを使う部分が多かったので、撮影では想像しながら自分ひとりだけで動かなければいけなかったところですね。仕上げをどうしていくかは事前にお話をお聞きしていたので、自分なりに想像はしたんですけど、なにもないと手持ち無沙汰になっちゃって。そこもこれからまた勉強だなぁと思いますし、「カメラ越しに自分がどう見えてるかを意識して、動けるようになる」っていうのが次への課題だなと思っています。

――今回の経験を、ひとつ糧にして。

nonoc:そうですね。今回も私の意志を反映していただきましたけど、これから先はもっと自分でもこだわりを持って取り組んでいくチャレンジをしていきたいです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる