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アルバム『ココベース』インタビュー

花澤香菜、区切りの年で打ち出した今とこれからの表現「自分が思ってることを全部出してる」

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 花澤香菜が5作目となるニューアルバム『ココベース』をリリースした。昨年のシングル『春に愛される人に私はなりたい』『大丈夫』に続き、佐橋佳幸が全面プロデュースに携わった本作。注目は多彩な作家陣だろう。水野良樹(いきものがかり)、槇原敬之が作詞作曲を手掛けたシングル2曲だけでなく、「マイ・ソング」は山内総一郎(フジファブリック)が、「おとな人間」は橋本絵莉子(元チャットモンチー)が、「パン」は浜野謙太(在日ファンク)が、「ミトン」は作曲を岡村靖幸、作詞を大貫妙子が手掛けている。他にもOKAMOTO’Sやザ・クロマニヨンズの真島昌利といった豪華なメンツが並ぶ。

 結果、ロックテイストの強い一枚となった本作。その制作の裏側、そしてアルバムに込められたメッセージについて、花澤香菜と佐橋佳幸それぞれに話を聞いた。(柴那典)

花澤香菜 インタビュー

筋が通ったものになった 

ーー最初に作曲家陣のラインナップを聞いた時にはまず名前の豪華さに驚いたんですが、アルバムを何度か繰り返し聴いて「なるほど、これは筋が通ってる」と思いました。

花澤香菜(以下、花澤):そうなんです。ありがとうございます。

ーーいろんな人が詞曲を提供しているわけですが、そこにはちゃんと筋が通っていて、その裏側に意志があるアルバムですよね。そして、歌詞まで含めて深く聴き込むと、リスナーもちゃんとそのことが伝わると思います。まず、そのあたりはどうでしょう?

花澤:基本的には、私がもともと聴いてきた人たち、好きな方たちにお願いしているんです。しかも私が30歳になるっていうタイミングで、大きな区切りの年でもあるので、そういうのも含めて歌詞をお願いしているので。とっても筋が通ったものになったと思います。

ーーただ、シングルの『春に愛されるひとに わたしはなりたい』と『大丈夫』の2枚を聴いて「こういうアルバムになるのかな」と予想していたリスナーは、きっといい意味で裏切られるというか、「こうきたか!」と驚くようなアルバムでもあると思うんです。

花澤:そうですね。

ーー花澤さんは最初の段階でこういう全体像のイメージはありましたか?

花澤:いや、全くなかったです。シングルの『春に愛されるひとに わたしはなりたい』は、2018年に私が舞台(地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』)に挑戦することもあって、そういう時に力強く自分を励ませるような曲がいいなっていう思いで作っていったんですね。だから、グッと強い気持ちで前を見つめているみたいな感じだったんですけど、『大丈夫』からちょっとずつ変わっていったと思います。佐橋さんとのタッグもいい感じのコンビネーションになってきていて。セッションしながら私がボーカルを入れる同時録りを沢山してくださるので、アルバムは『大丈夫』以降の息の合ったスムーズな感じがありますね。

ーーこの作曲家陣の並びはどういうリストアップから決まっていったんでしょうか?

花澤:去年の2月に『春に愛されるひとに わたしはなりたい』の記念のコンサート(『KANA HANAZAWA Concert 2018 “Spring will come soon “』)をやったときにカバー曲を歌ったんですけれど。そのカバーの候補曲をいろいろ出してたんですよ。そのリストにフジファブリックとかチャットモンチーとかブルーハーツとかが入っていたので、そこからですね。佐橋さんが「こういうの好きなんだね」って言って、そこから「こういう人たちにお願いできたらいいね」っていう方向になって。それで改めて私から「こういう人たちに書いてほしいです」っていうのをお渡しした感じです。

ーー基本的には花澤さんから「この人の曲を歌いたい」というリストをダメ元で出した。

花澤:そうそう、何も考えずに。私はもともとロックな曲が大好きなんですけれど、このプロジェクトだと私の声を活かす曲を作り続けてきていたので、ロックでアルバムを作るなんてことは今まで考えつかなかったというか、やってこなかったことなので。そういうのも本当に気にしないで選ばせてもらったらこうなりました。

ーーそこから、いろんな人にOKをいただいていく中で、まずワクワクする気持ちがあった。

花澤:それはもうワクワクしますし、佐橋さんがお願いするにあたっても、私に書くというより自分の曲のように作ってほしいとオーダーをされていたので、とってもワクワクしてました。

ーーまさにそうですよね。たとえば山内(総一郎)さんの曲は本当にフジファブリックの曲だし。

花澤:そう! 完全にフジファブリックの曲ですよね。

ーー橋本絵莉子さんの曲は、まさにチャットモンチーの、しかも初期の3人時代の曲のようだと思って。

花澤:本当にそう。だから、ワクワクしっぱなしでしたね。山内さんに至っては3曲候補を送ってきていただいて、どれも「フジファブリックだ!」っていう曲で。どうしようってみんなで悩みながら、これを選ばせてもらったりしたんです。

ーーというわけで、多彩でありつつ、基本的に花澤さん自身が好きなアーティスト、敬愛するアーティストが曲を作るというのが一つのコンセプトになっているわけですね。それに加えて、曲のテーマ設定についても筋が通っている。

花澤:そうですね。自分にとっての30歳をみんなそれぞれに入れてくださってるんです。あと、「パン」なんかは、私の「在日ファンクでパンについて歌いたい」っていう要望が全部通ってしまった結果なんですけど(笑)。

ーー単に作家として曲を提供するっていうよりは、それぞれのバンドの持ち味を出しつつ、コラボレーション的に曲を作るというようなことをやっていった。

花澤:そうですね。特に在日ファンクとかOKAMOTO’Sは一緒にレコーディングさせてもらって、コーラスも入ってもらったりしたんで。

ーーそうやってロックバンドと一緒にレコーディングするのは以前にはなかったですよね。

花澤:そうなんですよ。以前、『透明な女の子』のシングルのカップリングの「雨降りしき」の時に空気公団の窪田(渡)さんのピアノと私だけでっていうのはやったことあったんですけど、それ以降なかなか機会がなかったので。しかも「いつもこういう風に録ってるんだな」っていうバンドの雰囲気で、スタジオで一緒に録らせてもらったので、とっても楽しかったです。

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