PENTAGON×TERU、KEY×TETSUYA、DAY6×生形真一…日韓アーティストコラボが生むシナジー

DAY6「Stop The Rain」×生形真一(ELLEGARDEN、Nothing's Carved In Stone)

DAY6「Stop The Rain」Music Video

 最後に紹介するのは、5人組のロックバンド・DAY6だ。2018年3月に日本で「If〜また逢えたら〜」でメジャーデビューを果たした彼らは、2枚目のシングル曲「Stop The Rain」において、ELLEGARDEN、Nothing's Carved In Stoneのギタリスト・生形真一とタッグを組んだ。日本で人気のあるロックバンドのメンバーがプロデュースを手がけたということで話題になった。

 「Stop The Rain」は、まさにJ-ROCKだ。歪みの効いたギターリフに、低音を響かせた重ためのベースとドラム、それに彩りをつけるシンセサウンド。ポジティブなDAY6らしさを残した良質なJ-ROCKに仕上がっている。ポップバンドとしての印象が強い韓国とは違い、日本ではロックバンドとしてのテイストを強く押し出している印象だ。その後に公開された「Breaking Downにおいてもその路線を貫いている。

 韓国では「信じて聞くDAY6」という言葉があり、彼らの曲と歌詞は共感を得て広く受け入れられ愛されているが、バンド文化が熟している日本において、ロックバンドとして彼らが受け入れられるまでには時間がかかりそうな印象もある。しかし、彼らだけが持つポップなサウンドとポジティブな歌詞がJ-ROCKとうまく合わさった時、他には見られない相乗効果が生まれるのではないだろうか。そんな楽しみもある。

「K-POP×J-POP」のシナジー効果に期待

 様々なタイプの音楽を吸収し、自分たちの音楽文化にしてきたK-POPは広く世界に受け入れられ、今ではビルボードのチャートを賑わせるほどになった。日本進出おいても彼らは日本の音楽についてよく研究しており、“日本ローカライズ”はそういった中で生まれた表現方法の一つなのだろう。

 一方、日本の音楽はよくガラパゴスと言われる。しかし、ヴィジュアル系やシティポップなど、ガラパゴスだからこそ生まれた独特な音楽ジャンルも多くある。

 今回は日本のアーティストが手がけたK-POPの楽曲を紹介したが、今後もこのような形でのコラボレーションが増えて欲しいところだ。お互いがお互いの音楽文化を受け入れたら、今までとは違う世界が生まれるのではないだろうか。音楽に国境はないからこそ、新しいシナジー効果を期待したい。

■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等
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