TWICE、PENTAGON、SEVENTEEN……K-POPグループ“多国籍化”の背景は?
今、K-POPグループの多国籍化が進んでいる。
韓国・チャイニーズタイペイ・日本人メンバーから成るTWICEを筆頭に、NCT 127(韓国・中国・日本・アメリカ・カナダ・タイ)、PENTAGON(韓国・中国・日本)、GOT7(韓国、アメリカ、香港、タイ)、SEVENTEEN(韓国・中国・アメリカ)、JBJ(韓国・中国・日本)。アジアのみならず各国から十人十色の魅力的な個性を持ったメンバーが集まったK-POPグループが、続々と世界に進出している。
1月30日に放送された『クローズアップ現代+』(NHK総合)の特集「韓国から世界デビュー!? スター☆新時代」で、TWICEやBTS(防弾少年団)などが取り上げられた。国境を超えて広がるTWICEの人気の理由のひとつとして、「多くの国と地域」というキーワードがあげられた通り、この多様性とグループの人気度は密接につながっているようだ。
たとえばTWICEは、日本での公演の場合は日本人メンバーである、ミナ・サナ・モモが進行役を務め、他のメンバーもその日のために覚えてきた日本語で、ファンとコミュニケーションをとる。番組のライブ会場でのインタビューでは、日本人メンバーがいることに対し、「親近感が沸く」「日本人メンバーが他のメンバーに日本語を教えて喋ってくれるのがかわいい」と、ファンは答えている。
また、TWICEが所属する事務所<JYPエンターテインメント>のJ.Y.Park氏は、「ファンがスターと結びつきを感じる一番のきっかけは親近感です。特に3人の日本人メンバーとは同じ言語、文化を共有できるわけですから、親近感はさらに増すはずです」と、多国籍であることのメリットを話している。
一方、同番組のスタジオに登場した韓国大衆文化ジャーナリストとして知られる古家正亨氏は、多国籍化について、「クオリティの高いグループを作ること」が背景にあると語る。2000年代のはじめから、韓国の芸能事務所は各地でオーディションをはじめ、才能ある人を世界中から集めようとしているという。韓国の音楽業界が積極的な海外展開を目指す理由としては「韓国の市場規模は、日本に比べると1/10程度であること」、また「日本が世界第2位の音楽市場を持ち、また『冬のソナタ』をきっかけに韓国のエンターテインメントを受け入れやすい環境にあり、日本での成功を足がかりに、世界へ進出することができる」と話した。
2017年に日本デビューを果たしたPENTAGON、MONSTA X、TWICE、BLACKPINK、Wanna One、そして今年に入っても、NCT 127、ONF……と、ここでは紹介しきれないほどに、近年K-POPグループの日本デビューが続いている。BTSやEXOをはじめ、これらのグループは、InstagramなどのSNSでファンと熱心な交流をはかり、インターネット上においてその影響力を拡大させている。TWICEも、前々より動画サイトをきっかけに女子高生の間で“TTポーズ”がブームとなっており、まさに去年6月に待望の日本デビューを果たした。SNSを通して人気が広がり、日本デビュー前からすでに熱狂的なファンが多数ついていることがほとんどであり、ファンイベントなども頻繁に行われている。
番組内では、BTSが、アメリカで行われる3大音楽授賞式のひとつである『アメリカン・ミュージック・アワード』に招待され、そのステージ上でパフォーマンスした様子も伝えられた。新しいグループのあり方として、K-POPグループは今世界の音楽シーンのなかで大きな存在感を発揮しはじめている。
(文=若田悠希)