SWANKY DANKが語る、新体制とポップパンクの先頭を切る覚悟 「団結してシーンを作っていく」

SWANKY DANK、ポップパンクシーンを担う覚悟

 昨年7月末にドラマーが脱退し、3人体制となったSWANKY DANK。しかし止まることなくタイアップ曲を手がけるなどの新たな挑戦を続け、1月23日には、ミニアルバム『WHITE FLAGS』をリリースする。今作のポイントは、原点回帰的な、全編英語詞によるポップパンクチューンが3曲収録されたことだ。タイトル曲「White Flag」は、スピード感のあるビートとキレのあるギターリフで、キャッチーなシンガロングで風を切り裂いていくパワーのある曲となった。これからのライブでの定番曲として、強い存在感を放ちそうな曲であり、今の3人のアグレッシブなモードが映っている。今作リリースに先駆けてスタートしているツアーでも、感触は抜群だという。

 新体制となった今、SWANKY DANKとしてどんな思いを抱え、作品へと向かったのか。改めて彼らが掲げるポップパンクシーンの現状やシーンにおけるバンドのスタンスなど、KOJI(Ba/Vo)、KO-TA(Gt/Vo)のふたりに話を聞いた。(吉羽さおり)

もう一回、原点に帰ってやってみよう(KO-TA)

ーードラマーが脱退し、新体制となってのミニアルバム『WHITE FLAGS』が完成しました。昨年7月31日の新宿LOFTでのライブが4人体制での最後のライブとなりました。そこからは、どういうふうにバンドが進んでいったんですか。

KOJI:まずは、ドラマーを探さなきゃいけないというところからスタートをして。知り合いのドラマーだったり、いろんな人に頼んでみて、ドラマーを決めてから制作がはじまっていくという感じでしたね。曲のネタはちょっと前からあったんですけど、そこから全部がはじまっていったので、最終的にはタイトなスケジュールでしたね。タイトかつ、今までは4人でやっていたところから、ひとり欠けるというのは相当でかくて。ドラムのフレーズだったりも任せていた部分があったので、そこを全部自分たちで考えたりというので、結構時間はかかりましたね。

ーードラマー探しはどのくらいかかったんですか。

KO-TA:前のドラムが辞めると決まった時点から探しはじめてはいたので、そこから2カ月後くらいには、脱退後のサポートということで前もって決まってはいたんです。それでスタジオにも入ったので、スムーズには移行できたかなとは思いますね。

ーー新体制で進んでいく、その最初の作品はどういうものにするかというのは、メンバー内でも話はしたんですか。

KOJI:3人になってから、話す機会は多くなってますね。4人のときは、暗黙の了解でそれぞれやることが決まっていたというか。それがひとり欠けることで、よりバンドのことを話し合うようにもなって、そのいいきっかけだったかなと思いますね。楽曲に関しては、自分たちが100パーセントかっこいいと思えるものを作っていこうというコンセプトでしたね。もちろん、今までがそうじゃないわけじゃないですけど。3人になって、より親密になっていくなかで作り上げていくものは変わっていくものだし、3人で団結して作り上げていく感じは、今まで以上にあったのかなって思いますね。

ーーメンバーが変わることでの不安感はなかったですか。

KO-TA:若干はありましたけど、やるしかなかったので。じゃあ今この3人で何ができるのかというのを話し合って、考えていったので。大きな不安というのは、僕はなかったですね。

ーーこうしてメンバーで話し合うということはこれまであまりなかったんですね。

KOJI:深いところでがっつり話すのは久しぶりだったのかなと思いますね。やっぱり俺とYUICHIは兄弟でもあるし、そこでしっかり話さなくてもわかっちゃうみたいなところもあって。言葉にして、意思疎通をしていくのは久しぶりだったかもしれない。

ーー言葉にすることで何か、SWANKY DANKについて再認識すること、感じることはありますか。

KO-TA:3人になってどういうのがやりたいんだろうっていう話をしたときに、もう一回、原点に帰ってやってみようというところではありましたね。それでできたのが、英語詞の3曲で。ただそこに関しては、すごく話し合ったというよりは、アイデアを出し合って、それが自然にまとまってきたものだったんですけど。

ーーでは、曲作りは順調に?

KOJI:これが、結構大変でしたね(笑)。

KO-TA:はははは(笑)。

KOJI:作ってはぶっ壊すという感じでやっていったので。メロを考えるのが迷ったというか、ずっと作り続けてたよね。

KO-TA:一生続くのかっていうくらい。

KOJI:レコーディングの前日までプリプロを作っていたりして。

ーーこれというものを作るという力が入った?

KOJI:もっとあるんじゃないか、もっとあるんじゃないかって変えて、KO-TAに聴かせたら、「いや、前の方がよかったんじゃない?」って言われて、また前の形に戻したり。やれるところまでやりたいという思いが強くて。それで壊しては戻して、壊しては戻してという繰り返しで。

KO-TA:だから、最初の形からガラッと変わった曲もありますし。でも今回、そうやっていろいろなパターンを出してできたのはよかったなと思いますね。

ーー今回のキーとなる曲がタイトル曲「White Flag」だと思いますが、ストレートなポップパンクチューンであり、バンドの反骨心が打ち出された曲ですね。

KOJI:これはもともと1コーラス分のネタをYUICHIが持ってきて、それをみんなで聴いて、アレンジをみんなで作っていくという作り方をしました。今までは、YUICHIはYUICHIで勝手に作って、俺は俺で勝手に作ってという、それぞれの形だったんですけど。そういえば、これまで合作みたいなことはしてなかったなと思って作った曲でしたね。

ーーポップでキャッチーで、疾走感もあり、シンガロングパートもありといういい面が詰まっています。

KOJI:嬉しいですね。この曲は全体的にこだわってはいるんですけど、とくに個々の良さがすごく出たなと思っているのが、KO-TAのギターソロで。KO-TAから「できたから聴いて」って言われて聴いた瞬間に、「イエーイ」ってなるくらい。とんでもないギターソロがきて(笑)。

KO-TA:(笑)。レコーディングでは、僕は基本的にギターソロのときは何も考えずにその場でアドリブで弾くことが多いんですけど。この曲に関しては、ちょっと作り込んでいこうかなと思って。尺もあったので、起承転結を考えてレコーディングしたんです。そのときふたりは別の作業をしていていなかったので、どんなギターソロにしたのか知らないまま録って大丈夫かなとも思ったんですけど。

KOJI:ヤバかったですね、歌うねえっていう(笑)。

ーーキャッチーさがある曲なだけに、熱いギターソロが飛び込んでくるのが、インパクトも強くてよかったです(笑)。

KO-TA:こういうポップな曲ってギターソロもポップなことが多いんですけど。あえてそこは、思い切りいった方が歌が映えるかなと。そのメリハリをつけたいなと思いましたね。

ーーそういうところで3人それぞれの個性が出るわけですね。

KOJI:そうですね。この曲はツインボーカルも押している曲なので。俺とYUICHIの声の違いも、ふんだんに入っています。

SWANKY DANK / White Flag【Official Video】

ーー歌詞についてはどういう思いを込めようと?

KOJI:まず『WHITE FLAGS』というタイトルは、白い旗といっても降参するということではなくて、平和の象徴や、白ければここからいろんな色をつけていくことができるという意味合いがあるんです。前回のアルバム『Smokes』に「Colors」という曲があるんですけど、それともリンクさせていますね。『Smokes』は狼煙を上げるという意味でつけたんですけど、狼煙を上げた次は、戦いが待ってる。だからこそ旗を掲げて、でも余計な争いはしたくないから白い旗を俺らは使うんだという意味で、『WHITE FLAGS』とつけたんです。

ーーアルバムとも地続きであるということですね。この“WHITE FLAGS”というワードが出てきたのは、早い段階から?

KOJI:そうですね。最初にアルバムタイトルとして『WHITE FLAGS』というテーマができてから、「White Flag」の歌詞をYUICHIが書き上げたので。今回は本当に、みんなで話し合って作ったという感じなんです。『Circles』(2014年)というアルバムがあるんですけど、あのアルバムに近い感覚で作っていったところはあるかもしれない。いい意味でも悪い意味でも、暗黙の了解でやっていた部分を、あえて言葉にすることで懐かしい感じもしながら(笑)。ああ、こんな感じだったなって思いながらやってますね。

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