petit milady『大プチミレ展リターンズ』レポート
petit milady、多彩な歴代衣装に刻まれた5周年の軌跡 『大プチミレ展リターンズ』潜入レポ
悠木碧と竹達彩奈による声優ユニットpetit milady(以下、プチミレ)が、11月28日から12月6日までアニメイト池袋本店9F アニメイトホールにて展示会『大プチミレ展リターンズ』を開催している。
今年で結成5周年を迎えたプチミレ。同展示会は、2016年7月に行われた『大プチミレ展』の続編企画となっており、前回開催時の最新アルバム『CALENDAR GIRL』から12月18日リリースとなる最新アルバム『Howling!!』までを中心に、ジャケット写真やMV、ライブで使用された衣装&小道具、初公開の資料などが大ボリュームで展示されている。
衣装や写真で見るプチミレの歴史
ファッショナブルなものから面白さを追求した突飛なものまで、プチミレならではの振り幅の大きな衣装から彼女たちの歴史を感じることができる。
デビューシングルで着用した「100%サイダーガール」の衣装が出迎え、そこから『CALENDAR GIRL』ゾーンへ。プチミレおなじみの被り物シリーズとして圧倒的インパクトを誇る向日葵型衣装(「向日葵の坂道」MV着用)からはじまり、「100%サイダーガール2017」MVで使用されたサイダーをイメージしたファンシーなドレス、某配管工兄弟をオマージュした衣装はライブ時に英国風チェック柄パンツルックへと様変わりした。そして3rdライブ『小さな淑女と森の愉快な仲間たち~ムッチュ☆森へ還る~』のコンセプトを踏襲した赤ずきん風のライブ衣装など……当時の思い出を時系列で、まとめて振り返ることができるのも展示会ならではの醍醐味と言える。
また、衣装の近くには当時のライブ写真やジャケット写真が展示されており、より記憶を鮮明なものにしてくれる。ほかにも、『petit miretta』収録の特典映像「密着プチミレディ『織ピメとピコ星がネトゲで毎晩チャットしている件』オーディション」 用に作成された架空のアニメ『織ピメとピコ星がネトゲで毎晩チャットしている件』の設定資料など、マニアックなものまで用意されているのはファンにとって嬉しいポイントだ。
ファッション好きも楽しめる衣装
プチミレならではの魅力としてあげられるのが、作品ごとに作り込まれたコンセプチュアルな世界観だろう。MVやアルバムの曲構成にもそれが顕著に表れているが、今回並んでいる衣装を見てもプチミレがファッションやビジュアル面に力を注ぎ、様々なアイデアを盛り込んでいることが見て取れる。
特に童話をモチーフにしたアルバム『petit miretta』は、これまで以上に衣装に力が入っている印象だ。4thライブ『ラ・プチミレッタ~小さな淑女の童話歌劇』で着用された衣装は、狼の被り物に目がいってしまいがちだが、赤ずきんと狼の一幕をモチーフにした絵柄に灰色のファーをドッキング。ファッショナブルなドレスと可愛い狼の被り物のアンバランス感は、様々な童話をミックスしたステージにもよく映えていた。
展示の中でも特に華やかさで目を引いたのは、『petit miretta』収録曲「ぼくのティンカーベル」MVで使用された妖精風の衣装。グリーン系統の花をあしらったコルセットにはレースやビジューで細やかな装飾が施されているほか、同系色のグラデーションが鮮やかなスカートとファンシーな羽、星型ステッキに至るまで、妖精というテーマをロリータ風ドレスで表現。MV自体は、唐突に半裸のマッチョマンが登場するなど遊び心が効いているが、衣装では可愛いが突き詰められている。
一方、最新アルバム『Howling!!』のジャケットで着用されている衣装は、チェック柄を基調としたスタイリッシュなファッションに。パンキッシュなイメージが強い切り替えしで様々な色のチェック生地をあしらっているところや、アクセントとしてゴールドを入れていることからも、本アルバムのテーマである“ロック感”が出ている。そんな尖ったイメージもありつつ、胸元にベロア生地でハート風デザイン、袖口とスカートがフリルになっているなど、細かいところにガーリーな要素がちりばめられているのもポイントだろう。
そのほか、向日葵型衣装を筆頭に、「世界中が恋をする夜」のウサギの着ぐるみ風衣装、「360°星のオーケストラ」MVで某宇宙人と某少年に扮した衣装、「Howling」MVのハチ型着ぐるみといった斜め上をいく衣装も、プチミレやムッチュ☆(プチミレファンの呼称)を愛する大人たちの“まじめにふざけてみました”感が伝わってくる凝った作りになっている。
普段は画面越しやステージの上でしか見られない衣装も、至近距離で見ることによってクオリティの高さはもちろん、細かな部分から楽曲のサイドストーリーを感じることができる。また、ディテールや生地感まで計算されて丹念に作り込まれた衣装は、ファンのみならず、ファッション好きな人が見ても楽しむことができるはずだ。