乃木坂46はこれからどこへ向かう? 6thアニバライブからグループの“存在意義の変化”を紐解く

乃木坂46はこれからどこへ向かう? 6thアニバライブからグループの“存在意義の変化”を紐解く

 そして、充実期を迎えて久しい選抜メンバーの表現にも、これまでとは違う視野がうかがえた。セットリスト中に高い割合で配置されたシングル表題曲はいずれも貫禄と現在の好調さを感じさせるパフォーマンスだったが、新たな視界の獲得という面で象徴的だったのは、2会場同タイミングによる“シンクロニシティ”型の披露となった「制服のマネキン」である。

 「制服のマネキン」は、当時10代の生駒里奈を大前提とした想像力のもとで育まれてきた楽曲であり、以降も生駒が在籍している限りは常に、彼女の圧倒的な求心力を礎にしてパフォーマンスされてきた。生駒の卒業後もグループの代表曲のひとつであることは変わらないが、齋藤飛鳥を中心に白石麻衣や西野七瀬らが主導する現行の「制服のマネキン」は、同曲が作られた時点での志向性を超えたものになっていた。

 何年もの実績を積み上げてトップグループになったメンバーたちのパフォーマンスは、この楽曲が当初想定していた世界観よりもずっと成熟した表現になっている。いわば神宮球場/秩父宮ラグビー場での「制服のマネキン」は、初期乃木坂46の代表曲を、プロとして幾年も過ごした本人たち自らが換骨奪胎して作り変えるような趣をみせていた。これはグループの絶対的な象徴が去ったのちの乃木坂46像としても、とても興味深い進化だった。乃木坂46の“今”が強調されたことで、従来のバースデーライブとはまた異なる仕方でグループの過去から未来までを見通すことができる。

 もちろん、そうした進化は生駒センター期の乃木坂46を知らなければ面白みが伝わらないというものではない。最も外部に開かれたメンバーたちによる上演は、明快なメジャー感を誇っている。

 異例の会場規模や動員数も、3日間の目玉としてある両会場同タイミング楽曲披露という大掛かりな企画も、現在の乃木坂46がもつ広い層への訴求力を物語る、「外向きのお祭り」のための要素としてある。かつてとは社会的な位置づけが変わったことで、バースデーライブの存在意義もまた形を変えた。グループの最重要イベントであり続けてきたバースデーライブには来年以降、どのような視界が託されるのか。

(画像提供=(C)乃木坂46LLC)

■香月孝史(Twitter
ライター。『宝塚イズム』などで執筆。著書に『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』(青弓社ライブラリー)がある。

<セットリスト>
乃木坂46『真夏の全国ツアー2018 〜6th YEAR BIRTHDAY LIVE〜』
2018年7月6日(金)〜8日(日)明治神宮野球場&秩父宮ラグビー場 セットリスト
※曲名後の(明)は明治神宮野球場、(秩)は秩父宮ラグビー場で披露された楽曲。特に表記がない場合は2会場共通。

7月6日
00. Overture
01. 自惚れビーチ(明)/裸足でSummer(秩)
02. 13日の金曜日(明)/夏のFree&Easy(秩)
03. 新しい世界(明)/太陽ノック(秩)
04. 風船は生きている(明)/今、話したい誰かがいる(秩)
05. アンダー(明)/何度目の青空か?(秩)
06. 走れ!Bicycle
07. ロマンスのスタート
08. DANCEナンバー
09. 制服のマネキン
10. 命は美しい
11. いつかできるから今日できる(明)/あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(秩)
12. ガールズルール(明)/シークレットグラフィティー(秩)
13. 雲になればいい(明)/誰よりそばにいたい(秩)
14. でこぴん(明)/僕の衝動(秩)
15. 釣り堀(明)/トキトキメキメキ(秩)
16. Threefold choice(明)/三番目の風(秩)
17. 誰よりそばにいたい(明)/逃げ水(秩)
18. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(明)/いつかできるから今日できる(秩)
19. シークレットグラフィティー(明)/ガールズルール(秩)
20. 僕の衝動(明)/雲になればいい(秩)
21. トキトキメキメキ(明)/でこぴん(秩)
22. 三番目の風(明)/釣り堀(秩)
23. 逃げ水(明)/Threefold choice(秩)
24. 何度目の青空か?(明)/自惚れビーチ(秩)
25. 今、話したい誰かがいる(明)/新しい世界(秩)
26. シンクロニシティ
27. 太陽ノック(明)/13日の金曜日(秩)
28. 夏のFree&Easy(明)/風船は生きている(秩)
29. 裸足でSummer(明)/アンダー(秩)
30. 君の名は希望

<アンコール>
31. インフルエンサー
32. ハウス!
33. ダンケシェーン
34. 乃木坂の詩

7月7日
00. Overture
01. 裸足でSummer(明)/自惚れビーチ(秩)
02. 夏のFree&Easy(明)/風船は生きている(秩)
03. 太陽ノック(明)/13日の金曜日(秩)
04. 今、話したい誰かがいる(明)/新しい世界(秩)
05. 気づいたら片思い(明)/アンダー(秩)
06. 走れ!Bicycle
07. ハウス!
08. DANCEナンバー
09. 制服のマネキン
10. 命は美しい
11. 誰よりそばにいたい(明)/バレッタ(秩)
12. ここにいる理由(明)/ガールズルール(秩)
13. My rule(明)/Rewindあの日(秩)
14. 思い出ファースト(明)/あらかじめ語られるロマンス(秩)
15. 未来の答え(明)/オフショアガール(秩)
16. 三番目の風(明)/やさしさとは(秩)
17. 逃げ水(明)/ここにいる理由(秩)
18. バレッタ(明)/My rule(秩)
19. ガールズルール(明)/誰よりそばにいたい(秩)
20. Rewindあの日(明)/思い出ファースト(秩)
21. あらかじめ語られるロマンス(明)/未来の答え(秩)
22. オフショアガール(明)/三番目の風(秩)
23. やさしさとは(明)/逃げ水(秩)
24. 自惚れビーチ(明)/気づいたら片思い(秩)
25. 新しい世界(明)/今、話したい誰かがいる(秩)
26. シンクロニシティ
27. 13日の金曜日(明)/太陽ノック(秩)
28. 風船は生きている(明)/夏のFree&Easy(秩)
29. アンダー(明)/裸足でSummer(秩)
30. 君の名は希望
<アンコール>
31. インフルエンサー
32. ロマンスのスタート
33. ロマンティックいか焼き
34. 乃木坂の詩

7月8日
00. Overture
01. 自惚れビーチ(明)/裸足でSummer(秩)
02. 13日の金曜日(明)/夏のFree&Easy(秩)
03. 新しい世界(明)/太陽ノック(秩)
04. 風船は生きている(明)/逃げ水(秩)
05. アンダー(明)/サヨナラの意味(秩)
06. 走れ!Bicycle
07. ダンケシェーン
08. DANCEナンバー
09. 制服のマネキン
10. 命は美しい
11. きっかけ(明)/不等号(秩)
12. ガールズルール(明)/シークレットグラフィティー(秩)
13. あの教室(明)/誰よりそばにいたい(秩)
14. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?(明)/僕の衝動(秩)
15. 低体温のキス(明)/トキトキメキメキ(秩)
16. 意外BREAK(明)/三番目の風(秩)
17. 誰よりそばにいたい(明)/インフルエンサー(秩)
18. 不等号(明)/きっかけ(秩)
19. シークレットグラフィティー(明)/ガールズルール(秩)
20. 僕の衝動(明)/あの教室(秩)
21. トキトキメキメキ(明)/僕が行かなきゃ誰が行くんだ?(秩)
22. 三番目の風(明)/低体温のキス(秩)
23. インフルエンサー(明)/意外BREAK(秩)
24. サヨナラの意味(明)/自惚れビーチ(秩)
25. 逃げ水(明)/新しい世界(秩)
26. シンクロニシティ
27. 太陽ノック(明)/13日の金曜日(秩)
28. 夏のFree&Easy(明)/風船は生きている(秩)
29. 裸足でSummer(明)/アンダー(秩)
30. 君の名は希望
<アンコール>
31. ロマンスのスタート
32. 転がった鐘を鳴らせ!
33. 三角の空き地(明)/ジコチューで行こう!(秩)
34. 乃木坂の詩
35. ジコチューで行こう!(明)/三角の空き地(秩)
36. ハウス!
37. おいでシャンプー
<ダブルアンコール>
38. ガールズルール

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