乃木坂46はこれからどこへ向かう? 6thアニバライブからグループの“存在意義の変化”を紐解く
乃木坂46が毎年恒例にしているバースデーライブは、6回目を迎える今年、これまでと大きく様相を変えた。7月6~8日に明治神宮野球場と秩父宮ラグビー場の2会場を用いて行なわれた『真夏の全国ツアー2018 ~6th YEAR BIRTHDAY LIVE』が示したのは、これまで「内向きのお祝い」としての要素を多く含んでいたバースデーライブを、いわば「外向きのお祭り」へと作り変えてゆくような進化だった。
従来のバースデーライブは、ライブ開催時点までのリリース楽曲すべてをパフォーマンスするコンセプトのもとに組み立てられてきた。それこそが乃木坂46のバースデーライブのアイデンティティであったし、ひとつのライブを通じてグループの歴史を幾度も追体験するその企画には、特有の達成感と貴さがあった。
ただし同時に、それはどこまでも内向きの歴史をたどるという性格を持ち続ける。披露する楽曲数は年を追って必然的に増加し、ライブが3日間に分割された2016年以降はそれら全楽曲を各日に振り分けるために、一公演単位での完成度をどこに求めるか、シングル表題曲をいかに分散させるのかという課題も生まれることになった。
今年の3日間では、グループの歩みを隅々まで共有することに重きを置いてきたバースデーライブ恒例のセットリストを手放すかわりに、夏仕様の大規模ワンマンライブとして内容を一新させた。2年ぶりに『真夏の全国ツアー』の日程中にバースデーライブを組み込み、現行最新シングル『シンクロニシティ』の選抜/アンダーメンバーのチーム分けを基軸にしたライブ構成は、実質的には“今”の乃木坂46を表現するワンマンライブだったと言っていい。