香取慎吾、SMAPで育まれた“戻れる場所”という感覚とともに歩んだ40年 受け取り、手渡し、新しい世代へ継承される安心

 香取慎吾が全国のまだ知られていない穴場観光地を探す、調査旅バラエティ『三ツ星☆MAP』(テレビ東京)。7月18日に放送された第2弾が、7月23日より配信スタートした。それに先駆けて話題を集めたのが、公式Xに投稿された未公開映像だ(※1)。

 日向坂46を2025年8月に卒業した富田鈴花が、「今まではグループのためになんでも頑張ってたんですけど、ひとりになった瞬間に自分のために頑張るのって難しい」と、アイドルとしてグループからソロへと活動の形が変わったときの感覚を話す。

 すると、香取は「面白い」とリアクション。そして、「考えたことないな。『グループのために』なんて、思ってなかったかな」と、SMAP時代に思いを馳せた。そして、香取にとってグループは「なんか失敗したり、なんかツラくても、ここに戻れる」と感じられる場所だったと続けたのだ。

 思えば、香取が芸能活動を始めたのは小学生の頃。SMAPのなかでも最年少だった。きっと年上のメンバーと同じように、あるいはそれ以上に、テレビの世界で期待に応えなければというプレッシャーや不安があったことだろう。それは、グループとして大舞台に立つときはもちろん、そこから離れてひとりで何かに挑むときには、なおさらだったはずだ。だからこそ、グループが「何かあっても大丈夫」と落ち着ける場所だったというのも、想像にかたくない。

 「今、芸歴は?」という問いに、「40年ぐらいかな?」と返す香取。その答えに思わず周囲から笑いがこぼれるのは、数字が表す大御所感に似つかわしくない親しみやすさがあるからかもしれない。当時はまだ珍しかったアイドルのバラエティの世界への参入にも果敢に挑み、笑いに真正面から向き合った。なかでも香取は、ロケバラエティに積極的に取り組み、“慎吾ママ”を筆頭に多くのキャラクターに扮してきたことでも、誰も進んでこなかった道を切り拓いてきた印象だ。

 それができたのも、戻れる場所があったから。「グループのためっていうより、自分のためだったのかもね」と言い切れることからも、SMAPが実家のような揺るがない場所だったことが伝わってくる。自分が引っ張るのではなく、自分の挑戦を見守ってもらえる。そうして、メンバー一人ひとりがそれぞれにトライし、突き抜けてきたからこそ、SMAPは今も特別なグループとして多くの人の記憶に残り続けているのかもしれない。

 そのSMAPは2016年末に解散し、グループとしての活動に幕を下ろした。けれど、そこで積み重ねてきた時間や関係性まで失われたわけではないと、香取の今を見ていて感じる。多くのファンにとっても、SMAPという存在が簡単には過去形にできないものであるように、香取を支えてきた“戻れる場所”という感覚は、形を変えながら今も息づいているのではないだろうか。

 2017年に稲垣吾郎、草彅剛とともに広げた新しい地図。3人は「新しい地図はグループではない」と明言してきた。その違いについて、香取はかつてインタビューで、「2人がいい仕事をしていると『うらやましいな』とか『自分もちょっとやってみたいな』って感じるようになったかも。だから、今はグループじゃないんだなって」と語っていた(※2)。

 一方で、「ファンミーティングのときには、ちょっとグループ感はあります」とも話していた。SMAPと新しい地図は、決して同じではない。でも、それぞれが自分なりに挑戦し、その経験を持ち寄り、また横に並ぶという関係性には、香取が長年大切に思ってきた、ホームとしての安心感が受け継がれているように見える。

 同じ形であり続けるのではなく、今の自分にとって必要なものが残っていく。そして、SMAPで育まれた“戻れる場所”という感覚は、新しい地図のなかで現在へ受け継がれ、さらに香取慎吾というひとりの表現者を通して、新しい世代へと静かに手渡されているのではないか。

 香取の主演映画『高校生家族』(2027年1月8日公開)で、本田望結と10年ぶりに芝居で共演することが先日、発表された。ふたりが初めて共演したのは、2015年放送のドラマ『一千兆円の身代金』(フジテレビ系)だった。本田はその後も、『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)で香取と再会し、香取のファンであることを隠さず語ってきた。今回、本田は出演発表に際して、「憧れの香取慎吾さんと、10年ぶりのお芝居。色んな意味で、ドッキドキの毎日でした(笑)。皆さんと語りたいことがたくさんです!公開を心待ちにしています!」とコメント(※3)。「憧れ」という言葉と、「10年ぶり」という時間。そのふたつが並ぶだけで、この再共演が特別な意味を持つことが伝わってくる。

 
 
 
 
 
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 子役だった本田は、ひとりの俳優として香取の前に戻ってきた。それは、香取が何か特別な導きをしたということではない。ただ、変わらず第一線に立ち続け、再び同じ作品で会える場所にいた。気づけば香取自身が、かつて共演した子役たちや、新しい世代の表現者たちにとっての“戻れる場所”になりつつあるように思うのだ。

 SMAPという場所で受け取った安心を、今度は自らが誰かへ手渡していく。それは言葉で教えることではなく、歩みを止めず、そこに立ち続けることで受け継がれていくものなのかもしれない。40年という芸歴は、香取が守られてきた時間であると同時に、誰かを迎え入れられる存在になってきた時間でもある。

 アイドルとは、夢を見せる存在だ。けれど、本当の意味で人を支えるアイドルとは、何年たっても変わらずそこにいて、「おかえり」と迎えられる人なのかもしれない。戻れる場所に支えられ、やがて自らが誰かの戻れる場所になる。その継承を40年かけて体現してきたことこそ、香取慎吾が“パーフェクトビジネスアイドル”と呼ばれる理由なのではないだろうか。

※1:https://x.com/MitsuboshiMap/status/2079491573252059355
※2:https://realsound.jp/2023/01/post-1225954.html
※3:https://kokosei-kazoku-movie.jp/news/16/

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