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「テレビが伝える音楽」第6回:『シブヤノオト』チーフプロデューサー・大塚信広氏

『シブヤノオト』チーフプロデューサーが語る、局の垣根を越えて『ANN』とコラボする意義

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 本日5月3日深夜に、NHKの音楽番組『シブヤノオト』が、ラジオ番組『岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)とタッグを組んだコラボSPを同時生放送する。『シブヤノオト』は、“音楽がもっと楽しくなる”をコンセプトに、アーティストの素顔や音楽制作の裏側など、最新の音楽と情報を、文化の発信地である東京・渋谷から伝えていく音楽番組。これから話題になる若手アーティストから国民的人気アーティストまで幅広くラインナップすることで、若い世代を中心に話題を集めている。

 今回リアルサウンドでは、注目すべき音楽番組に焦点をあてていく連載『テレビが伝える音楽』の第六回として、『シブヤノオト』でチーフプロデューサーを務める大塚信広氏にインタビュー。番組立ち上げの経緯や、アーティストをブッキングする際に意識していること、そして今回の局の垣根を越えたコラボレーションの意義などをじっくりと語ってもらった。(編集部)

「SNSでの発信も音楽番組の楽しみ方の一つ」

大塚信広氏

――まずは音楽番組『シブヤノオト』が制作されるまでの経緯を教えてください。

大塚信広(以下、大塚):音楽番組の新たな楽しみ方を特に若い世代の人たちに提示するような番組を作ろうとなって、制作チームとしては音楽、そして若い人たちと親和性の高いデジタルツールを取り入れて番組制作しようと考えました。そこで立ち上がったのが『シブヤノオト』です。『シブヤノオト』が始まった当初は生放送だったので、渡辺直美さんにはライブストリーミングの司会としてご参加いただいていました。ライブストリーミングは、テレビ生放送と同時進行で、パフォーマンス後のアーティストの様子などをインターネットを通じて配信するというものです。

――デジタル面で言うと、『シブヤノオト』はTwitterやLINEも盛んに活用していますよね。生放送されていた時に、視聴者の声がリアルタイムでテロップに表示されるのも印象的でした。なぜデジタル面にフォーカスを当てようと思ったのでしょうか?

大塚:今後、時代的にデジタル面を取り入れていく必要性があるというのが一つです。ロイヤルカスタマーの皆さんが見たいと思う番組作りはもちろんなのですが、今NHK全体として、若年層にどうしたら見ていただけるかという課題があります。そういった面でもデジタルは重要になってくるんじゃないかなと。単純に「NHKで音楽番組『シブヤノオト』をやってます!」だけだと、とっかかりにくいというか……。TwitterやLINEを使って告知することで、若い層が親しみやすくなり、普段NHKを見ない方たちにも広げていけるため、SNSを利用しはじめました。

――番組放送時にはTwitter上で関連のツイートをよく目にします。SNSを活用したことにより、今までと違った反響や影響もあったのではないでしょうか?

大塚:番組のアカウントで発信したものに対して、反応がリアルタイムで目に見えるので、どういうことをやると興味を持っていただけるのかがわかりやすくなりました。番組でアカウントを持っていないと、良し悪しの基準が視聴率というテレビの指針だけで計られてしまうことがほとんどなので……。また音楽番組は、見ながらSNS上に感想をつぶやく視聴者が比較的多い印象です。SNSでの発信も音楽番組の楽しみ方の一つになっているように感じます。

ーーほかにも若い世代に届けるために何か取り組んでいることはありますか?

大塚:局内で“『シブヤノオト』をどうやって若い人たちに届けるか”というプロジェクトがあり、その一環として大学生の皆さんにグループインタビューを行っています。毎回放送後に、「どうでしたか?」「どこで飽きましたか?」などと番組の感想を尋ねているんですよ。NHKはCMがないので、切り替わり方やテンポ感も気になるところで、チャンネルを変えたくなったポイントや普段聞けない他局のことなどもフラットに話していただいています。また番組の内容以外でも、今流行っている音楽や、テレビを見る時のSNSの使い方など、彼らの言葉を参考にして取り入れている部分もありますね。

――番組内の企画においても若い世代を飽きさせない工夫が凝らされているように感じます。たとえば、トークコーナーやライブパフォーマンスのほかに、大喜利やレコメシなどのコーナーも設けられていますよね。ほかの音楽番組にはない『シブヤノオト』ならではの企画はどうやって生み出されているのでしょうか?

大塚:今年の4月からリニューアルしたことで、生放送ではなくなり、前以上に企画がやりやすくなりました。編集番組になったので、様々な企画をやってみようという方針がより強くなり、今までは出演していただくアーテイストに合わせた企画をやっていたのですが、リニューアル後は企画を前面に押し出した番組作りをしています。「『シブヤノオト』って“レコメシ”という食事の企画がある音楽番組だよね」などと言ってもらえるようになるのが理想ですね。

――ではアーティストをブッキングする上で意識しているポイントはありますか?
大塚:まだ早いんじゃないかと思われるような若手アーティストにも積極的にオファーしています。

――確かに、2016年4月24日の放送回に出演したとけた電球や2017年10月21日の放送回に出演したCHAIもそうでしたね。そういった若手アーティストはどうやって選んでいるのでしょうか?

大塚:大抵の場合『シブヤノオト』の番組チームが、それぞれ足を運んだライブで、よかったと思ったアーティストの名前をまず挙げていきます。その上で知名度や認知度を加味して選んでいくという感じです。もちろん全く知られていなくても素晴らしいアーティストはたくさんいるのですが、「このアーティスト詳しくは知らないけど、名前は聞いたことある!」くらいのラインだとSNSでも話題になりやすく、より多くの方々に届きやすいので、その辺りを探っています。

――企画や出演アーティスト以外にも、徳井義実(チュートリアル)さんと渡辺直美さんのMCが印象的です。音楽に対するコメントと笑いの塩梅が絶妙で、アーティストとの距離感も近すぎず、視聴者目線で番組を進行しているように感じます。

大塚:近すぎると視聴者をほったらかして内輪になってしまうので、司会のお二人はすごく意識されているようです。またNHKの音楽番組という点も考えてくださっているのかなと。あと意外にお二人とも人見知りなので、自ずとあの距離感が生まれている部分もありますね(笑)。

      

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