稲垣、草なぎ、香取が映画『クソ野郎と美しき世界』監督たちと共にした“特別な挑戦”
稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による“新しい地図”の映画『クソ野郎と美しき世界』。その公開日が、いよいよ4月6日に迫ってきた。3月20日には東京・ 日比谷にPOP UP SHOPがオープンし、オフィシャルブックを発売。 3月24日には本予告編が公開されるなど、映画の世界観が少しずつ明らかになっていくにつれて胸が高鳴ってくる。それは、この映画が彼らにとって大きな挑戦だとわかるからだ。
「危うさとか、不安定さとか、それこそ“クソ野郎”な部分は、より大事にしなくちゃ」(稲垣)、「同じことをしていたら、現状維持すらできないんだっていうことなんです」(草なぎ)、「爆発してぶっ壊して、死ぬまで“俺はアイドルだ!”って言い続けたい」(香取)
オフィシャルブックに綴られた、彼らの言葉のなんと力強いことか。3人を見ていると、 何かに挑み続けることが人を輝かせ続けるのだと改めて実感する。エンターテインメントは創造と破壊、そして再構築の繰り返し。その儚い泡沫のきらめきだからこそ、見る者の心を奪い、共有した時間が特別なものになるのだろう。そしてこの映画は、彼らのみならず、各エピソードでメガホンを取った監督にとっても、特別な挑戦になるものだったのではないだろうか。
「無理してでもやっておこうと思って」。園子温は、スケジュール的に厳しくオファーを一度は断ったという。だが、どうしても手放せなかったのが稲垣吾郎と「もう1回やりたい」 という思いだった。
「僕は俳優さんに当て書きをしないと脚本が書けないタイプではありますが、誰にでも書けるわけではありません。でも確実に書きたくなる俳優さんはいる。香取さんはまさに、そういう刺激的な存在なのです」。山内ケンジは何週間もオファーの返事を保留し、プロデューサーをヒヤヒヤさせたそう。だが、上がってきた脚本は、歌を失いそうになるアーティストの主人公に香取の“今”を重ねた、まさにこのタイミングでしか描けないものだった。
「伝説を作ってきた人たちが歩いて行くその先にはなにがあるのか、僕も見てみたい」。コメディアンの太田光が、映画監督を務めるのは27年振り。最も映画的なエピソードだからこそ太田にオファーした、とは実に新しい地図らしい。太田自身、監督として経験した過去の苦い思い出をバネにして挑んだという本作に、期待が高まらないわけがない。
「お金を払って観てもらう映像を作るのは初めてなんです」。CMやミュージックビデオなどを多く手がけてきた児玉裕一は、今回“映画を撮ってみたいと”言っていた夢を叶える形になった。だが、その心持ちは冷静で、映像ディレクターとして培ってきたスキルを活かすだけだと腹をくくる。「本当の第4章は、エンドロールから始めようと思っているので、最後まで気を抜かずに見てほしいです」と意味深な発言も。これは劇場で確かめずにはいられない。