チケット転売問題解決はLINEの活用がキーに? 新サービス LINEチケットの狙い

LINEチケットへ寄せる期待

 音楽のみならず、スポーツ、演劇など広いジャンルで問題となっているオークションサイトやSNSを使ったチケットの高額転売。近年では詐欺容疑での逮捕者の報道も増え、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた新たな法整備の検討項目の中には、「チケットの高値転売や転売を仲介する行為の規制」という項目が加えられるなど(参考:チケット転売禁止など、五輪に向け法整備検討へ(YOMIURI ONLINE))、関係各所が解決に向けて動き出している。

 音楽業界に目を向けると、公式チケットトレードリセール・チケトレがスタートしたり、身分確認を強化するなどの対策を行なっている。中でも大きな成長を見せそうなのが電子チケットだ。従来行なっていた発券の手間を省いて手軽に購入できるだけでなく、手元に現物のある紙チケットに比べ転売や詐欺がしづらいため、転売防止の一手として大きな期待が寄せられている。例えばEMTGによる電子チケットではファンクラブ公認のチケットトレードサービスが利用可能で、万一行けなくなってもファンクラブ会員同士でチケットの譲渡ができるようになっている。

 とはいえ現状では未だに紙チケットが主流であるのは否定できない。入場時に画面を提示するのに手間がかかる、手元にチケットが残らない、そして急遽行けなくなった場合に譲りづらいというデメリットがあるためだろう。

 そんな不便さを解消してくれるかもしれないサービスが、9月1日にLINEがアミューズ、テイパーズと設立した新会社「LINE TICKET」によるLINEチケットだ。担当者に話を聞いたところ、2018年からスタートする同サービスの詳細は今後随時発表していくとのこと。

「複数枚購入したチケットをトーク画面で『友だち』同士で分配できたり、主催者側からLINEを通じてチケットが配信されるほか、主催者側があらかじめ設定した上限価格までの値段でチケットを他のユーザーに譲れる二次流通のプラットフォームを新たに提供していく予定です」(LINEチケット担当者)。

 これまでにもLINEでチケットを発券できるサービス(参考:LINEやFacebookに送れる電子チケットシステム、トランスコスモスが新会社)や、LINEを使ってチケットを分配できるサービス(参考:EMTG)はあったが、LINEチケットではLINEとのより密な連携が予想できる。さらに、今回の取り組みでは、大手芸能事務所であるアミューズ、チケッティングやファンクラブ運営・管理などで知られるテイパーズとタッグを組むことにより、当初から取り扱いコンテンツやノウハウなどを整えた環境で参入できることは大きい。

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