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1stミニアルバム『神様、僕は気づいてしまった』リリースインタビュー

神様、僕は気づいてしまったが掲げる“アンチテーゼ”とは?「まずやるべきことは10代の洗脳かも」

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 神様、僕は気づいてしまったが、7月26日に1stミニアルバム『神様、僕は気づいてしまった』をリリースした。

 神様、僕は気づいてしまったは、どこのだれか(Vo・Gt)、東野へいと(Gt)、和泉りゅーしん(Ba)、蓮(Dr)から成る4人組ロックバンドで、覆面を被って素性を明かさず、匿名性の高い活動を展開している。今年5月にシングル『CQCQ』(TBS系 火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』主題歌)でデビューを飾り、ドラマの評判と相まって、その名前が注目を浴びた。今回のミニアルバムには、同曲をはじめ、「だから僕は不幸に縋っていました」(SQUARE ENIX『スターオーシャン:アナムネシス』の主題歌)や、「僕の手に触れるな」(TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』主題歌)など全7曲が収録されている。

 今回のインタビューでは、東野と和泉のふたりに話を訊いた。音楽的ルーツや独自の音楽観、さらに独特なバンドアンサンブルや、初のライブとなる8月19日の『SUMMER SONIC 2017』のステージングまで、たっぷりと語ってもらった。(編集部)

「音楽の歴史や数学的な側面を考えるのが好きだった」(東野)

──神様、僕は気づいてしまった(以下、神僕)の話に入る前に、まず最初に東野さんと和泉さんの音楽的ルーツから聞かせてください。

東野へいと(以下、東野):いろいろなアーティストを聴いて育ってきているんですけど、思想に影響を受けた特定のミュージシャンがいるわけではなくて。僕はどちらかというと音楽の歴史や数学的な側面、例えば「今聴いている曲が気持ち良い。じゃあなんでこの曲は気持ち良く聴こえるんだろう?」みたいな部分を考えるのがすごく好きで、そこからフィードバックを得ているというか。

──ジャンルは特に問わず?

東野:そうですね。だから、ヒットソングがなぜヒットソングであるかといったことを勉強するのが好きで、そういうところから影響を受けています。僕は音楽を作り始めたのと音楽を本格的に聴き始めたタイミングがほぼ同時だったから、そういう見方になってしまったのかもしれないですね。新しいことを始めようと思ったら、それがたまたま音楽だったという感じ。それまでも音楽を聴く機会はあったんですけど、別にファーストプライオリティではなくて数あるうちのひとつだったので。なんとなく自分ひとりでもできそうなのが音楽ぐらいだった、という程度なんです。

──何かを使って自己表現することに、もともと興味があったんですか?

東野:そこまで言ってしまうと大層な感じになってしまうんですけど、作る側も楽しそうだなぐらいの感覚です。

──なるほど。和泉さんはいかがですか?

和泉りゅーしん(以下、和泉):僕は逆に他のバンドマンと一緒で、先を行く偉大なバンドがいて、それを聴いて「俺も楽器をやりたい!」と思って中学高校の友達とバンドを組むという、誰もが通るような道をたどってきました。僕らの世代がみんな憧れていたようなバンドは、メロディアスなベースがカッコイイという価値観だったので、そういうところに影響を受けているんじゃないかと思います。

──今お話を聞いて思ったんですが、その世代は洋楽からの影響をストレートに表しつつも、それをうまく自分たち流に消化したサウンドを奏でていましたが、最近はそういった音楽から影響を受けた、純国産のバンドがほとんど。皆さんもそういう感覚に近いんでしょうか?

東野:このバンドはコンセプトがあるので、日本人っぽい曲を書こうといったような意識でやってはいるんですけど、やっぱり新しいものを作りたいという思いは常にあるから、洋楽邦楽問わず最先端の音楽には注目しているつもりです。例えばサウンドはそんなに歪ませず、その中で押さえるコードフォームはジャズから引っ張ってきたり、そういう部分での新しいアプローチを、ありがた迷惑だと思われない程度に取り入れて楽しんだり。そういうところでモチベーションを保っています。

「コンセプトに沿わない楽曲は絶対に作らない」(東野)

──これは神僕の楽曲を聴いて感じたことですが、今の日本のロックは低音や音圧を重視したものが多い中、このバンドはハイの部分をすごく意識している印象があって。そこがとても新鮮に響くんです。

東野:そうですね。うちはドラムの蓮がキックや手数が多いからローを常に稼ぎやすいので、そこにベースが乗って、さらにギターも入るとなるとそれだけでパンパンになってしまう。だから、逆にギターは歪ませないでハイに逃がして、ギターとギターの間にボーカルをサンドイッチにしたサウンドが、エンジニアリング的な観点では正しいのかなと。ギターも歪ませて低音を効かせたほうがロック的には確かにカッコイイしわかるんですけど、そこをあえてメタルなドラムにクランチ気味のギターを組み合わせるほうが、誰もやってないからアリじゃないかなと思って、意図してやっています。

──そこに、和泉さんがおっしゃる「メロディアスなベース」が入ることで、気持ち良さがより増すという。

和泉:ありがとうございます。でも、歌がまず第一なので、そこを邪魔しないよう隙間をうまいこと探りつつやってます。

──にしても、バンドアンサンブルは今のシーンの中でも独特なものがありますよね。

東野:ドラム基準で考えているところはあります。蓮は華のあるプレイヤーなので、それをちゃんと立たせつつバランスをとるよう意識していて。そこでさらにベースもブリブリにしたら、よくある感じになってしまうので、ちょっとロジカルなプレイをしている。あとはギターとの駆け引きで、ギターが目立たないパートではベースが前に出ていったり、その逆もあったりというイメージですね。

──そういうサウンドの魅力がありつつ、もうひとつ、このバンドのキモになっているのは言葉なのかなと。それは「神様、僕は気づいてしまった」というバンド名もそうですし、楽曲タイトルや歌詞からも言葉に対して強いこだわりが感じられるんです。

東野:ありがとうございます。このバンドはコンセプトに沿わない楽曲は絶対に作らないし、その上で歌詞がすごく大事な要素になってくる。個人的なことでいうと、良い歌詞だけどメロディにハマってないものはあんまり好きじゃなくて。これはよくする話なんですが、日本語って発音によって意味が変わる言語で、例えば「はし」は日本語で「箸」と「橋」を表すことができるけど、英語にすると「Chopsticks」と「Bridge」になるじゃないですか。本当は「Bridge」のほうの「はし」にしたいのに、メロディのせいで「Chopsticks」の「はし」に聞こえてしまうと、突然意味が変わってしまう。けど、そこで無理矢理「Bridge」のほうで意味を通そうとすると、良い歌詞なんだけどメロディにハマらない。「Bridge」の意味で使いたいのにメロディのせいで「Chopsticks」になってしまうんだったら、別の言い回しを考える。そういうことは気をつけていますね。

神様、僕は気づいてしまった -だから僕は不幸に縋っていました-

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