J☆Dee'Zの楽曲はなぜ大きく進化した? Soulifeとメンバーが明かす“制作の裏側”

J☆Dee'Z、“楽曲制作の裏側”

 「(Soulifeさんの楽曲は)自分たちの本来の声がそのまま出るような感覚」(Nono)

ーーそして最新シングルの表題曲「Melody」は、これまでの横乗りのフェーズからは少しタームが変わったというか、サビ始まりの爽やかなメロディやイントロなど、かなりポップな聴き心地なのに、低音の処理などはすごく強度のある楽曲で。

河田:「Answer」から次のステップをどうするかは大きなテーマだったのですが、相談を重ねるなかで“ずっと残る夏のうた”というキーワードが上がってきたんです。切なさもあるけど爽やかで、5年後10年後にも残るメロディラインにしたいというものを意識しました。歌もラブソングのように聴こえるかもしれませんが、同じ夢を追いかけながら、別々の道を選んだ人へのエールというように、「Answer」から地続きのメッセージ性を込めているんです。なので、大人が聴いても昔の恋に重ね合わせたり、昔の友人を思い出すこともできるかもしれません。

ーー確かに少しノスタルジックな雰囲気はありますね。

佐々木:今までJ☆Dee’Zに提供してきた楽曲では、一番切ないものになっていると思います。でも、踊れるような曲にもなっているというか。制作にも結構時間を掛けて、歌録りもかなりの数をやっていましたね。

ami:曲を頂いたときはSoulifeさんが作ったことを知らなかったんですが、聴いていて「これ、Soulifeさんじゃない?」と感じて、実際そうだったという。

ーーその「Soulifeさんっぽさ」を感じた部分とは?

ami:私たち、曲を決める際は沢山歌ってから判断するようにしているんですけど、この曲はなんというか、すぐに馴染んだんですよ。

Nono:歌いやすいというか、自分たちの本来の声がそのまま出るような感覚なんですよね。

MOMOKA:そう、3人で歌ってみてJ☆Dee’Z感のある曲だったんですよ。

佐々木:本当は歌いやすいメロディじゃないんですけど、多分慣れてきたんでしょうね。

Nono:あと、走ってる感じというか、青春っぽい雰囲気があるというか。

ーー確かに、甘酸っぱい雰囲気の曲ですよね。3人はこの歌詞をどう解釈したのでしょうか。

ami:聴く人それぞれの人生のストーリーのなかで、感じ方が違う歌だから、もしかしたらこの曲を聴いて上京してきた人なら地元を思い出すかもしれないし、昔の恋人を思い出すかもしれない。音楽を通して記憶と結びつくというのが、一人ひとりで違うのは素敵だなと思いました。自分も歌っていて苦しいような切ないような気分になって、それが心地良いというような、歌っていて感情が入り込める歌詞です。

MOMOKA:歌詞もリアリティがあるというか、電車とか場面が思い浮かんだりもするので、自分の今までの経験に重ねてみたり。<イヤホン>というワードが歌詞の中に2回出てきて、私が2回とも歌っているんですけど、音楽が好きでいつも聴いているので、イヤホンへの想いなんかも意識して歌ったりして。

ーーイヤホンへの想いって何ですか(笑)。Nonoさんはどうでしょう?

Nono:J☆Dee’Zの活動を思い出しながらも、自分たちが大人になってこの曲を聴いたときに、いまの3人でステージに立っている姿や練習風景を思い出すんだろうなと感じました。

ーーまさに楽曲のコンセプトだった「5年後10年後も残る曲」としっかり噛み合いますね。楽曲のテーマ性ってどこまで共有しているのでしょうか。

河田:歌い方についてはイメージを伝えることはありますけど、一行ずつのテーマはあまり話さないですね。だから、届けたい内容がしっかりと3人に伝わっているのがわかって嬉しいです。とくに1番Bメロの<ねえ君は あの夏みた 未来に生きてますか?>というのは、J☆Dee’Zの3人にそうあって欲しいと思って書いた歌詞なので。

Nono:最後のハモリは、「帰り道に余韻に浸りながら歌っているイメージで」とお願いされました。風景で指示してくださると、すごく歌いやすいんですよね。

ami:曲によっては色んなパターンを試すので、解釈が広がって面白いです。

ーー楽曲の解釈、といえば、3月に代官山LOOPで行なわれたライブは衝撃でした。初のバンド編成ワンマンライブで、過去の楽曲も違った形で提示したり、近作の楽曲はよりグルーヴィーに聴こえましたし。この模様は初回盤DVDにも収録されるということですが、佐々木さんはギタリストとしてJ☆Dee’Zバンドにも参加していました。ライブを終えてみての感想を、まずは聞かせてください。

Nono:自分たちが全部の音を出しているというのは不思議な感じではありました。

MOMOKA:新しい世界を見た感じがする。元々あるオケに合わせて歌って踊ることしかしてこなかったし、自分たち以外の人と一緒にステージへ立つことが初めてだったので、すごく新鮮でしたし、音楽を奏でているという感覚もありました。

Nono:最後にみんなでジャーンってやったりとか。憧れていたことを自分たちがやれている!という感動がありました。

ami:でも、同時に難しさもあって。これまではオケでやってきていたので、生楽器のリズムに合わせるのが大変で。日々意識するようになって、徐々に慣れているという感じです。

ーー歌うだけじゃなくて踊るからより大変ですよね。

MOMOKA:いつも以上の汗をかきましたが、終わってから楽しかったです。

佐々木:いまのライブって、普通はシーケンス(自動演奏)やクリック(同期)を使うのが主流なんですけど、このタイミングからそれも一気に排除して。生楽器のリズムに合わせてもらうという茨の道でしたね。歌も楽器もごまかしが効かないので、その分緊張感は伝わったと思います。

MOMOKA:最初は音の大きさにびっくりして。自分の声が聴こえなかったですもん。

ami:その分いっぱい声を出そうとしたから、いつもより汗だくになりました。

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