16thシングル『サヨナラの意味』リリースインタビュー(2)
乃木坂46 伊藤万理華&井上小百合が語る“表現者としての充実”とミリオン達成でも変わらないもの
「いろんなジャンルで活躍するタレント集団と思ってもらえれば嬉しい」(井上)
――そして、お二人は10月に乃木坂46の舞台『墓場、女子高生』に出演されました。2015年に出演された『すべての犬は天国へ行く』に続いてハードルの高い戯曲ですが、これをやりきれば楽しいだろうという予感もあったのでは?
井上:もともとアイドルがやるために作られた戯曲ではないので、それを乃木坂46がやるということが嬉しかったです。「え、こんなセリフ言っていいの?!」って楽しくなりました。
伊藤:前回の『すべての犬は天国へ行く』出演が自分にとって大きかったんですけど、『すべての犬は~』の場合、しっかりと作り込まれたキャラクターがあって、内容的にも登場人物たちが何かを演じていたり、嘘が多かったりという世界だったじゃないですか。
――明らかにいま自分たちがいる場所の話ではない作品ですし、フィクション的に作り込まれた世界でしたよね。今回の『墓場、女子高生』はそうではありませんでしたね。
伊藤:登場人物は私たちと年齢も近いし、リアルにありえるような世界のお話で。その中で、私が演じた日野の死をきっかけに、人間が死ぬということはどういうことなのかというテーマに重きが置かれていく。登場人物それぞれの心情とか、日野ちゃんが何を思って行動したのかとか、それを自分でどう納得して消化できるか等、考えることがとても多くて。でもこの舞台に出る機会を、この時期に与えられたことは大きかったです。私はあまり大げさに何かを表現するのが得意じゃないので、リアルに近い芝居をどう大きく見せられるかっていう意味で苦戦はしたんですけど、それでも前よりちょっとは成長してるかなと思ったり、……思わなかったり(笑)。
――伊藤さんが演じる日野は劇中で死を選びますが、その理由は語られませんよね。日野を演じる時に、彼女が何を考えて行動したのかって伊藤さんなりに決めてましたか?
伊藤:何も決めずにはやってないですね。私はその場の感覚で動くというより、今この人はこういう気持ちだからこういう声が出ているとか、こういう空気を作っているとか考えてから演じるので。登場人物一人一人について、この子に対して日野ちゃんはこういうふうに思ってるという、日野ちゃんの中での相関図みたいなものは出来上がっていました。
――井上さんが演じたオカルト部の西川も、ストーリーに大きく作用する難しい役だったと思います。
井上:すごく繊細な心を持っている役で、本当に難しかったです。さっきお話ししたように、自分は主観的に思い詰める芝居が苦手だなというのも実感して。オカルト部のシーンで、こんなふうに見えたらめっちゃ面白いなとか、お客さんの目線で客観的に考えて演技してる時はすごく楽しいんです。でも西川さんの主観的な部分が強く出るシーンで、悩みを話したり泣かなきゃいけない場面になるとどう見せたらいいのかわからなくて、感情をぶつけられないことが多くて。そういう深い芝居が苦手なのかもしれないです。
伊藤:そこは一番、私と違うところかもしれない。私は主観的か客観的かでいうと、客観的な芝居の方が苦手ですね。『墓場、女子高生』を通じて、私の得意なタイプの芝居もわかってきましたし、2年続けて一緒に舞台に出たから、より違いがわかったというのもあります。
――ではお互いに見ていて、演技の仕方が違うなという自覚はありますか?
井上:うん、ものすごくあります。万理華はすごく考えて作り込んでくるタイプなんです。でも私はお客さんの雰囲気だったり、その時の自分の感情に任せちゃうタイプなんですよ。だから、全然気持ちが乗らなかったらセリフがうまく出てこなくなっちゃったり、感情移入できずに終わっちゃう日とかもあって。逆にものすごく感情移入できて涙が止まらない日もあるので、その場の空気で演じちゃうタイプだなって思います。役に入り込んでしまった時は、それを持ち帰らないように気をつけてます(笑)。
――一昨年から昨年にかけて、難度の高い本格舞台をグループとして作っていくことが、乃木坂46の武器になってきたと思います。そうやって乃木坂46のカラーやブランドができてきていることをどう見ていますか?
井上:乃木坂46の認知度が上がってきて、「このグループいいね」って思ってもらえている時期はいいですけど、グループの中身がスカスカだったら飽きられていく一方だと思うんです。そうならないように、メンバー個人がいろんなステージに出ていった時にどれだけタレントとしてちゃんと認めてもらうかというのが、今すごく必要とされてきてるなとは実感しています。モデルさんなどの活動をしているメンバーもたくさんいますけど、それだけじゃなくもっといろんなジャンルで活躍できるメンバーが乃木坂にはたくさんいて。私たちがやっている舞台もまたその一つだと思うんですけど、言っていただいたように本格的なものをやろうとしているじゃないですか。そういう部分も広く知ってもらえたら、いつまでも飽きられないグループになると思うし、乃木坂46をいろんなジャンルで活躍するタレント集団みたいに思ってもらえたら嬉しいなって思います。
伊藤:グループ全体の活動もあって、自分自身はまだそれほどいろんなジャンルでの活動をたくさんできている実感はないんです。そこには思うところもあるんですけど、『墓場、女子高生』のような舞台を任されるのはとてもいいことだと思いますし、客観的に見てそれが乃木坂の武器になっていると言っていただけるなら、少しずつ乃木坂の強みとして広まっているということではあるのかな。だからこそ、今後もこういう活動は続いていった方がいいなと思います。
(取材・文=香月孝史/写真=三橋優美子)
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■リリース情報
乃木坂46 16thシングル「サヨナラの意味」
発売日:2016年11月9日(水)
<初回仕様限定(CD+DVD)盤>
●Type-A
価格:1,650円(税込)
M1:「サヨナラの意味」(16th選抜)
M2:「孤独な青空」(16th選抜)
M3:「あの教室」(齋藤飛鳥・堀未央奈)
M4:「サヨナラの意味」〜off vocal ver.〜
M5:「孤独な青空」〜off vocal ver.〜
M6:「あの教室」〜off vocal ver.〜
(特典DVD)
V1:「サヨナラの意味」Music Video
V2:「あの教室」Music Video
V3:ドキュメンタリー〜サヨナラの意味〜
●Type-B
価格:1,650円(税込)
M1:「サヨナラの意味」(16th選抜)
M2:「孤独な青空」(16th選抜)
M3:「ブランコ」(16thアンダー)
M4:「サヨナラの意味」〜off vocal ver.〜
M5:「孤独な青空」〜off vocal ver.〜
M6:「ブランコ」〜off vocal ver.〜
(特典DVD)
V1:「サヨナラの意味」Music Video
V2:「ブランコ」Music Video
V3:アンダー ドキュメンタリー〜つま先の向こうに〜
●Type-C
価格:1,650円(税込)
M1:「サヨナラの意味」(16th選抜)
M2:「孤独な青空」(16th選抜)
M3:「2度目のキスから」(秋元真夏・相楽伊織・鈴木絢音・渡辺みり愛)
M4:「サヨナラの意味」〜off vocal ver.〜
M5:「孤独な青空」〜off vocal ver.〜
M6:「2度目のキスから」〜off vocal ver.〜
(特典DVD)
V1:「サヨナラの意味」Music Video
V2:「2度目のキスから」Music Video
V3:2016年 乃木坂46 -いつもと違う夏- 前編
●Type-D
価格:1,650円(税込)
M1:「サヨナラの意味」(16th選抜)
M2:「孤独な青空」(16th選抜)
M3:「君に贈る花がない」(北野日奈子・寺田蘭世・中田花奈・中元日芽香・堀未央奈)
M4:「サヨナラの意味」〜off vocal ver.〜
M5:「孤独な青空」〜off vocal ver.〜
M6:「君に贈る花がない」〜off vocal ver.〜
(特典DVD)
V1:「サヨナラの意味」Music Video
V2:「君に贈る花がない」Music Video
V3:2016年 乃木坂46 -いつもと違う夏- 後編
<通常盤(CDのみ)>
価格:1,050円(税込)
M1:「サヨナラの意味」(16th選抜)
M2:「孤独な青空」(16th選抜)
M3:「ないものねだり」(橋本奈々未)
M4:「サヨナラの意味」〜off vocal ver.〜
M5:「孤独な青空」〜off vocal ver.〜
M6:「ないものねだり」〜off vocal ver.〜
■ライブ情報
『乃木坂46 5th YEAR BIRTHDAY LIVE』
2017年2月20日(月)※橋本奈々未卒業コンサート
2017年2月21日(火)
2017年2月22日(水)
会場:さいたまスーパーアリーナ
乃木坂46 3期生初公演『3人のプリンシパル』
日程:2017年2月2日(木)~2月12日(日)
会場:AiiA 2.5 Theater Tokyo
チケット価格:4,600円(全席指定/税込)
脚本・演出:徳尾 浩司
<出演者>
乃木坂46 3期生
伊藤理々杏 岩本蓮加 梅澤美波 大園桃子 久保史緒里 阪口珠美 佐藤 楓 中村麗乃
向井葉月 山下美月 吉田綾乃クリスティー 与田祐希 他
■関連URL
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