乃木坂46 橋本奈々未&松村沙友理が考える変化の必要性「そろそろ乃木坂らしさに固執しなくても」

乃木坂橋本&松村が考える”変化の必要性”

 5月25日にリリースされた乃木坂46の2ndアルバム『それぞれの椅子』が、オリコン週間アルバムランキング(2016年6月6日付)で初登場1位を記録した。初週27万枚以上を売り上げた本作では、複数仕様トータルで全11曲の新曲を収録。その中には「きっかけ」をはじめとする“これぞ乃木坂46”な王道ナンバーのみならず、ラテンテイストの「太陽に口説かれて」、エレクトロ調のディスコナンバー「欲望のリインカーネーション」、スカを基調とした「Threefold choice」、ヴィジュアル系にも通ずる疾走ハードロック「低体温のキス」など新たな乃木坂46のカラーが打ち出されている。

 こういった変化に対して、メンバーはどのように考えているのだろうか。選抜メンバーとして、そして個人としてもさまざまなメディアで活躍する橋本奈々未、松村沙友理に話を聞いた。その話題は新作のみならず、乃木坂46の音楽性、個々の活動、そして来たる3期生にまで及んだが、2人は異口同音で“変化の必要性”について思いの丈を吐露したのが印象的だった。(西廣智一)

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松村沙友理

ユニットの組み合わせは遊び心満載(松村)

──昨年1月リリースの1stアルバム『透明な色』は、デビューから3年間の集大成という内容だったと思いますが、続く2ndアルバム『それぞれの椅子』がそこから1年5カ月というインターバルで発表されたことに正直驚きました。しかも今回は全仕様含めると新曲が11曲。いざ完成したアルバムを聴いて、皆さんはどう感じましたか?

松村沙友理(以下、松村):そんなに早いスパンで出すんだなと正直驚きました。しかも新曲がたくさん入っていますし。AKB48さんは劇場公演でいろんなタイプの楽曲に挑戦できるけど、乃木坂はシングルが主な挑戦の場なので、こうやって新しい曲がたくさん増えたのは嬉しかったです。ハッピーです、うふふ(笑)。

橋本奈々未(以下、橋本):今は1枚目のアルバムが出たときに比べて、私たち自身が置かれている状況も変わっていて。昨年はグループとしてもメンバー個人としてもいろいろなことを経験させてもらって、紅白にも出ることができたので、今は乃木坂46が目標にしていたものをひとつ実現した段階だと思うんです。で、これからもっといろいろな人に見てもらいたい、知ってもらいたいということを自分たち自身も考えていて、ファンの人たちもきっとここからもう一段ステップアップしていくんだろうとワクワクしてくれている中で、新曲がたくさん詰まったアルバムを出すということが、後から振り返ったときに何か大きな意味があるものになればいいなと思っています。

──1stアルバムはどちらかというとベストアルバム的な作風で、それまでの活動の区切りのような意味合いも強かったですよね。一方で今作はシングル表題曲やカップリング曲も多いとはいえ、新曲メインのオリジナルアルバムという側面が強いのかなと。しかも新曲の多くは今までの乃木坂46にはなかったタイプの楽曲ですし、乃木坂46の新たな面を打ち出していきたいのかなという印象を受けました。

松村:確かに、ユニットにしても新しい組み合わせが多いですよね。(秋元)真夏たちの女子高出身ユニットだったり、生駒(里奈)ちゃんも(伊藤)万理華やさゆにゃん(井上小百合)との新しいユニットだったりと、今までになかった面白い組み合わせもあれば、ここ(松村と橋本)のお姉さんチームや(星野)みなみたちのように、見慣れた組み合わせもあって面白いなと。そういう意味では遊び心満載だと感じました。

橋本:リード曲の「きっかけ」は、乃木坂のことを好きでいてくれる人が聴いたらきっと「乃木坂っぽいな」と感じてもらえる素晴らしい曲です。

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橋本奈々未

世の中的に「ヒット曲」と言える1曲が欲しい(橋本)

──確かに「きっかけ」はすごくいい曲だと思いますし、聴いていて「乃木坂46らしいな」と実感できる1曲です。と同時に、ここ最近のシングル表題曲が同系統のタイプの楽曲が続いていることで、これから乃木坂46がどこに進んでいくべきなのかも考える時期に入ってきたとも思うんです。あえてAKB48を比較対象に出しますが、例えば「ヘビーローテーション」や「恋するフォーチュンクッキー」みたいに万人が知ってる曲、「乃木坂46といえばこの曲」という1曲にまだ出会えてないのかなと。

橋本:世の中的に“ヒット曲”と言えるような1曲が持てたらいいよねって話は、メンバーとも常々していて。今はピアノを軸にしたミディアムテンポの、いわゆる「乃木坂46らしい曲」に票が多く集まると思うんです。でも、「乃木坂46のことはあまり知らないけどこの曲は知ってるよ」という曲は、「制服のマネキン」や「おいでシャンプー」くらい。従来の路線で現在応援してくれているファンの方から「確実に支持されるもの」を提供し続けるのか、ハマるかどうかわからないけどギャップを狙って新しいことにチャレンジするのかということなんですよね。でも、それにはまず私たちが確固たる地盤を固めないと、どっちつかずになってしまうと思うんです。

──それは、リリースするタイミングも関係してくるとは思います。例えば「君の名は希望」を今このタイミングに発表していたらどういうリアクションがあるのかなという気もしますし。

松村:「君の名は希望」はあの時代の乃木坂46にしかないオーラがあったからこそ、生まれた曲なんだと思います。歴史とともに曲は生み出されていくと私は考えているので、あのタイミングじゃなくちゃダメだったのかなと。

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