乃木坂46 中元日芽香&能條愛未が明かす、グループの“演劇性”とアンダーライブ革新の理由

乃木坂中元&能條が語る“アンダラ革新の裏側”

 乃木坂46の2ndアルバム『それぞれの椅子』が5月25日にリリースされた。デビューから約3年という長期間を経ての1stアルバムとは対照的に、今作はこの1年余りの活動を凝縮し、またさまざまなユニットやソロでの新録曲も数多く収録している。同時に、このアルバムリリース直前期の乃木坂46は、アンダーライブの東北シリーズや舞台『じょしらく弐』など、アルバム制作以外の活動も非常に活発だった。今回、リアルサウンドではその多忙な時期の成果を掘り下げるべく、メンバーの中元日芽香と能條愛未にインタビュー。「乃木團」でボーカルを務める二人による新曲も収められたアルバムのこと、かつてない演出を試みたアンダーライブ東北シリーズ、昨年より厚みを増した舞台『じょしらく弐』など、活動が充実するメンバーの現在について話を聞いた。(香月孝史)

「乃木團のライブは、アイドルとして立ってるという感じはしなかった」(中元)

――2ndアルバム『それぞれの椅子』がリリースされました。昨年の1stアルバム『透明な色』はデビューからの約3年を経ての制作でしたが、今回は前作から1年余りの期間をおいて発表です。

中元:前回がシングルを10枚リリースしてからのアルバムだったので、2枚目はもうちょっと後ーー20枚目のシングルを出してからかなとか思ってたんですけど(笑)。

能條:スタッフさんからアルバムのリリースを教えてもらったときに、「おお、アルバム出るんだ! 早いな!」と初めて知りました。

20160605-nogizaka8.jpg

 

――アルバムとしての位置付けも前回とは違いますか?

中元:そうですね、『透明な色』に収録されていた10枚目シングルまでの期間と、そこからの一年ちょっとの期間とでは、またずいぶんグループの色が変わったというか、いろいろなことがあったんですよね。タイトルも『それぞれの椅子』。前回が『透明な色』でしたけど、ちょっとずつ色がついてきたというか。

――個々のメンバーの色も強くなってきましたよね。

中元:この一年間ちょっとの間に、モデルに抜擢された子もすごく増えて、舞台出演の声がかかることも増えたり、連載やラジオのレギュラーを持ったり、個人の場所を確立していったんです。すごい濃い一年だったよね。

能條:今回のアルバムは、新しいユニット曲も多いという印象です。新録曲が11曲あって、アルバムとしてはそれが一番見どころというか、前回のアルバムと一番違うのはそこなのかな。

中元:前回とはアルバムとしての印象も違いますし、新録曲はいろんなジャンルに挑戦してたりするので、またちょっと分厚くなったなと思います。

――その新録曲のうち、「失恋したら、顔を洗え!」では、「中元日芽香、能條愛未 from 乃木團」として、お二人がボーカルを担当しています。

能條:曲をもらって聴いた時に、想像以上にサビが、爽やかな印象を受けました。CMとかで流れていそうな、ガールズバンドならではのキャッチーさというか。聴いた瞬間、「いい!」と思って、好きになりました。

中元:今までの乃木團は、氣志團さんの曲をカバーさせていただいたり、乃木坂の曲をカバーしたりという形だったので、カバーの原曲にどの程度寄せようとか、オリジナリティをどう出していけばいいのかと話し合うことが多かったんです。でも今回の曲は、当たり前ですけど私たちがオリジナル。私たちの曲をもらった、ということがすごく大きいというか、嬉しかったですね。

――中元さん、能條さんお二人だけの声で歌うというのは、どんな感覚ですか?

能條:乃木團として、二人の声を音源の形でしっかり聴くっていうのが、初めてだったんだよね。

中元:うん、なかったね。

能條:ライブを映像で見たことはあるけど、音源でちゃんと聴いたことがなくて。「私たちの声のマッチ具合、いいじゃん!」と思いましたね。お互いの声は全然真逆なんですけど、それがぶつかってないというか、調和されて良いハーモニーになったなと感じました。

――「乃木團」でパフォーマンスする際に気を付けていることとは?

中元:乃木團は、西武ドームの『3rd YEAR BIRTHDAY LIVE』で演奏したことはありますが、アイドルとして立ってるという感じはしなかったです。普段だったらアイドルとしての表情や、歌詞のこんなところに気をつけてとか、音程をきちんととか、そういうことの方を強く意識するんです。でも乃木團になると、二人のコンビネーションだったり、どこでは声を張ってどこでは抑えてとか、ここは周りの音を聴いて、というように、意識するところが違いましたね。

――自然にモードが変わってくるんですね。

能條:普段乃木坂46でステージに立ってる時とは、全然違う感覚にはなります。私は普段からあまり細かいことを考えてステージに立つタイプではなくて、その場で感じた雰囲気に合わせてパフォーマンスするタイプなんですけど、乃木團ではさらにその感じが強いです。後ろの楽器隊と私たちの気持ちが一つになってる時って、本当にそれが音に現れるから、すごくわかりやすいんです。逆に、歌いながら「今ちょっと気持ちがばらついてるな」というのもわかる。それがバンドの醍醐味だと思いながらやっています。

――新曲「欲望のリインカーネーション」にもお二人は参加しています。14thシングルの1期生アンダーメンバーによる楽曲ですが、歌うのが難しそうなポイントも多いですね。

中元:英語詞で始まるし、キーもすごく変則的だし。でも、参加メンバーのスペックが存分に活かされている曲だなと思いました。チャレンジングな曲だし、難しいなと思ったんですけど、実際に私たちの声が入った音源を聴いてみたら、「……あっ、歌えてるやん!」って。自分たちの曲として消化できていたので、安心しました。

――英語詞の部分はもう単語レベルじゃなくて結構な長さの文章ですよね。

能條:直前にめっちゃ聴いてました、100回くらい聴きました(笑)。レコーディングのときは全部カタカナで書き出してましたからね(笑)。

中元:あんなにかっこいい感じなのに、実はカタカナを読んでる(笑)。でも、こういうテイストの曲って乃木坂の選抜曲にはないし、アンダー曲ともちょっとまた違いますよね。今のこのメンバーだからいただけた曲なのかなと思います。

20160605-nogizaka11.jpg

 

――今回のアルバムはType-A~D盤および通常盤の5タイプがあって、それぞれ後半の収録曲の構成が異なります。特にType-C盤には、11thシングル以降のアンダー楽曲が詰まっているので、ここだけでもいろいろなことを思い出しそうですね。

中元:これは個人的な思い入れになるんですけども、この一年間でまたいろんなことを学んだなという感じがあります。10枚目シングルまでのアンダーメンバーと、11枚目シングルからではメンバーもまた変わってるじゃないですか。12枚目からは2期生も全員昇格して合流してきたり。

能條:たしかに、11枚目の「君は僕と会わない方がよかったのかな」の時はまだ、2期生が全員昇格してはいないんだよね。

中元:そうそう、アンダーメンバーには、さゆ(井上小百合)がいて(伊藤)万理華はいなくて。カップリングに(当時正規メンバー昇格前の2期研究生メンバーが歌う)「ボーダー」があって。

――そう考えるとこの一年ちょっとの間だけでも、相当変化がありましたよね。

中元:聴きながらもう、泣くんじゃないかって思いました(笑)。この一年でいろんなことあったなーって思って。ずるい選曲ですよねー(笑)。

――今はType-C盤の構成から語ってもらいましたけど、盤のタイプも多いし曲数もあって、いろんな聴き方ができそうなアルバムですよね。

中元:たとえば「Type-A盤がすごく好きです」っていうメンバーもいるだろうし、Type-D盤ならライブで盛り上がるような曲がダダっと入ってるので、「Type-D盤が熱いです」っていうファンの方もいらっしゃると思う。お気に入りの一枚を見つけていただけたら嬉しいです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる