Crossfaithが語る、海外と日本それぞれの戦い方「地球規模で活動し、日本でもっとデカくなりたい」

Crossfaithが語る海外と日本での戦い方

 Crossfaithが、7月27日にニューシングル『New Age Warriors』をリリースする。収録の3曲共にバンドにとって新しい方向に振り切ることができたという今作は、「Rx Overdrive」のこれぞCrossfaithと言えるパンチ力のあるメタルコアサウンドを聞かせる楽曲で始まり、メロディアスな「Revolution」で締めくくる。それは海外での活動をひとつの軸とし、日本での活動も本格化させていくCrossfaithだからこそ達成できた、楽曲の広がりとも言える。インタビューでは、3月末に行われたロンドンでのライブや、今後視野に入れるアメリカツアーへの展望、そして日本での活動について、それぞれのシーンを見てきたCrossfaithの興味深い話を聞くことができた。(編集部)

「ステージに立つからには、自分なりのパフォーマンスを最大限にする」(Kazuki)

ーー3月末にロンドンであったElectric Brixton公演を拝見したんですけど、すごく盛り上がってましたね!

Koie:ありがとうございます!

ーーあれを見てすごく誇らしく思ったのと同時に、日本のお客さんとの違いも感じました。あの日はメタル寄りな客層になるのかと思いきや、どちらかと言うとアンテナが高くて夜遊び好きな人たちが多い印象でした。皆さんはイギリスでかなりの数のライブを行っていますけど、現地のお客さんについてどう思われますか?

Koie:たしかに今言ってもらったみたいに、アンテナの高い人たちは多いと思いますね。

Hiro:イギリスはツアーで何回も行ってますけど、初めて行った時は若いキッズが多かったんです。他にもフェスとか様々な場所、様々なお客さんの前でライブをしてきたんですけど、共通して僕が感じるのは、イギリスのお客さんは音楽に対してオープンに向き合っているなって。いろんなタイプのお客さんが集まるのも、このジャンルの音楽だけを聴くとか限定していなくて、ただ音楽が好きだという気持ちでライブハウスに足を運んでいるように感じますね。

ーーあの日のライブの手応えはどうでした?

Koie:ロンドンでは二回目のヘッドライナーのライブで、ツアーの締め括りだったから気合も入ってたし、すげぇよかったと思います。

Teru:俺たちのヘッドライナーでロンドンに1000人以上のお客さんが来てくれたっていう事実だけでも……野望はもっと大きいところにあるんですけれど、現状は単純に嬉しかったですね。

ーー何より驚いたのは、Koieさんのフロントマンとしてのフロアの掌握術のすごさ。もちろんMCは全て英語だし、それでもしっかりコントロールしてましたね。あれは何回も行くことによって培ってきたものなんですか?

Koie:自分の好きなボーカリストやいろんなアーティストのライブを見て培ったところが大きいと思います。ライブのスタイルって人それぞれやし、ボーカリストもいろいろやと思うんです。敢えてお客さんを突き放して自分の世界に入って歌っている人もいるやろうけれど、俺はそのタイプじゃないって自分でもわかっているし、しっかり場を操ってくれるボーカルがカッコいいと思うので。あとはライブを重ねてきたこと、それだけの経験を積めるチャンスを与えてもらったことが大きいと思います。

ーープレイヤーとしては日本と海外で気持ちの持ち方は変わってくるものなんですか?

Kazuki:プレイの面で日本と海外っていう分け方を僕はしてなくて。ステージに立つからには、自分なりのパフォーマンスを最大限にすることを常に心掛けているので。

ーーでも、プレイヤーとしての意識とは別に、国や土地によってセットリストを変えることありますよね?

Koie:セットリストは違いますね。例えば、イギリスはダンスミュージックが盛んなので、そういう要素の曲を入れてみたりとか。

Kazuki:国によってそこに住む人が聴いてきた音楽も違うし、それによってノリ方も変わってくるってことがツアーを廻ってみてわかったので、ここではこういう縦ノリのセットリストにしようとか、ここでは速くて走りやすいメタリックな曲を集めようとか、そういうのはあります。

ーー国によって曲の人気は違うものですか?

Teru:アメリカだと、『Omen』(the Prodigyのカバー曲)があまりウケなかったり。でも、ヨーロッパだとシンガロングしてくれる。

Koie:イギリスだと意外と大人見する人が多くて、そういう奴らを動かすっていうのが目標としてあるんですけど、あの曲は俺たちのことを知らんお客さんでも歌えますね。あと、イギリスほど発展していない国だとめっちゃモッシュが起こったり。そういうところでしか日常の不満を発散できなかったりするから、その国の経済状況とかもめっちゃ反映されていると思います。

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Koie

ーーそれにしても、イギリスでのツアーの廻り方が半端ないですよね。

Koie:おかしいですよね。5日連続でライブして1日オフっていう(笑)。でも、海外じゃ普通ですね。ツアーバスで廻るし、お金がどんどんかかっていくので短い日数で詰めるっていう。

ーーそれだけ廻らないとあの盛り上がりは生み出せないっていうことですよね。

Koie:それはあると思います。

Kazuki:ヘッドライナーであれだけ人が集まるようになったのは、ツアーするようになったからだと思いますね。

ーーアメリカでのヘッドライナーツアーは?

Koie:まだやったことないですね。

ーーあそこを攻めるのは、相当な覚悟が要ると思いますが。

Koie:そうだと思います。アメリカはデカいんで、相当腰を据えてやらないと。

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Hiro

ーーアメリカを攻略するためには何が必要だと思いますか?

Teru:肉食わなきゃとか?(笑)。アメリカでかかってる曲ってステーキハウスみたいなジューシーさがあると思うんですよ。

Kazuki:低音感もな。二日酔いで聴いたら吐きそうなぐらい。

Koie:いろんな意味で体力がいるというか。ずっとアメリカを廻れるだけのバンドの体力とか、経済的な部分も含めて全てがタフじゃないと難しいですね。

Kazuki:バンドの数が多くて、入れ代わりも激しいし、尚且つ土地が広大で、物理的にも時間がかかる。そういう意味では、相当集中して入り込まないとちょっとやそっとのことでムーヴメントを起こすまではいけないとは正直思いますね。

Hiro:リスナー側も、ちょっと前まではバンドを聴いてたけど、もうEDMしか聴いてへんっていう流れもイギリスより顕著やと僕は思う。ツアーを廻って1年後、その子らはライブハウスのキッズじゃなくなっている。だから、アメリカでブレイクスルーするためには向こうに移住する必要があるくらい、コンスタントに2、3ヶ月のツアーを廻らないとダメだと思います。

Kazuki:アメリカってエンタテインメントが凄いじゃないですか。バスケもプロレスも派手で、エンタメ性を持ってないとスター選手になれない。だから、そこに住んでみてそういった感覚を得る必要もあるのかなって。

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