「ポストロック×アイドル×ジュブナイル」は何を生み出す? sora tob sakanaサウンドプロデューサー・照井順政に訊く

「ポストロック×アイドル×ジュブナイル」は何を生み出す?

メンバーは音楽的な文脈を知らない。だからこそフラットに曲を聴ける

--4人のメンバーの特徴を教えて貰えますか?

照井:ショートのふうちゃん(神﨑風花。14歳・中3)は本質的には他人に無関心なんですよ。でもステージ上の表現力が高くて、歌も安定感があって。一番快活に人と話せる優等生で、全てのスペックが高いです。最年少のまなちゃん(山崎愛。12歳・中1)は頭もいいし、運動もできて、明るくって、男っぽい。常に何かを食べてます。あと本が好きで、1日1冊くらい、主に児童文学を読んでるとか。最年長のなっちゃん(寺口夏花。15歳・高1)は、一番オタク気質で、アイドルも結構好き。特にバンドじゃないもん!さん、妄想キャリブレーションさん。ネガティブで怠け者っぽいところがあるんですけど、どうしても本質的には悪い子にはなれない。最年長なのに見た目は一番幼いですが、実は色々考えている。れいちゃん(風間玲マライカ。14歳・中3)は中2病真っ盛りで、反抗期。何に対しても攻撃的だったり、「宇宙の果てはどうなってるんですか?」って聞いてきたり、アーティスティックではあります。歌が上手くて声がいい。ゲスの極み乙女。や[Alexandros]、水曜日のカンパネラといったアーティストが好きです。みんな元々、というか今も芸能事務所のテアトルアカデミーに所属しているので、アイドル志望でこの世界に入って来たわけではないのが特徴です。

--メンバーは曲に対してどういう反応を?

照井:意外と褒めてくれますね。曲が難解でイヤだっていうよりは「他のアイドルさんと違って嬉しい」とか、「そういうところがカッコイと思う」って言ってくれるんで。

--「広告の街」とか、言葉が一音一音パート分けされてる箇所があって、かなり難しそうですよね。

照井:もうメンバーは慣れちゃってますね。本人たちが音楽的な文脈を知らないからこそ、普通にそのままやってるというか、フラットに聴いてるんですよ。「ちょっと難しいけど頑張ります!」みたいなノリで。

「小さいパイを取り合っている感じがする」

--歌詞については質問されますか?
照井:思ったより触れてくれなくて寂しいですね。あっけらかんと歌う良さもあるとは思うので、今まではわりと放っておいたんですけど。ただそのギャップが売りにできるのは1年2年だと思うので。今後は細かく説明しようかなと思ってます。でも言わなくても、みんな考えてるとは思うんですけどね。

--メンバーに対して気をつけていることはありますか?

照井:すごい素朴な疑問とかを投げられたとき、適当に答えないようにすること、ですかね。自分が子どものころ、大人が表面上の態度で接して来たのが分かっていたので、「数学がなんの役に立つのか」って聞かれたら、「試験でいい点取るためだよ」ということではなく、「思考の訓練をするためだよ」みたいな感じで答えています。それと、アイドルやアニメのキャラに属性をつけて「赤の子はこう、青の子はこう」って記号化して消費するのがイヤだなと思っているので、それはしないようにと考えています。エンタメとしては必要なこととは思うんですけど、無理にキャラづけせず、ライブのMCもなるべくコントロールしないという方向です。

--グループとして今後目指すことを教えて下さい。

照井:「記号化しない」ことですね。それはもしかしたら、アイドルとして矛盾してるところもあるかもしれませんが、だからといって“アーティスト”だと位置づけるわけでもなくて。この年齢のこの4人がいて、そこに自分の音楽性を組み合わせた場合の一番いい形を探したいんです。最初のうちは「アイドル」を意識していたんですけど、そこにはこだわらなくてもいいかと思いましたし、今のアイドルシーン自体に少し閉塞感があるなと。いわゆる「楽曲派のアイドルシーン」って、もうパイの大きさが決まってて、その中でグルグル回してる感じがする。やっぱそれじゃあ面白くないし、好きであろう人にだけ見せてるだけじゃ広がらないから。売れてるアイドルとも、楽曲派といわれてるアイドルとも違うことをしたいなと。音楽的にはもっと振り幅をつけたいですね。ライブで盛り上がる曲だったり。普通に音楽シーン全体の中で評価をされたいなと思います。

■sora tob sakana
略称はオサカナ。2014年7月結成。風間玲マライカ、神﨑風花、寺口夏花、山崎愛の4人からなる平均年齢13歳のアイドルユニット。 フジヤマプロジェクトジャパン、Flying Penguin Records所属。sora tob sakana 定期公演〜月面の遊覧船〜を隔週で恵比寿CreAteにて開催中。2016年7月23日(土)には渋谷WWWにて2ndワンマンライブ「境界線上のサカナ」を開催予定。同日には1st albumのリリースも。

ブログ(http://ameblo.jp/soratobsakana/
Twitter(https://twitter.com/soratobsakana
SoundCloud(https://soundcloud.com/sora-tob-sakana

■岡島紳士(おかじま・しんし)
1980年生まれ。アイドル専門ライター。著書、共著に『グループアイドル進化論』、『AKB48最強考察』、『アイドル10年史』『アイドル楽曲ディスクガイド』など。埼玉県主催「メディア/アイドルミュージアム」のメインアドバイザー。ブックユニオンのアイドルディレクター担当。
アイドルカルチャーサイト&DVD「IDOL NEWSING」を運営、制作。
オフィシャルサイト(http://idolnewsing.com/
オフィシャルTwitter(https://twitter.com/ok_jm

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