RADWIMPS、Elmiene & Fujii Kaze、Official髭男dism、YOASOBI……“星”モチーフの楽曲に託した願い
夜空に輝く“星”をモチーフに、アーティストたちはさまざまな想いを歌ってきた。
RADWIMPS は、10月9日公開の映画『汝、星のごとく』の主題歌として「夕星-ゆうづつ-」を書き下ろした。凪良ゆうの小説を原作とした本映画は、瀬戸内のとある島で出会った男女の15年にわたる愛と選択を描く物語であり、タイトルにも“星”という言葉が刻まれている。映画の予告編で聴ける楽曲の一部からも、透明感のあるボーカルにピアノやストリングスが重なり、夜空に星が瞬く光景を想起させる。ゆったりとしたバラードのなかで歌われるのは、迷いながらも生きていく人々の姿。“夕星”は夕暮れ時に西の空に見える宵の明星のことで、朝方に東の空に見える時は“赤星”とも呼ばれる。同じ星でありながら、時間によって名前が変わるのだ。過ぎていく時間のなか、それでも消えずに光り続ける祈りのようなものが、この曲には込められているのかもしれない。
6月には、イギリスのシンガーソングライター・ElmieneとFujii Kazeによる「Comets + Gold」がリリースされた。〈Am I in space here?〉(ここは宇宙なのか?)というフレーズがあるように、柔らかなピアノとElmieneの歌声から静かに広がっていくサウンドは、まるで無重力の空間を漂っているかのよう。2ヴァース目からFujii Kazeの歌声が加わることで、ふたりの歌声も星のように輝き始める。歌詞も幻想的な世界観で、〈Comets〉は直訳すると“彗星”の意味だが、〈Gold〉とともに何を表現しているのかは聴き手によってさまざまな解釈ができるだろう。Elmieneが「彼のおかげで、僕たちの音楽の銀河にはさらに多くの星が加わりました」、Fujii Kazeが「彼の音楽の銀河の中で、ひとつの彗星になれたことをとても幸運に思います」とそれぞれ称え合ったように、互いの音楽に惹かれたふたりがタッグを組み、新たな星空を描いたような一曲でもある(※1)。
Official髭男dismの「Universe」は、映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』の主題歌として書き下ろされた。宇宙を舞台とする映画に寄り添いながらも、この曲では〈僕は僕をどう思ってるんだろう?〉という歌詞が象徴するように、私たちが日々抱えるような不安や葛藤が歌われている。〈満天の星の中僕の惑星〉〈ジグザグに散らばる僕の星座〉〈暗い心にやって来た流星〉など、主人公の心の変化を映すように、歌詞のなかで星はさまざまな姿に形を変えながら登場する。笑ったり、泣いたり、悩んだりしながら、自分らしく生きていくこと。リズミカルなピアノのイントロをはじめ、カラフルで躍動感のあるサウンドもそんな一人ひとりの人生を肯定してくれるようだ。宇宙がどこまでも広がっていくように、自分自身の可能性もまた無限に広がっている。宇宙や星に人生を重ねながらそっと背中を押してくれるような、明るい希望に満ちた一曲だ。
YOASOBIの「オリオン」は、ゲーム『オーバーウォッチ』とのコラボレーション楽曲として制作された。ゲンジ、ハンゾー、キリコの3人を描いた短編小説『地に堕ちた雀』を原作とし、物語の中心人物のひとりであるキリコに想いを馳せながら生まれた本曲。近未来的なトラックを軸に、和のテイストも織り交ぜた疾走感あふれるサウンドが展開されるなかで、歌われているのは「離れていても繋がっている」という想いだろう。Ayaseは「三人の複雑な関係性を表現するにあたり、オリオン座の中央に並ぶ三つの星(オリオンのベルト)をテーマにしました」(※2)とコメント。実際には距離がある3つの星が、地球から見れば寄り添うように並んでいる姿を3人の関係性になぞらえたという。歌詞からも、たとえ今は離れていても、いつかまた同じ場所で笑い合える日を願う気持ちが伝わってくる。ひとつの星座をモチーフとして、切実であたたかな祈りが込められているのだ。
同じ“星”というモチーフでも、そこに託されている想いはさまざまだ。夜空に輝く星のように、これらの楽曲もまた、聴く人の心に光を届けてくれるだろう。
※1:https://www.universal-music.co.jp/elmiene/news/2026-06-18/
※2:https://realsound.jp/tech/2026/06/post-2413545.html

























