初代から受け継ぐ、東京パフォーマンスドールの先進性とは? 楽曲とライブから読み解く

 篠原涼子、市井由理、穴井夕子などの有名タレントを輩出した東京パフォーマンスドール(略称はTPD)。90年4月に原宿RUIDOを拠点に誕生し、ライブを主体に活動、グループとしてのCDセールスはそこまで振るわなかったものの、武道館2daysや横浜アリーナ公演を成功させた、90年代前半を代表するガールズパフォーマンスグループだ。そんなTPDが2013年、グループアイドル全盛の時代にメンバーを一新して復活。過去の人気楽曲を引き継ぐだけでなく、"今だからこそ"のオリジナティを携えつつ、群雄割拠のシーンにおいて、確かな存在感を放っている。

トップクラスのクリエーターによる、前衛的かつ質の高い演劇

 TPDは2013年に復活して以来、渋谷の劇場「CBGKシブゲキ!!」(キャパ約250人)にて、演劇とライブを融合させた公演「PLAY×LIVE『1×0』」を行っている。企画・主催は、いきものがかり、いとうせいこう、藤木直人などを擁する大手芸能プロ・CUBEで、TPDもここに所属している。ステージは、前半が演劇パート、後半がライブパートの2つに分かれた構成だ。

 まずは演劇パートについて説明しよう。最新の映像技術である「プロジェクション・マッピング」が駆使されているだけでなく、セットもシンプルながら大掛かりで、かなり贅沢な作りがなされている。駆け出しのアイドルとしては、異例の豪華さと言えるだろう。演出は、世界で活躍するパフォーマンス集団「オリジナルテンポ」率いるウォーリー木下が担当。そして映像は、いきものがかりのライブ映像などを手掛けている上田大樹らが担当するなど、トップクラスのクリエーター陣が集結している。それら舞台装置や演出を生かすための核となる脚本は、前衛的かつテンポが良くスピーディー。「アイドルだからこそ観ていられる」演劇ではなく、単純に演劇単体としてのクオリティが高い。もちろん、アイドルがやるからこその魅力も詰め込まれている。

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