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パスピエを支える“バンドマジックへの信頼”とは? キャリアを踏まえて最新作を読み解く

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すべては「ポスト相対性理論」から始まった

 2015年12月22日に初の武道館公演を控えるパスピエ。最初の全国流通盤『わたし開花したわ』のリリースが11年11月だったことを考えると「一気に駆け上がってきた」という印象が強いが、ここまでの活動において彼らは自身の音楽の届け方について繊細なチューニングを繰り返している。

 『わたし開花したわ』のリリース時、店舗やウェブ上では「ポスト相対性理論」というコピーが頻繁に使われていた。無機質なボーカルと不思議な歌詞、メロディが残るバンドサウンド、匿名的な佇まい・・・確かにパスピエには相対性理論と近似する要素が含まれていたのも事実である。ただ、バンドの中心人物でもある成田ハネダの「ロックフェスがきっかけでバンドを組もうと思った」というバックグラウンドから考えると、そもそもパスピエと相対性理論では目指すものが大きく異なるというのが実態だった。

「(相対性理論と比較されることについて)それはもう言われすぎて慣れた(笑)。ギャップはあったが、カテゴライズしてもらうと聴き手が一歩目を踏み出しやすくなるのも事実。自分たちの気持ちは置いておいて、最初に「パスピエってこんなバンドだよ」と認知されたのはよかった」

 メジャーデビュー後に成田はこんな風に語っていたが、パスピエには自分たちを取り巻く空気の流れを着実にキャッチするアンテナが備わっている。まずは当初与えられた「ポスト相対性理論」というラベルをうまく活用して「サブカル」領域へ進出。メジャーデビューからしばらくは現在のロックバンドの主戦場=「ライブ」「ロックフェス」を明確に意識した作品を投下してスピーディーに支持を獲得。最近ではその支持基盤をベースとしながら、より普遍的なポップスにトライしているように見受けられる。

 パスピエの歩んできた道を振り返ると、どうしても「戦略的」という表現を使いたくなる。「バンドの戦略」という話には嫌悪感が表明されるケースも多々あるが、鋭敏な感覚を持ったクリエイターならば時代の潮流に反応するのは当然のこと。クオリティの高い音楽を明確な狙いの下に生み出す、というポップミュージックの作り手としての「仕事」をパスピエはハイレベルにこなしている。

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