Eテレ『サブカルチャー史』で80年代のYMO特集 細野晴臣と高橋幸宏が当時のコンセプト明かす
『ニッポン戦後サブカルチャー史』(NHKEテレ系)の9月5日分では、『80年代(1)What's YMO?」と題し、イエロー・マジック・オーケストラ(以下:YMO)やテクノ・ポップをめぐって、 メンバーである細野晴臣や高橋幸宏の発言を交え、当時の文化をたどる内容が放送された。
同番組は、第二次世界大戦後から現在にいたるニッポンのサブカルチャーの変遷を辿り、その本質を考察しようとする歴史教養番組。世界に浸透しつつある日本の「サブカル」「クールジャパン」前夜に何があったのかを、ナビゲーターに演劇界の奇才・宮沢章夫を迎えて放送している。
冒頭には俳優の風間俊介と、文芸コスプレアイドルの西田藍、RYO-Z(RIP SLYME)をゲストに迎え、レコードを携えた宮沢が登場。1978年にYMOが登場したことが1980年代の文化に繋がることを語り、番組がスタートした。
番組はまず「コンピューターは何を変えた?」と題し、細野と高橋の発言を紹介。細野はコンピューターミュージックの出現について「70年代は有機的・オーガニックなリズムでベースを弾いてた。急にコンピューターでベースが制御できるようになり、数値で打っていくから音色も均等になる。『じゃあ自分は何をすればいいんだ?』と、一度ベーシストとしてのアイデンティティーが崩壊した」と衝撃を受けたことを語った。一方で、高橋は「コンピューターとのセッションが凄く新鮮に思えて、やってみたら苦でもなんでもなくて。クリックに合わせてやってたけど、生身ですから、グルーヴ感は違ったと思うんですよ」とポジティブな捉え方をしていたことを明かした。
スタジオでは、宮沢がRYO-Zに対し「新しい機材が出てくると、(音楽の)やり方も変わってくるでしょ?」と質問。RYO-Zはこれに対し「僕らの音楽は打ち込みからなので、レコードから音を借りてループして…というところがある。YMOが無ければ音楽をやれていない」とテクノ世代のもたらした変革の大きさを語った。