アイドル界の新潮流!? 聖☆ボナプロ学園、Peach sugar snow ら”JS系”グループの最前線

子役からアイドルグループへーー10年代のPRETTY CHAT? 「Pocchimo」

 古くは1997年、野村佑香・前田愛・浜岡麻矢・大村彩子といった大人気ジュニアアイドル4人によるPRETTY CHATが、アイドル史に残る大名曲「WAKE UP, GIRL !」を生み出した。近年でもジブリ映画「崖の上のポニョ」のテーマを唄った大橋のぞみや、ハリウッド映画『パシフィックリム』にも出演し、その演技力をギレルモ・デル・トロ監督から高く評価された芦田愛菜など、子役出身者が歌手として活動するスタイルは現在でも続いている。子役からのデビューがJS系アイドルにおける一つの潮流となっている中、2014年の真打とでもいうべき3人組が「Pocchimo」である。

JSだって!!いましかない!!/Pocchimo

 ドラマ『ちびまる子ちゃん』にて主役のまる子役を演じた信太真妃。嵐の相葉雅紀が主演したドラマ「マイガール」での演技が評価され、第13回日刊スポーツ・ドラマグランプリにおいて助演女優賞を受賞した石井萌々果。NHKの子供向け番組「ワンワンパッコロ!キャラともワールド」での演技が、あの伝説のクッキングアイドルまいんちゃんにも匹敵するとも言われる畑芽育の3人によるPocchimo。メンバー全員が名門「セントラル子供タレント」所属で、老舗事務所が仕掛けるJS系アイドルグループ最終兵器といえる存在だ。

 すでにTVやネット系バラエティー番組、怒涛の勢いで展開されているデビューシングル発売イベントと、そこで披露されるJSとは思えないトークの面白さで話題となっている彼女たち。そのJSパワーは、果たしてどれだけ多くのアイドルファンに届くのだろうか。

Pocchimoオフィシャルブログ

 AKB48の「努力」、ももいろクローバーZの「全力」など、10年代におけるアイドルはファンと繋がるツールとして、漫画的なわかりやすい物語を必要としてきた。

 しかし「共感できる」「自己を投影できる」といった消費しやすい物語性は、本当にアイドル表現における本質なのだろうか。多くのアイドルグループが凡庸な「物語作り」にとらわれ、その魅力をスポイルされているのではないだろうか。

 本来は、社会化された窮屈な物語に絡め取られた人々を解放してくれるのが、アイドルという存在だったと思う。そして一見、あまりにもニッチに思えるJS系アイドルグループのムーブメントは、物語性重視という構造における閉塞感が徐々に蔓延している現在のアイドルシーンに対するアンチテーゼなのかもしれない。

 JS系アイドル達は、「順位」や「一生懸命」といったコトバに絡めとられることなく自由に、ただ楽しいから唄い・踊り・笑い・叫ぶ。物語から離れた、ある意味ではアナーキーな存在ともいえる彼女たちは、しかしその自由さゆえに「アイドル」の本質へと向かうーー。そんな表現を見たいと思う人達が増えているからこそ、JS系アイドルグループは増加しているし、それは現在のアイドルシーンがひとつの転換期に差しかかっていることの表れではないだろうか。

■ターボ向後
AVメーカーとして史上初「映像作家100人 2014」に選出された『性格良し子ちゃん』を率いる。PUNPEEや禁断の多数決といったミュージシャンのMVも手がけ、音楽業界からも注目を集めている。公式Twitter

※記事初出時、情報の一部に誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。(編集部)

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