濱野智史プロデュース「PIP」が目指すものは? インディペンデント・アイドルの可能性を探る
「かつてのアイドルグループ、特に80年代などは大きな資本力を持った事務所がアイドルを売り出すというのが当然でした。しかし現在のアイドルブームは、個人でやっているようなインディペンデントのグループも盛り上がっています。ただ、今はもうアイドルグループ自体が飽和しているので、新規参入するのは簡単ではないでしょう。そこで重要になってくるのが、プロデューサーが『現場の力学』を理解しているかどうかということだと思います。つまり、チェキの値付けや握手会のレートをどれくらいにして、メンバーにどれくらいギャラをバックするのかとか、そういうことも理解していないと無理だと思うんですね。その点、濱野さんはヲタの心理はもちろん、現場の構造もよく理解していらっしゃるので、強いんじゃないかと思います。今回のお披露目会ではお客さんの似顔絵を描いたそうですが、そういう工夫でお客さんの心を掴むのはさすがですよね。インディペンデントなアイドルグループでは、ほかにHauptharmonieというグループにも注目しているのですが、やはり彼女たちの場合もプロデューサーが現場を理解している。そういうグループであれば、今後もゲリラ戦的に生き残っていけるような気がしますね」
アイドル戦国時代と言われるようになって早数年、今なお新興勢力がひしめくシーンにおいて、PIPが提示するモデルが成功すれば、アイドルという職業の可能性はさらに広がっていきそうだ。