フーファイ、新アルバム制作過程をドキュメンタリーに アメリカ8都市の音楽史ひも解く
今秋発売予定で、フー・ファイターズ通産8作目となる新作アルバムが、そのレコーディングの模様を追ったドキュメンタリーのテレビ放映と連動したものになることが発表された。
放映予定のドキュメンタリーはバンドのフロントマン、デイヴ・グロールが監督を務め、レコーディングを行った各8都市(シカゴ、オースティン、ナッシュビル、ロサンゼルス、シアトル、ニューオーリンズ、ワシントンDC、ニューヨーク)の伝説的スタジオを紹介。そのスタジオを軸に、各都市の独自の歴史や特性をひも解き、音楽遺産や文化構造を浮き彫りにするという内容だ。
また各都市で1曲ずつ楽曲が収録され、すべての楽曲にその都市由来の伝説的ミュージシャンをフィーチャリング。その土地でレコーディングするまでの過程で得た経験や、その地で行ったインタビューからのインスピレーションを楽曲に反映させるため、実際のレコーディング・セッションの直前まで歌詞を固めないという前代未聞の実験的スタイルを敷いたという。
グラミー賞を受賞したデイヴ・グロールの初監督作品『サウンド・シティ - リアル・トゥ・リール』は、音楽制作やレコーディングにおける人的要素の賛美を目的にしたものだったのに対して、このドキュメンタリーは「アメリカ音楽史へのラヴレター」であるという。ドキュメンタリーでは、ミュージシャンたちが地元の文化構造においていかなる影響を受け、その成長期を形作っていったか、都市毎のアイデンティティーを掘り下げている。ドキュメンタリーに登場するすべてのアーティストが、そのジャンルや出自にかかわらず、普通の人間として音楽を作り、ヒットさせたいという普遍的な思いを持って始めたことが浮かび上がる内容で、その心への賛美が込められているとのことだ。
フー・ファイターズの20周年記念日の前夜に米HBOによって公開されるこのドキュメンタリー番組で、彼らは次世代の若手ミュージシャンへそのスピリットを「還元」したい、という狙いがあるようだ。番組中でインタビューを受けたバディ・ガイの言葉を借りると「すべては過去に基づいて形作られている」ということだろうか。
ポップミュージック史を独自の切り口で描いた本作は、彼らのファンだけではなく、多くの音楽ファンにとって興味深い映画といえそうだ。
(文=編集部)
■リリース情報
『ウェイステイング・ライト』
価格:¥2,400(税抜き)
『サウンド・シティ - リアル・トゥ・リール』
映画DVD:¥3,790(税抜き)
解説/日本語字幕付
オリジナルサウンドトラック:¥2,400(税抜き)
解説付
【フー・ファイターズ バイオグラフィー】
元ニルヴァーナのドラマーであり、現在の音楽シーンを代表するロック・アイコン、デイヴ・グロールを中心とする米ロック・バンド。これまでにデイヴ・グロールの自宅ガレージでレコーディングされ、2011年に発売された最新アルバム『ウェイスティング・ライト』は全米含む世界12カ国で1位を記録し、現在までのアルバム総セールスは2000万枚以上を記録。<フー・ファイターズ>名義ではグラミー賞11回獲得、<ニルヴァーナ>時代も含めると全世界アルバム・セールスは1億枚にも及ぶ。また、2013年にはデイヴ・グロール初監督となるドキュメンタリー作品『サウンド・シティ - リアル・トゥ・リール』も発表。同時に発表された映画サウンド・トラックは、今年度グラミー賞最優秀コンピレーション・サウンドトラック賞を受賞、本サウンドトラックに収録され、ポール・マッカートニーとの共演も話題となった“カット・ミー・サム・スラック”は最優秀ロックソング賞を受賞している。
フー・ファイターズ オフィシャルサイト
www.foofighters.com
www.sonymusic.co.jp/foofighters/