嵐のライブDVDが特別であるワケ 一流スタッフの手で「芸術作品」の域に

 嵐のライブDVDの場合、まず撮影用に準備されるカメラの台数が通常のミュージシャンの倍近くになる。またクレーンや空中から撮影することができる特機と呼ばれるものの台数も多い。ここまでの規模感で収録が行われるライブは日本ではサザンオールスターズやB’z、Mr.Childrenなどごく一部の限られた大物ミュージシャンだけだ。それぞれのメンバーには張り付きのカメラマンが複数人準備され、彼らの一挙手一投足が余すことなく収録される(これも通常のライブ収録では考えられないこと)。そしてそれらを撮影するカメラマンや収録された映像を取捨選択し構成するスイッチャーやディレクターにはジャニーズ事務所からご指名の歴戦の猛者が選ばれる。パッケージに記載されているクレジットを見れば分かるが、彼らスタッフは先に挙げた大物ミュージシャンなども担当する業界内でもトップクラスのメンバーなのである。そんな一流スタッフの手によって作られるライブDVDはコンサートとはまた別物の、素晴らしい芸術作品に仕上がっているのだ。

 もちろんライブで実際に本人たちを目にすることとライブDVDを鑑賞することは全く異なる。しかしどちらが優れているというわけではなく、全くの「別物」として両者とも楽しめるものだと断言できる。またDVDであれば過去のライブと見比べてメンバーの成長を見るという楽しみ方もできる。嵐ファンでなくても一流の職人たちによる映像作品として非常に満足できるものであるはずだ。例年のスケジュールで行けば春頃には昨年末のツアー「ARASHI Live Tour 2013 "LOVE"」も映像化されることが予想される。リリースまで待ちきれない方は是非これまで見逃していた過去のライブDVDも手にとってみて欲しい。
(文=北濱信哉)

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