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ザクザク切り込んでくるギター・ワークがスリリングなら、ステディな突進力とグルーヴィな揺れを誇るリズム隊もグイグイ腰に響くスリー・ピース。やせ我慢の美学に貫かれた歌詞はギラギラ眼光鋭い野性の息吹満載にして、ちょっぴりダダっ子なカワユさも感じさせつつ、しかしフトコロに抱えた「バカヤロー」気分も常時炎上中なところに、こっちもついつい、燃える。
要は、ロック黄金時代のガツーンとした爆撃サウンドを、パンク以降のスリム感とハングリー節でとことんシェイプアップした、鋭角にして疾走するロックンロール。ぶっきらぼうに投げつけられる音像そしてヴォーカルは、まずは遮二無二吐き出されるスピード感こそ本懐。特にギター・プレイにおける本人も再現不可能の無軌道なフレージング、そして煮詰められまくったブルース的ワビサビは「生き急ぎ」なんて言葉を思い起させるくらいの濃厚ぶり。気合い一発のギターを弾く藤井一彦はライヴではしょっちゅう弦を切るのだが、普通の人と違って太めの4/5弦を切るあたりに、リズム・カッティング命の彼らしい人柄を感じる。 (小池清彦)