ONE OK ROCK×MY FIRST STORY、King Gnu×常田俊太郎……兄弟ミュージシャンの特別な共演
11月14日、ONE OK ROCKとMY FIRST STORYの対バンライブ『VS』が東京ドームにて開催される。この2組と言えば、それぞれのボーカルであるTakaとHiroが兄弟関係にあるバンドだ。共に近いシーンで活躍しながら、ツーマンライブは史上初。昨年2月に開催されたマイファスの武道館ライブで、Hiroが観客席にいるTakaに直接対バンを持ちかけたことで実現したこの共演は、開催前から大きな話題になっている。
音楽シーンを見渡すと、別々のバンド/アーティストとして活動する兄弟による対バンや共演歴は数多い。本稿ではその一部を紹介していきたい。
King Gnuの首謀者である常田大希(Gt/Vo)の兄はバイオリニスト 常田俊太郎で、この2人は常田大希が主宰するmillennium paradeのレコーディングやライブのメンバーとして共演している。またKing Gnuが5〜6月に開催したスタジアムツアー『King Gnu Stadium Live Tour 2023 CLOSING CEREMONY』では、常田俊太郎率いるストリングス隊がライブメンバーとして参加した。近い音楽的素養を持つ兄弟だからこそ楽曲制作やライブアレンジにおいても分かり合える部分が多く、クリエイティブ面での信頼も厚いのだろう。仲間同士のような関係性として、強く結ばれている。
藤井一彦(兄)がフロントマンを務めるTHE GROOVERSとフジイケンジ(弟)がギタリストを務めるThe Birthdayは、2021年6月4日に豊洲PITで開催された『SHIBUYA SPECIAL MATCH』にて初めて対バンを行った。インタビューでも語られている通り、お互い兄弟をネタにされることには慎重であったが(※1)、コロナ禍など非常事態が重なり、ステージ上でセッションを行う共演に繋がったのだという。ステージではフジイケンジが少年時代に藤井一彦から“買った”というおさがりのギターでプレイするなど、言葉を必要としない固い絆が感じ取れる。
堀込高樹と堀込泰行はもともと兄弟ユニットのキリンジとして活動していたが、2013年に弟の泰行が脱退し、兄の高樹はKIRINJIとしてバンドスタイルでプロジェクトを継続した。道が分かれた2人だが2018年には5年ぶりにライブにて共演し、キリンジとして楽曲を披露した。アーティストとして異なる音楽を追求しつつも、こうした再共演を果たせる点も兄弟という関係性ならではだろう。