連載『lit!』第112回:ミーガン・ザ・スタリオン、Headie One、42 Dugg……土地性が表れた力強いヒップホップ
連載『lit!』第112回では、ミーガン・ザ・スタリオン、Headie One、42 Dugg……など、サウンドや文脈において土…
92年にアルバム『キャン・アイ・ボロウ・ア・ダラー?』でデビューしたコモン。東/西海岸のアーティストが主流を占めていたヒップホップ・シーンのなかで、当初はセールス的に振るわなかったが、この中西部はシカゴ出身のリリシストは、内容のクオリティの高さでコア・リスナーを中心にその注目と人気を着実に集めていった。
泥臭いホーン/ピアノ/ギターなどの楽器フレーズを取り入れたソウルフルなものから、アーバン・テイストかつ洗練されたサウンドまで——さまざまな展開を見せるコモンのトラックに共通して言えることは、“ロウ”な質感がトラック全体を覆っているということ。そして、ラップはややしゃがれ気味の声質で時にはリズムを外すようなフリーキーなものを繰り広げ、リリックはポエティックで興味深いメタファーを多用する。そのリリックのポエティック性とメタファー使いは、ヒップホップの衰退を自分の彼女の堕落に例えてみたり、「オレは人種差別みたいに消えるぜ」という一節に「オレはシーンから簡単には消えない」という逆説めいた意味を持たせたり……といった表現に顕著だ。また、彼に子供が生まれてからは、自分の精神的な成長や中絶をテーマに取り上げ、また違ったシリアスな面も見せていくようになった。
よくアルバム単位で語られることの多いコモン。それはどのアルバムも一貫したコンセプトを持っているからだろう。とはいえ、私的見解だが、デビュー・アルバム『キャン・アイ・ボロウ・ア・ダラー?』から5作目にして実験的色合いが濃いため賛否両論を巻き起こした『エレクトリック・サーカス』まで、すべてがヒップホップ・クラシックである。それもノー・I.D.やクエストラヴやジェイ・ディーを始めとするソウルクエリアンズら、トラック制作陣の本気モードのバック・アップがあってこそ、だろうが。で、気になる6作目についてだが、05年現在そのジェイ・ディーや同郷のカニエ・ウェストらとL.A.で順調にレコーディングを進めているそう。すこぶる期待が高まる。
でもって、ちょっとしたゴシップ・ネタをひとつ。順調に交際を続けていると思われていたエリカ・バドゥとコモンは、どうやら破局した模様。というのも、エリカは04年にウェッサイ・ギャングススタ・ラップ界の影のドン=D.O.C.との子供(プーマちゃん)を出産したというのだ。裏は取れてないが。フェミニンなインテリ・リリシストからマッチョなギャングスタ・リリシストに乗り換えたのということか? 余談だが、ちなみにエリカ・バドゥは、現在アウトキャストのアンドレ3000が父親の子供(セヴンちゃん)を育てている。
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