連載『lit!』第112回:ミーガン・ザ・スタリオン、Headie One、42 Dugg……土地性が表れた力強いヒップホップ
連載『lit!』第112回では、ミーガン・ザ・スタリオン、Headie One、42 Dugg……など、サウンドや文脈において土…
ピート・ロックのサウンド・プロダクションにおける品質は、ヒップホップ・シーンのなかでは間違いなくトップ・クラスだ。そんな彼へのプロデュース/リミックス・ワークの依頼は絶えることなく、彼が今まで果たしてきた作品を挙げ出したらキリがないほど。そんなピート・ロックの音の特色はソウル/ジャズ・サンプリングである。彼は多彩な音源からネタ感を強く残しつつサンプリングし、そこにディレイなどの効果を施して奥行きのあるサウンドスケープを仕立てていく。そしてなによりも、練られた構成のループの展開により類まれな“黒い”質感を生み出すのだ。また、フィルターやイコライジングを駆使することで、芯の太い厚みのあるビートを創り出していることも、彼の音の特徴として挙げられるだろう。
98年にアルバム『ソウル・サヴァイヴァー』をリリースしたピート・ロックは、ソウル・フレイヴァ溢れるサウンドを展開しファンを唸らせた。その後も実弟グラップ・ラヴァを含むINI、ディーダ(双方のアルバムは<BBE>から03年にようやく正規リリース)などを自身のレーベル<SOUL BROTHER>において育成したり、04年に久しぶりのソロ作『ソウル・サヴァイヴァー2』をリリースするなど、枯れることのないクリエイティヴィティと元祖ジャジー・トラック・メイカーの威厳を世間に広く見せつけた。
連載『lit!』第112回では、ミーガン・ザ・スタリオン、Headie One、42 Dugg……など、サウンドや文脈において土…