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「ティーンズ・ミュージック・フェスティバル2006(全国大会)」に出場し、準グランプリを受賞。翌07年7月4日(水)にシングル「シネマドリーム」でメジャー・デビューを果たした博多発の兄弟フォーク・デュオ“ピース”。
メイン・ヴォーカルが入れ替わるというダブル・ヴォーカル・スタイルを取り、一つ一つの言葉を丁寧に紡ぎだし、兄弟ならではの抜群のコーラスでハーモニーで織り成していく。そこに坂崎幸之助をして「生意気なギター」と言わしめるほどの大胆なストローク・プレイが重なる。「シネマドリーム」はデビュー曲とは思えないほどのクオリティを魅せてくれた。しかし、10代のデュオにしてこのフォーク色の強さは一体どのようにして生まれたのだろうか…?
昭和のフォーク全盛期に、沢山のシンガーを世に送り出した由緒あるライヴ・ハウス“照和”。そこでプロを目指した時期があった父親が、音楽に興味をもった2人の息子に、自分の全てを注ぎ込むべく、猛特訓を開始。その内容は凄まじいもので、100本ノックならぬ、ひたすら曲を弾き歌い続けるという“100曲ノック”を敢行。しかもそこで使うギターは普通のギターではなく、指を鍛えさせるために、わざわざネックを反り返らせ、弦は通常よりも張りつめたものであった。全ては握力の向上と、わずかな指の動きから繊細な音楽を生み出すために…。技術面だけでなく、「曲に心がこもっていない音楽は自己満足でしかない。演奏者の全存在が表現できなければ、オリジナリティな魅力も生まれない。心からフツフツと自然体で沸き上がるものこそ心に響き、歌っている意味がある。」という精神面をも教え込んでいった。ギターの、音楽の師である父と兄弟の生きた血が通ったピースの音楽は、新しいけど懐かしく、懐かしいけど新しく響くのだ。
そして08年2月、デビュー・シングル含む3枚のシングル・リリースを経て、いよいよ待望のフル・アルバム『僕はこうして生まれて来たんだから』をリリース。
鍛えぬかれたギター・テクを見せつけてきたかと思いきや、激しいバッキングとバンドのロック・サウンドを高らかに響かせるなど、シングル3作ともまた違ったテイストが堪能できる作品であり、さらにいい意味で裏切ってくれる仕上がりであった。
今後は、弟の恭長が08年3月に中学を卒業、それに併せて音楽活動も今までより大きく展開していくとのこと。是非とも一度この若き才能を持つ兄弟デュオを拝見して欲しい新人だ!

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