『VIVANT』“野崎”阿部寛の裏切りに秘められた目的とは? “新庄”竜星涼の生存説を考察

 8月16日に放送された『VIVANT』(TBS系)第14話では相関図が大きく更新された。

 今作最大の衝撃をもって受け止められた公安・野崎(阿部寛)の裏切り。第14話は野崎の動向が中心となった。乃木(堺雅人)は違和感を覚えながらも野崎の誘導に気づけなかった。野崎は新庄(竜星涼)がフライト便を変更した可能性を示唆したが、野崎自身は旅客機ではなく貨物機で移動した。

 最強の敵は最強の味方になる。その逆もしかり。手がかりがほとんどない中で、あらためて野崎は本当に裏切ったのかという疑問も呈されたが、第14話を観ると野崎は“クロ”で、別班員の身柄と自らが保有する機密情報と引き換えにして、他国の諜報機関に保護を求めたというのが真相だった。

 ただし、そこには注釈が必要だ。野崎が直接、別班員を拉致したわけではない。黒須(松坂桃李)たち別班員が身柄を拘束されて空路で移送されたのは、脱獄したベキ(役所広司)が上原官房副長官(橋爪功)の自宅で乃木に撃たれたのと前後する時間帯で、野崎は部下に命じて乃木の動きをマークしていた。日本橋の三越本店で野崎は乃木と接触。別班員の拉致について情報交換し、関与したのが新庄であると誘導して、自らに疑いの目が向けられるのを阻止した。その裏で東条(濱田岳)に命じて新庄の出国ルートを偽装し、別班の捜査を攪乱。その後、自らは悠々と貨物機でイスラエルに飛んだという筋書きだ。

 野崎の裏切りは単独で行われたのかという疑問がある。公安部部長の佐野(坂東彌十郎)も野崎の動きを事前に把握していた。東条とドラム(富栄ドラム)は知らされておらず、尋問の様子から新庄も知らなかったと思われる。問題は公安が組織的に関与しているかだが、乃木の別人格であるFは以下の可能性を挙げる。①佐野と野崎が他国の諜報機関と通じていた、②他にも協力者がいる、③公安部外事第4課が他国の諜報機関に汚染されている、④野崎の裏切り自体が何らかの任務であるという可能性だ。

 このうち、①は第14話で詳細が明かされた。野崎がエルサレムで会った人物は、樊林杏(ファンリンシン/宮下今日子)だった。中国公安部の局長だった樊は、多国籍の民間諜報機関を装った中国の“別班”といえる「Xinxi」の責任者であり、Xinxiはアゼルバイジャンの隣国ゴルバドのルモー地区に拠点を置いていた。バルカと同じく架空の国であるゴルバドは、中国の一帯一路構想の協力国でつながりが強い設定。野崎はXinxiの一員になったと考えていいだろう。

 ②については、第11話で登場したリンリン演じる実行部隊のほかにハッカーやエージェントがいると考えるのが妥当だ。③について、佐野自身がXinxiを介して中国公安部と接点がある可能性や、作中で別班と対立する公安に他国の諜報機関が潜伏している可能性は否定できない。④は、野崎がわざわざXinxiに身柄を差し出した理由が気になる。別班やテントの情報と引き換えにして手に入れたいものが報酬以外にあるのではないか。野崎は引き続き諜報活動に従事するが、そのことが日本の国益に合致することはあり得るだろう。

 第13話後に登場が予告された宮下今日子は、ミステリアスなたたずまいが役柄とマッチしており、内側から発する迫力は阿部と並んでも見劣りしない。別班の手ごわい相手として、乃木は対峙することになる。

 第14話では新庄の最期が描かれた。公安部に所属しながらテントのモニターだった新庄は、本国に引き渡されてから国に対する罪に問われる。同僚のワキサカ(小久保寿人)に「殺してくれ」と頼んだのは、カトリックの信仰も影響していた。その新庄は、現地警察に発砲し銃撃を浴びて死亡。新庄は見せ場が多く、個人的に竜星涼にとってアクション適性を発揮し、善悪両面を演じ分ける最高の役だと思っていたので退場が惜しまれる。

 新庄生存説に一縷の望みをつなぐとすれば、死亡時刻が10時13分で、新約聖書のコリント人への手紙10章13節に「神は耐えられない試練は与えない」とあることから、新庄は一命を取り留めた可能性を指摘したい。能力の高さを見込んだ乃木から別班にスカウトされ、医師を買収して死亡を偽装し、ダミーの遺体を空路で日本へ運ばせ(遺体解剖はなし)、良きタイミングで復活する展開だ。しかし、両親への「育ててくれてありがとう」というそれっぽい台詞もあったことを考えると、その線は薄いだろう。

 傷ついたイケメンが倒れる第14話で、第11話以来の登場となった黒須(松坂桃李)は、先に拉致された4人の別班員と合流。拷問が行われる場所では4人が十字架にくくられていた。すでに黒須の顔面も殴打でボコボコである。樊が「地獄を見てもらう」と宣言したように、黒須もこれからむごたらしい仕打ちを受けるのだろうか。樊がテントの孤児院に反応した理由や東条の結末も含めて、第2シーズンが本格的に加速しそうだ。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』第2シーズン
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、山中崇、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、内野謙太、花岡すみれ、本間さえ、二宮和也、井上順、林遣都、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、宮下今日子、Tanapak Jongjaiphar、濱田岳、坂東彌十郎、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李
原作・演出・プロデュース:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
公式X(旧Twitter):@TBS_VIVANT
公式Instagram:tbs_vivant
公式TikTok:vivant_tbs

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