『VIVANT』序盤の謎を徹底考察 “野崎”阿部寛が追う宿敵は別班司令官“櫻井”キムラ緑子?

『VIVANT』序盤の謎を徹底考察

 堺雅人主演のTBS系日曜劇場『VIVANT』の第2シーズンが、第13話までの放送を終えた。世界を股にかけた大冒険活劇が展開されていく中で、視聴者が気になっていた、第1シーズンで回収しきれなかった伏線が次々と回収されていく。その一方で、作品としてどこに向かっているのか見えない部分が多く、第13話のラストで乃木憂助(堺雅人)とともに行動してきた警視庁公安部・外事第4課に所属する野崎守(阿部寛)が「別班の情報を海外に流した“最大の裏切り者”か?」というエンディングを迎え、依然として謎に包まれた展開が続いている。そこで、序盤の疑問点や今後の展開について考察してみたい。

 第1シーズンのラストシーンの直前から幕を開けた第2シーズンは、テロ組織「テント」のリーダーであり乃木の弟・ノコル(二宮和也)の力になるためにバルカに残った黒須(松坂桃李)を含む、日本各地の病院で治療していた4人の別班員、計5人がほぼ同時に消えたところから物語が始まる。

 これまで、噂の中だけの存在だった別班が初めて世界に実在を晒すことになりかねない状況は、現在ノコルのムルーデル社を中心に採掘事業が進めている地下資源フローライトの所有権だけでなく、自衛隊および日本政府の憲法違反と国際法違反が証明され、日本転覆になりかねない危機だ。

 極秘の別班員5人の居場所を知る11人の中に情報を漏洩した裏切り者がいると別班は考え、乃木はもちろんのこと、今シーズンから登場した別班を支えるAIハヤトが拉致事件の首謀者の確率95%と記録したのが、公安でありながらテントのモニター(協力者・潜伏工作員)でベキ(役所広司)たちを公安から逃した新庄浩太郎(竜星涼)だった。

 しかし、潜伏先のタイで捕まえ尋問するも関与していないことが判明。ここで分かったことは、AIは集められた情報のもとに計算するものなので、野崎の行動ひとつ見ても別班は把握しきれていない状況なだけにハヤトの情報が足りておらず、11人に絞るのは疑問が残る。最後は悪用され、最大の敵になる可能性も否めない。

 第13話のラストで裏切り者として浮上したのが野崎。まず、乃木から情報を得るより先に新庄が飛行機の免許を持っていることを確認していたにもかかわらず、乃木から報告を受けた際にすべて知らないふりをしていた。また、新庄の身柄を引き取るために「今夜バンコクに向かう」と言っていたのに、イスラエルのエルサレムに行っていた。新庄追跡に関しては乃木たちにすべてを偽り、むしろ遠回りさせるように邪魔をして、自分は別の場所にいたことからも「裏切り者」と判断され、別班員の拉致に関わっていると疑われる事態に。

 そもそもな話、公安である野崎が、乃木個人ならまだしも、別組織の非公式部隊である別班にすべての情報を共有するということはナンセンスな話であり、裏切り者というレッテルを貼るにはちょっと違う気もする。

 乃木たちが裏切りを確信したのは、野崎が和久井(田中俊介)のスマホを借りて、新庄の情報を確認するためにクーダン国立飛行訓練所へ電話をかけた場面だ。監視カメラの位置くらい把握しているはずの野崎が、分かりやすいポジションで電話をしているのは、先の展開を見越しての乃木たちへのアピールのようにも思える。またそれを見た乃木とドラム(富栄ドラム)が異常な驚き方をしていたが、乃木ならこの行動を疑うはずだ。いきなりの「野崎さんがー!」と泣き叫ぶ嘘くさい演技(Fの仕業か)は、この話を聞いている長野(小日向文世)か櫻井(キムラ緑子)に向けてのアピールにしか思えない。

 また、おそらく和久井は私用の電話は使っておらず、公安の電話を堂々と使用することが、別班ではなく公安を欺く行動のようにも考えられる。

 タイに行くと言って別のパスポートで秘密ルートでエルサレムに向かったのも、裏切るというより、身の危険を案ずるのには当然の行動であり、交渉相手が表沙汰にしたくないというなら尚更だ。

 また、乃木のタイ行きを邪魔したのが、テントモニターを匂わせている東條(濱田岳)で、乃木たちをウラジオストクへ誘導していたのは明らかだが、野崎は新庄が免許を持っているのを確認しただけで、タイに潜伏しているのを知っていたは東條で、新庄に関しては丸投げしていたようにも感じる。しかし東條が11人の中に入らないのも気になる。

 第1シーズンから野崎は、「俺たちは、大きな渦の中にいるのかもしれない」と言っていたが、アメリカCIAや公安が追う世界を巻き込む渦の中心として、テントとは異なる組織がいるはずだ。乃木がアリ(山中崇)にジャミーン(本間さえ)について「今ならバルカでも安心して暮らせそうですけど」と話すと「ダメです!」と一瞬声を荒らげたことからも、これから起こる紛争、もしくは黒幕の存在がいることを示唆している。野崎は乃木に「何か苦渋に直面したら、チンギス(バルサラハガバ・バトボルド)に相談するといい。いい知恵を与えてくれる」と言っていたが、背景にいる巨大な組織によってノコルたちの裏切りや窮地に立つ可能性なども考えられる。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる