『天幕のジャードゥーガル』『これ描いて死ね』など 2026年夏アニメで関根明良が大活躍

2026年の夏アニメでは新人からベテランまで、さまざまな声優が活躍していたが、そのなかでも圧倒的な存在感を放っていたのが関根明良だ。
関根といえば『プリンセス・プリンシパル』のプリンセスや『ひろがるスカイ!プリキュア』のソラ・ハレワタール(キュアスカイ)などを代表作に持つ女性声優。今期のアニメでは幅広い役を演じ分けるだけでなく、観る者をキャラクターの心の内側へと引き込む芝居を披露していた。

まず大きな話題を呼んだのは、『天幕のジャードゥーガル』の主人公・シタラ役だ。壮絶な運命に翻弄される少女の激情を、ダイナミックな演技によって表現していた。
同作は13世紀、モンゴル帝国が勢力を広げる時代を舞台としたストーリー。シタラは故郷から引き離されて奴隷となり、学者の一家に拾われる。そこで知恵を授けられながら穏やかな日々を過ごしていたが、ある日モンゴル帝国の第四皇子トルイが街を襲撃し、すべてを蹂躙していった。新たな家族をも失い、捕虜となってしまったシタラだが、帝国を崩壊に導くために王族へと取り入っていく。
人生のすべてを奪われた元奴隷という境遇ゆえ、シタラの心の奥底には激しい復讐心が渦巻いている。しかし表向きは帝国に仕える立場なので、怒りも悲しみも声に出すことができない。愛想よく笑顔で振る舞いながら生きるしかないのだ。
そこで関根はシタラという1人の少女を演じつつ、そのさまざまな相貌を鋭く演じ分けている。たとえば王族の前では明るく穏やかな従者として振る舞う一方、知略を巡らせる場面になると声のトーンがすっと落ち、冷酷な復讐者の顔を覗かせる……という具合だ。また年相応に無垢で、思いやりのある少女としての顔も作中を通して描かれている。
そのなかでも強烈なのは、やはり“怒り”を発露させる場面だろう。モノローグにおいても沸々と燃えたぎる復讐心が垣間見えるが、ストーリーの要所でその激情がマグマのように噴出する。とくに圧巻なのは最終回にあたる第12話。モンゴル皇帝から支配者の傲慢さを見せ付けられた後、それまで押さえつけていた感情が爆発したような叫び声が荒野に響き渡るのだった。
無垢で愛らしい少女と、尊厳を奪われた復讐者の両極を行ったり来たりするシタラというキャラクターを表現するにあたって、関根以上の適役は存在しなかったのではないだろうか。

その一方、『これ描いて死ね』も関根の新たな代表作になりそうな作品だ。同作では主人公・安海相役として、誰もが応援したくなる少女の奮闘を表現してみせた。
同作は『ラブロマ』や『金剛寺さんは面倒臭い』で知られるとよ田みのるが、マンガ創作の世界を題材として描いた成長譚が原作。東京の離島・伊豆王島に暮らすマンガ好きの高校1年生・安海が、とある出来事をきっかけにマンガを“つくる”道へ踏み出していく物語となっている。
安海は子どもの頃から人付き合いが大の苦手で、大好きなマンガの存在に救われながら生きてきたというキャラクター。第1話ではそのピュアな性格やまっすぐな想いがあらわになるシーンがあった。
こよなく愛するマンガ『ロボ太とポコ太』の作者が久しぶりの新作を出すことを知り、単身コミティアへと乗り込む安海。出会いの瞬間に声を上ずらせて喜びをあらわにした後、涙を流しながら自分の想いを打ち明けるのだが、関根の演技には観る者を感情移入させる力強さがあった。
またその後のストーリーでは、マンガづくりという目標に邁進する安海の姿が描かれていく。その演技は“無垢な少女”の声に全力で振り切っており、『天幕のジャードゥーガル』のシタラ役とはまったく別の魅力を宿している。
さらに安海役の演技としては、明るい性格と人見知りな一面のギャップにも注目したい。実際に関根は公式インタビューにおいて、天真爛漫さのなかにある人見知りの“度合い”の調整に注意したことを明かしていた。(※)
好きなものを語るときの弾むような声と、ふと尻込みするときの小さな声。豪快なようでいて繊細な演技こそが、安海というキャラクターにリアリティを与えている。

そのほか今期の関根は、主役以外にも多彩な役柄で活躍を見せた。たとえば現代転生ラブコメ『花織さんは転生しても喧嘩がしたい』では、メインヒロインの花織ミーティア役を熱演。また『炎の闘球女 ドッジ弾子』では、闘球部の“守りの要”を担う心やさしい先輩・江袋もち子役。『乙女怪獣キャラメリゼ』では怪獣をこよなく愛する少女・友里真夏役を演じていた。
10月から始まる秋アニメでも、『冰剣の魔術師が世界を統べるII』のアリアーヌ=オルグレン役、『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』のビッラウラ役などを担当する予定だ。この勢いのまま、さらなるブレイクを果たすことに期待したい。
参照
※ https://www.vap.co.jp/topics/articles/bc7y0pdc1obw3ydp.html





















