『VIVANT』今後の展開の鍵を握るのはアリ? 山中崇の“隙のある演技“に油断できない理由

『VIVANT』“アリ”山中崇の隙のある魅力

 堺雅人が主演を務める『VIVANT』(TBS系)第13話が放送され、第2シーズンにおける“敵”と“味方”がはっきりし始めてきた。その中でも、意外な顔を見せたのがテントの幹部である、アリ・カーン(山中崇)だった。

 アリは第1シーズンではインフラ設備会社「GFL社」の社長として乃木(堺雅人)に接触。のちに日本を担当しているテントの幹部ということが判明すると乃木と黒須(松坂桃李)に家族を人質に脅迫を受け、テントの創設者がノゴーン・ベキ(役所広司)であることを白状する。そして、乃木の助けで家族とともにベネズエラに逃亡する際にはテントの通信暗号キーを渡し、テント内部の人間でありながら乃木に協力的な人物として描かれた。

 乃木がテント内部に潜入した第1シーズン後半は出番がなかったが、第2シーズンになり、ベネズエラより住みやすいキプロスに移住していたことが判明。キプロスは、新庄(竜星涼)が主導したとされる別班員拉致事件の被害者が移送された国とされており、事件への関与を疑われ、乃木とドラム(富栄ドラム)に再び脅迫されることになってしまう。

 そんなアリを演じているのは、4月期のTBS系金曜ドラマ『田鎖ブラザーズ』で田鎖兄弟を見守る“もっちゃん”こと茂木幸輝役を演じて大きな反響を呼んだ山中崇。2作続けて、重厚感のある話題作へ出演しているが、山中が画面へ現れると緊張していた気持ちが少しだけゆるむ心地がする。その理由は彼が見せる“隙”にあるのではないだろうか。

 もっちゃんは、中華料理屋の亭主でありながら計算が苦手で、仕入れ伝票を見た稔(染谷将太)はそのどんぶり勘定っぷりにもっちゃんが騙されるのではないかと心配したほどだ。気弱だけど温かくて人懐っこいもっちゃんは、日々、殺人事件に向かい合い、その上で両親の殺害事件も解決したいと、次々に重圧を背負いこむ田鎖兄弟のオアシスのような人だった。だからこそ、明かされた真実には視聴者である私たちも「もっちゃんがそんなことを……?」という大きなショックを受けた。

 アリもテントの幹部でありながら、序盤でベキの名前を吐いてしまったことからそこまで頭のキレる人物だという印象を抱くことはなかったのではないだろうか。しかし、アリは早くからノコル(二宮和也)の親友・ゴビ(馬場徹)の裏切りを予見していたが、ノコルが助言を受けなかったことから、乃木らを利用し裏切り者を炙り出すことを画策。テントの通信暗号キーを渡したのは、乃木が助けてくれたお礼でもあったが、真の目的としての策略があったのだ。つまり、アリはあの乃木を手のひらで転がしていたのである。

 その聡明さと狡猾さをあわせ持った人間性にゾクゾクしたのも束の間、乃木の別人格・Fに尋問されたアリは「YESかNOで答えろ」と凄むFに、たどたどしい日本語で「ワカタァ……」と答え、早速Fの怒りを買いそうになる。この“隙”、言いかえれば“ポンコツさ”が、どんなにアリがすごい人物であろうと彼をかわいらしく見せている。この時点で、私たちはうっすらとアリの味方になってしまっているのだから恐ろしい。

 観察すればするほど、ただ者ではない気がしてくるアリ。山中はそんなミステリアスさを持った人物を演じることに長けている。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』(2022年度前期放送)で、山中は、東洋新聞社に勤めるジャーナリスト・田良島甚内を演じた。田良島は主人公の暢子(黒島結菜)が見習いをしていた「アッラ・フォンターナ」の常連で、暢子をアルバイトとして受け入れたこともある。皮肉屋で口が悪く、最初は暢子のことをよく思っていないのではないかとも取れる態度をしていたが、実際は目配りと愛情を忘れない人であった田良島。将来に悩み、壁にぶつかりがちな暢子や和彦(宮沢氷魚)や愛(飯豊まりえ)に的確な助言をした田良島は一躍、この作品の人気キャラの1人となっていた。

 『VIVANT』第13話では、アリがバルカに帰り、ノコルと熱い抱擁をかわしていた。乃木に協力しているノコルたちがいるバルカも、これから重要な国になっていくことだろう。新たにノコルの右腕となったアリの活躍と、“隙”がありつつも目が離せない山中の演技に期待が高まるばかりだ。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』第2シーズン
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、山中崇、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、内野謙太、花岡すみれ、本間さえ、二宮和也、井上順、林遣都、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、宮下今日子、Tanapak Jongjaiphar、濱田岳、坂東彌十郎、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李
原作・演出・プロデュース:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
公式X(旧Twitter):@TBS_VIVANT
公式Instagram:tbs_vivant
公式TikTok:vivant_tbs

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