『あんたが』竹内涼真×夏帆の“希望”が詰まった掛け合い 本音に気づいた鮎美の変化

自分の前では少食を装っていたという鮎美の告白に「俺、気づかず我慢させてたんだ……」とまずは己を省みて謝る勝男に「違う、勝男さんのせいじゃない」と否定する鮎美。この2人のやりとりに、互いに離れていた期間の成長が詰まっていた。相手の希望も聞かずに自身の理想や思い込みを知らず知らずのうちに押し付けてしまう節がある勝男と、相手の希望に沿うことばかり考えてしまい自身の本音を置き去りにしてしまいがちな鮎美。離れてからお互いの弱点を自覚でき、その弱点との付き合い方を学んでいる途中同士の2人が、互いの傷をそっとケアし合うような掛け合いには希望が詰まっていた。

「鮎美はバカでも惨めでもない。俺と一緒にいる時からずっと」という勝男のストレートな言葉は、勝男フィルターが多分にかけられた鮎美を指しているのではなく、目の前で変化しようと足掻く生身の鮎美自身をしっかり捉えられていた。哀れみでも庇護の対象に向けての言葉でもない勝男のこの言葉は、鮎美を当たり前に1人の人間として眼差して発せられたものだった。

この言葉があったから、渚(サーヤ)に触発されて染めたピンク色でも、男性から選ばれることを最優先に考えてきた黒髪でもなく、鮎美は鏡の中の自分に向き合い新しい髪色を決められたのだろう。彼女が他でもない自分の意志で選んだ茶髪はとっても素敵で似合っていて、本当にこの上なくしっくりきていた。借り物感が一切なく、憑き物が取れたかのような鮎美が観られて安心した。

さて、次週は2人のこれまでの紆余曲折を知る由もない勝男の頑固親父・勝(菅原大吉)が待ち受ける。ラスボスを前になぜか鮎美も同じく大分に向かっているようで、2人が出会った地で彼らの関係は再燃するのだろうか。勝は一切気づいていない中、勝男の両親に熟年離婚の危機が迫っていそうだが、ここまでの変化を遂げた勝男と鮎美であれば、そのピンチさえも救えてしまいそうな気がしてしまう。
谷口菜津子による同名漫画を原作としたロマンスコメディ。「料理を作る」というきっかけを通じて、“当たり前”と思っていたものを見つめ直していく男女を描く。
■放送情報
火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:夏帆、竹内涼真、中条あやみ、前原瑞樹、サーヤ(ラランド)、楽駆、杏花
原作:谷口菜津子『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(ぶんか社『comicタント』連載)
脚本:安藤奎
演出:伊東祥宏、福田亮介、尾本克宏
プロデューサー:杉田彩佳、丸山いづみ
編成:関川友理
音楽:金子隆博
主題歌:This is LAST「シェイプシフター」(SDR)
制作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/antaga_tbs/
公式X(旧Twitter):@antaga_tbs
公式 Instagram:antaga_tbs
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