『あんたが』竹内涼真×夏帆の“希望”が詰まった掛け合い 本音に気づいた鮎美の変化

『あんたが』勝男×鮎美の“希望”の掛け合い

 勝男(竹内涼真)に千載一遇のチャンスが巡ってくる『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)第6話。

 「俺たちさ、別れよ」。ミナト(青木柚)から結婚願望がないことを聞かされた鮎美(夏帆)は、突然吹っ切れたように荷物をまとめて家を出ていく。嵐のように過ぎ去る鮎美の退場ぶりは目を見張るものがある。

 鮎美がショックを受けたのは、2人の未来に当たり前に結婚を夢見ていたのが自分だけだったということもあるだろうが、それだけではなさそうだ。結局肝心なところで自分の希望や本音をはっきりとは口に出さずに、相手に察してもらおうとばかりして、最終判断は委ねてしまう自身の変化のなさにガッカリしたのではないだろうか。交際する相手を変え、所属するコミュニティを変え、髪色を変えたところで結局自分自身が変化しないと意味がない。そう突きつけられた出来事だったからではないだろうか。

 職場の同僚から誘われて参加した婚活パーティーでも、自分が結婚後どうしたいのか、どんな生活を思い描いているのか、自分を主語にして話せない鮎美は、ここでもなお「誰かに選ばれたくて縋ろうとしている」自分に幻滅し、会場を後にする。

 同じ頃、勝男は椿(中条あやみ)からの誘いを受けホームパーティーに参加。そこに定番メニューではなく、小籠包を手作りで持参するのがなんとも彼らしい。

 互いに大勢の人が集うパーティーに参加するも蚊帳の外で、あまり手をつけられていない料理を見て、思わず「もったいない」という感想を持つ勝男と鮎美。そして場違い感満載のその場を抜け出した帰り道に、たまたま目に留まった“一人暮らし向け料理特集”のポスターに惹かれて図書館に吸い込まれていく。本を抱えたままぶつかった2人は、まさに出会い直しをしたかのようだった。勝男が言う「運命の人とは運命的な出会いをするはず」もあながち間違えていないのかもしれないと思える。

 ホームパーティでは不発に終わったお手製小籠包を鮎美に食べてもらえて、彼女から「美味しい」という感想をもらうなり、ガッツポーズを決める勝男はやっぱり憎めない。「鮎美に食べてもらいたくて料理始めたから」という想いもしっかりと伝えられていた。本当に勝男も随分素直になったものだ。というよりも、もともとバカ正直だった勝男だが、第1話で心の底から嘆いた「俺、変わりたい」という決意どおり、周囲の協力を得ながら考え方を適宜アップデートし、その変化を本人も楽しみながら受け入れられるようになった。そして、そんな自分を彼自身も気に入っているのだろう。

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