“さとこ”桜井ユキが“終の住処”を手にいれる 『しあわせは食べて寝て待て』が描く住居問題

衣食住は、人間が生きていく上で欠かせない3つの基本要素。ただあればいいというわけではなく、健康で豊かな生活を送るためには自分の体質や健康状態、季節に合わせて選ぶ必要がある。食べ物と着るものに関しては多くの人が無意識のうちにそうしているのではないだろうか。
だが、住む場所にいたっては他の2つに比べて蔑ろにされがちだ。分譲にしろ賃貸にしろ、1回の引越しで相当な労力とお金がかかることを考えたら仕方ないことなのかもしれない。でもだからこそ、慎重に選ぶ必要がある。
『しあわせは食べて寝て待て』(NHK総合)第7話では、前回同様に“住”にフォーカスがあたり、さとこ(桜井ユキ)がひとつの大きな決断を下した。
桜井ユキが明かす“自分と向き合う時間”の大切さ 俳優の仕事は「生きる意味」
数々の名作を生み出してきたNHKドラマ10枠。視聴者の心を揺さぶり、癒やしてきたこのドラマ枠に新たな仲間入りを果たすのが、桜井ユ…ウド、ふきのとう、筍、菜の花、そら豆といった食材が春の訪れを告げる。さとこが団地に引っ越して、もうすぐ1年が経とうとしていた。受験勉強でさとこのレンタルルームを利用していた弓(中山ひなの)は大学進学のために関西へ。八つ頭(西山潤)と反橋(北乃きい)は、さとこのパート先の社長・唐(福士誠治)が紹介した地へ移住することが決まる。
一方、移住を諦め、すっかり気力を失っていたさとこは大家の鈴(加賀まりこ)から意外な申し出を受ける。さとこに貸し出している部屋を将来的に譲りたいというのだ。それは、さとこの生活が少しでも楽になればという鈴の思いやりであり、潜在的には生まれ育った団地から若い人がどんどんいなくなる寂しさもあるのではないだろうか。

唐と青葉(田畑智子)が八つ頭に挨拶がてら団地へ遊びに来ることになり、鈴と司(宮沢氷魚)の部屋で食事会が行われる。気合いを入れて料理を振る舞い、珍しくお酒を飲んだ鈴。普段から司と2人で楽しく暮らしているが、それも永遠には続かないことをどこかで分かっているのだろう。天真爛漫な笑顔の裏に人知れず置いていかれる不安を抱えていると思ったら、はしゃぎ疲れて眠る鈴の姿に胸の奥がちくっとする。さとこのことだってもっと積極的に引き止めてもおかしくないのに、「自分のいたいところにいるのが一番」と尊重する姿勢を見せる鈴はなんていじらしいのだろう。





















