河合優実&原菜乃華も“主役”に 『あんぱん』『エール』など朝ドラ三姉妹たちの恋路を辿る

朝ドラ三姉妹たちの恋路を辿る

  第106作『ちむどんどん』(2022年度前期)で描かれた沖縄・山原生まれの三姉妹も実に個性的だ。主人公は『あんぱん』の、のぶと最も人物像が近く、お転婆で足の速い次女の暢子(黒島結菜)。幼い頃に一時期だけ山原に来ていた和彦(宮沢氷魚)と上京後に再会を果たし、恋に落ちる。しかし当初、和彦には結婚を見据えた恋人がいて、結ばれるまでには紆余曲折あった。長女の良子(川口春奈)は真面目で自分より他人の気持ちを優先してしまうことがあり、貧しい家のためにお金持ちの金吾(渡辺大知)と結婚しようとしたこともあるが、最終的にはずっと思いを寄せていた同業者の博夫(山田裕貴)と結婚する。幼い頃から病気がちだった三女の歌子(上白石萌歌)は、暢子に思いを寄せる智(前田公輝)に不毛な片思いを続け、終盤になってようやく報われた。三女は純愛パターンが多い。

『ちむどんどん』『エール』『スカーレット』 朝ドラが描く、三姉妹の奥行きのある人生

開始間も無くして父・賢三(大森南朋)が亡くなり、母・優子(仲間由紀恵)が倒れ、兄・賢秀(竜星涼)はケンカ沙汰を起こす。極め付けは…

  こうしてみると、恋愛事情にはそれぞれの個性が如実に現れる。蘭子の恋はピュアでありながら大人っぽい。豪にとって蘭子は雇い主の孫であり、お互いの立場を思うがゆえに自分の気持ちを簡単には口にすることができないのだろう。そんないじらしい2人の恋をずっと見守っていたいが、豪に召集令状が届いてしまう。しかし、なんとか2人は結ばれることに。メイコにももうすぐ恋が訪れるようだが、素直に喜べないのはこれから戦争が本格化してくるから。お国のために命を捧げることが正義とされた戦時下では、いとも容易く愛する者同士が引き裂かれる。そのことを肝に銘じながらも、三姉妹が愛する人と結ばれ、幸せになることを願わずにはいられない。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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