阿部サダヲ×松たか子、夫婦役で示すキャリアの“到達点” 大石静とのタッグに評論家も期待

7月期のテレビ朝日系木曜ドラマ『しあわせな結婚』で、阿部サダヲと松たか子が夫婦役で共演することが発表された。夫婦役としては10年ぶりの共演となる本作で2人はどんな化学反応を見せるのか。
松たか子、『しあわせな結婚』でテレ朝連ドラ初出演 阿部サダヲと約10年ぶりの夫婦役に
阿部サダヲが主演を務め、大石静が脚本を手がける7月期のテレビ朝日系木曜ドラマ『しあわせな結婚』のヒロイン役を松たか子が務めること…また、脚本を務める大石静にとって、本作はNHK大河ドラマ『光る君へ』以来の連ドラとなる。大河ドラマとして社会現象を巻き起こした同作と比較して、『しあわせな結婚』では何が描かれるのか。
ドラマ評論家の成馬零一氏は、大石静の作風についてこう語る。
「『しあわせな結婚』が発表されたときが、“大石さんはもう少し休めばいいのに”と思いました(笑)。『光る君へ』が終わったばかりなのに、もう新作を書くなんて、すごいバイタリティですよね。『光る君へ』が彼女の集大成的な作品だったので、その後に何を描くのかは全く想像がつきません。作家として特殊なステージに入っていて、ここにきてピークを更新し続けているようにも感じます。作家の年齢が高いことは、以前はハンデのように思われていましたが、今は世の中自体が高齢化していているため、“若い感性”が最重要ではなくなっています。今回のような晩婚夫婦の話というと20年前はもう少し異物感がありましたが、今は当たり前のように受け入れられているので時代の変化を感じます。また、『光る君へ』の場合は平安時代を舞台にして現代の感性、とくに現代の女性の悩みなどを描けていたと思いますが、それに対して今回は舞台が現代なだけに、なにか違うテーマを持ってくるのかと気になっています。いずれにしろ大河の後の連ドラとして期待値は高いです。“添い遂げられない夫婦”の関係を描いたからこそ、逆に二者関係としての夫婦関係をじっくりと描くことになるかもしれません」
大石静の作家性は“流行に敏感”なところにあるとして、こう続ける。
「内容については、主人公が元弁護士ということもあり、阿部サダヲさんと松たか子さんが共演した、坂元裕二さんが脚本を書かれた『スイッチ』(2020年/テレビ朝日系)と重なる部分も感じますが、大石さんはすごく流行りものに敏感な脚本家なんですよね。『光る君へ』も、やはり『鎌倉殿の13人』の後の大河ドラマだということはすごく意識されたと思います。その時々で流行っているドラマに、いい意味で影響を受けやすい方なんだと思います。キャスティングがいつ頃決まったのかはわかりませんが、阿部さんと松さんの作品を観た上で、“自分ならどうするか”と考えたのかもしれません。もしかしたら、近年の流行にあわせて、考察ドラマとしてしっかり作り込んでくる可能性もあります」





















