釘宮理恵はなぜ“ツンデレ美少女”役にハマる? 『黒執事』サリヴァン役で発揮する真骨頂

釘宮理恵はなぜ“ツンデレ美少女”にハマる?

 特に印象的だったのが、第2話のシエルとの部屋での対面シーン。ベッドの上で「甘いひととき」を想像していたサリヴァンが、セバスチャンを伴って現れたシエルに思わず誤解してしまうくだりは、釘宮の演技によって、クスッと笑ってしまうような可愛らしさと、彼女なりの覚悟のにじむ瞬間が巧みに表現されている。

 そして、誤解が解けたあとの「僕の知らない世界を聞かせてほしいのだ」という一言。その中に込められたまっすぐな知識欲と、まだ見ぬ世界への好奇心を、釘宮の声は過不足なく、しっかりと余韻をもって響かせてくる。

 だからこそ、サリヴァンの言葉にシエルが手を差し出す姿にも、自然と納得が生まれるのだろう。そもそも、小野大輔と坂本真綾という鉄板のコンビに、釘宮理恵が加わるこのシーンは、まさに眼福ならぬ“耳福”の極み。令和の今、平成アニメ黄金期を象徴するような顔ぶれが再び一堂に会するだけで、アニメファンにとっては何よりのご褒美と言っていい。

 『黒執事』にはこれまでも、強烈な個性と美学をまとったキャラクターたちが数多く登場してきた。そんな中にあって、サリヴァンは魔女でありながらも、釘宮の声によって不思議と親しみを覚える存在として際立つ。気高く、なのにどこか愛おしい。そんな“緑の魔女”に、私たちはもう魅了されている。

■放送情報
『黒執事 -緑の魔女編-』
TOKYO MXほかにて、毎週土曜23:30〜放送
ABEMAほか各配信サイトにて配信
キャスト:小野大輔(セバスチャン・ミカエリス役)、坂本真綾(シエル・ファントムハイヴ役)、釘宮理恵(ジークリンデ・サリヴァン役)、小林親弘(ヴォルフラム役)、梶裕貴(フィニアン役)、加藤英美里(メイリン役)、東地宏樹(バルドロイ役)、寺島拓篤(スネーク役)、麦人(タナカ役)
原作:枢やな(月刊『Gファンタジー』スクウェア・エニックス刊)
監督:岡田堅二朗
シリーズ構成:吉野弘幸
キャラクターデザイン:清水祐実
サブキャラクターデザイン:髙田晃
総作画監督: 清水祐実、髙田晃、清水裕輔、猪口美緒、寒川歩
色彩設計:横田明日香
美術設定:伊良波理沙(KUSANAGI)
美術監督:根本邦明(KUSANAGI)
テクニカルディレクター:佐久間悠也
撮影監督:金森つばさ
CGディレクター:伊藤達弘
編集:小口理菜
音楽:川﨑龍
音響監督:明田川仁
制作:CloverWorks
オープニングテーマ:Cö shu Nie feat.HYDE「MAISIE」
エンディングテーマ:龍宮城「WALTZ」
©Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler
公式サイト:https://www.kuroshitsuji.tv/
公式X(旧Twitter):https://x.com/kuroshitsuji_pr

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