麻生久美子、『魔物(마물)』で新境地か 朝ドラから一転の“愛と欲望”に歪んだ表情に注目

そのいっぽうで彼女は、作品によってはコメディエンヌぶりも発揮する俳優だ。古くは『時効警察』(2006年/テレビ朝日系)、近年でいえばやはり『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(2021年/NHK総合)が有名だろうか。松尾スズキが作・演出を手がけた大人計画の日本総合悲劇協会VOL.7『ドライブイン カリフォルニア』(2022年)での妙演も、いまだに鮮明に覚えている(「悲劇」とうたっているが、抱腹絶倒の作品でもある)。シリアスに振り切った演技でいえば、黒沢清監督による傑作『回路』(2001年)がある。こうして麻生のキャリアを振り返っていると、“広島原爆”をモチーフにした主演作『夕凪の街 桜の国』(2007年)を見返したくなってくる。原爆が投下されたあの日から、間もなく80年。見返すべきだ。未見の方はぜひ、手に取っていただきたい。20代の頃の麻生の演技にも触れられるだろう。

そんな麻生は、つい最近も新境地を開拓してみせたばかり。朝ドラ『おむすび』(2024年度後期/NHK総合)での演技のことだ。彼女にとっては意外にもこれがはじめての「朝ドラ」への出演で、ヒロインの母親役にして“元ヤンキー”という設定のキャラクターを軽やかに演じ上げていた。重い展開が続いたり、物語が停滞しているとき、麻生の演じる米田愛子というチャーミングな人物が、前へ前へと作品を推し進めていたものだ。麻生久美子という俳優がどのような器を持った存在なのか、再認識した方は少なくないだろう。『魔物(마물)』で彼女の新しい一面が見られるのは間違いない(とはいえ、あの愛子さんを思い出すと、少しばかり複雑な思いがあるが……)。
『ドクターX』のテレビ朝日が、『梨泰院クラス』を手がけた韓国のスタジオ・SLLとタッグを組んで送る日韓共同制作オリジナルドラマ。不倫、DV、セックスなど愛と欲望にまつわる過激なテーマを掲げたラブサスペンスで、麻生久美子と塩野瑛久が初共演にして濃厚なシーンに臨む。
■放送情報
『魔物(마물)』
テレビ朝日系にて、4月18日(金)スタート 毎週木曜23:15~24:15放送
出演:麻生久美子、塩野瑛久、北香那、神野三鈴、佐野史郎、大倉孝二、落合モトキ、宮本茉由、宮崎吐夢、うらじぬの、若林時英
原案:シン・ウニョン
脚本:関えり香
監督:チン・ヒョク、瀧悠輔、二宮崇
音楽:jizue
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)、パク・ジュンソ(SLL)
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、チェ・へウォン(SLL)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、イム・チョヒ(SLL)、河野美里(ホリプロ)
制作著作:テレビ朝日・SLL
制作協力:ホリプロ
©テレビ朝日・SLL
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