『あんぱん』阿部サダヲ×吉田鋼太郎の“演技怪獣”合戦 “分かち合う”テーマが作品の要に

『あんぱん』(NHK総合)第7話が4月8日に放送された。第2週のタイトルは「フシアワセさん今日は」。第6話ラストで、釜次(吉田鋼太郎)が石材の下敷きになって、どうなることかとヒヤヒヤしたが、命に別状はなくひと安心。ただし右腕を骨折してしまい、医師の寛(竹野内豊)に石屋の仕事を控えるように言われる。

朝田家にとって一大事である。結太郎(加瀬亮)が急逝し、大黒柱の釜次が働けない中で、どうやって一家を食べさせていくのか。羽多子(江口のりこ)やくら(浅田美代子)は内職を始めたばかりで、泣きっ面に蜂とはこのことである。弟子の豪(細田佳央太)まで口減らしのため辞めると言い出し、要はそのくらい逼迫していた。
展開上、ここから“ヤムおんちゃん”こと草吉(阿部サダヲ)とのパン作りにつながることは予告されているのだが、その前に、お腹を空かせたのぶ(永瀬ゆずな)に、嵩(木村優来)が弁当をあげるシーンが挿入される。のちに夫婦となる2人の関係を示唆していると思われるが、一言で言うと、それは「分かち合う」ことだ。弁当をシェアすることは、アンパンマンが頭を差し出す姿と重なる。至るところに「ぼくの頭をお食べ」の変奏が登場する。

もう一つ、2人の関係性が表れているものがある。のぶが率先し、嵩が追いかける構図だ。第7話でパンを焼いて生計の足しにしようと考えたのぶが、草吉を追って駅へ行くと、そこに嵩も来る。モチベーターであり、インスピレーションをもたらすのが嵩にとってののぶで、2人が歩む生き方の原形がすでにあった。




















